女子日本代表は9月27日の開幕戦でホスト国の南アフリカに24-31、10月5日の第2戦で世界ランク5位のスコットランドに13-19と競り負けて、勝ち点3で6チーム中5位。4トライ以上と7点差以下の黒星に与えられるボーナスポイントを得たものの、いずれもあと一歩及ばずに2連敗を喫した。ウェールズ戦は日本にとっては今季最終戦でもあり、白星でのシーズンの締めくくりを目指している。

最終戦の先発メンバーはスコットランド戦から2人が変わり、14番にWTB松村美咲が入り、スコットランド戦で先発していた松田凛日はコンディション都合で大会登録メンバーから外れた。HOには谷口琴美が入り、スコットランド戦で先発していた公家明日香がリザーブにまわり、入れ替わった。また、リザーブにLO/FL細川恭子が2試合ぶりに名を連ねた。

レスリー・マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、「ここまでの2試合はフィジカルな相手にフィジカルな戦いをすることができた。だが同時に、結果が出ていないのはフラストレーションを覚える」と述べて、選手のパフォーマンスに成長の手ごたえを覚えているだけに、結果が伴わないことを残念がった。

特に、スコットランドとは昨年のWXV2でも対戦し、7-38と点差をつけられていたが、今回は6点差とかなり迫った。

来年のラグビーワールドカップへ向けて貴重な準備の場と位置付ける今大会で、マッケンジーヘッドコーチは、昨年のスコットランド戦と比較に言及。「昨年は簡単に相手にやらせてしまったところがあったが、今回堅く行けたことは収穫で自信につながる」と話し、「セットピースで確実に戦えることは有利さにつながっているし、キックゲームやアタックで強い気持ちを持てる土台になっている」と評価している。

また、連戦になっているが、チームは最終戦に向けて「元気に良い準備ができている」と語る。

ウェールズ戦で勝利を手にするためのポイントとして、サクラフィフティーン指揮官は「テリトリーをしっかりコントロールして、プレーすべきエリアで プレーする。規律をしっかり守っていかないとならない」と指摘。さらに「1つずつ成長してきたので、最後の週にどれくらい成長することができるかに目を向けたい」と述べて、チームの更なる奮起に期待している。

一方、ウェールズは世界ランクでは日本の11位に対して10位。9月28日の今大会初戦でオーストラリアに5-37と大差で敗れたが、10月4日のイタリア戦では5-8と接戦を落としての2連敗で、3点差負けで今大会初の勝ち点1を得た。日本戦での今大会初勝利で最下位脱出を狙っている。

日本より第2戦を1日早く戦ったことで最終戦には1日多い準備期間を得ている点は有利だろう。

イタリア戦から先発メンバー3人を変更し、3番にSisilia Tuipulotu、5番にAbbie Flemingを起用。10番にKayleigh Powellが入る。初戦のオーストラリア戦でトライを決めたHO Carys Phillips、イタリア戦で同点トライをマークしたCTB Hannah Bluckも、それぞれ2番、12番に名を連ねている。

日本とウェールズのテストマッチでの対戦は2021年11月のカーディフでの顔合わせ以来で、その時は日本が5-23で敗れた。日本が勝って前回の借りを返せるか。プラスアルファのプレッシャーもかかる状況でもあり、メンタル面での強さも試されそうだ。

試合はケープタウンのアスローン・スポーツスタジアムにて、10月11日現地時間16:00(日本時間23:00)キックオフの予定だ。

 

 

 

女子日本代表ウェールズ戦試合メンバー

1加藤幸子 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、27キャップ)

2谷口琴美 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、22)

3北野和子 (MIE PEARLS、17)

4佐藤優奈 (東京山九フェニックス、19)

5吉村乙華 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、24)

6川村雅未 ( ―、18)

7長田いろは* (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、36)

8齊藤聖奈 (MIE PEARLS、46)

9津久井 萌 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、37)

10大塚朱紗 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、30)

11今釘小町 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、28)

12弘津 悠 (ナナイロプリズム福岡、12)

13古田真菜 (東京山九フェニックス、32)

14松村美咲 (東京山九フェニックス、9)

15西村蒼空 (MIE PEARLS、16)

16公家明日香 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、17)

17峰 愛美 (日本体育大学ラグビー部女子、9)

18永田虹歩 (MIE PEARLS、25)

19細川恭子 (MIE PEARLS、14)

20ンドカ ジェニファ (北海道バーバリアンズディアナ、10)

21阿部 恵 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、27)

22山本 実 (YOKOHAMA TKM、33)

23小林花奈子 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、16)

(注:* 印はキャプテン、所属の後の数字はキャップ数)

 

女子ウェールズ代表 日本戦試合メンバー

1 Gwenllian Pyrs

2 Carys Phillips

3 Sisilia Tuipulotu

4 Natalia John

5 Abbie Fleming

6 Alisha Butchers

7 Alex Callender

8 Bethan Lewis

9 Keira Bevan

10 Kayleigh Powell

11 Nel Metcalfe

12 Hannah Bluck

13 Hannah Jones*

14 Carys Cox

15 Jasmine Joyce

16 Molly Reardon

17 Maisie Davies

18 Donna Rose

19 Georgia Evans

20 Alaw Pyrs

21 Sian Jones

22 Robyn Wilkins

23 Coutney Keight

(注:* 印はキャプテン)