スコットランドが決勝でアメリカを48-10で下して優勝し、ワールドラグビーU20チャンピオンシップ2025への昇格を獲得した。
13日のプール最終戦で日本との全勝対決を制して決勝に進出していたスコットランドは、プールBを3戦全勝で1位突破したアメリカと対戦。守備で粘るアメリカに、セットピースで優位に立ち、冷静な試合運びで勝利をものにした。
スコットランドはLO Euan McVieが前半9分の先制トライを含めてハットトリック、HO Jerry Blyth-Laffertyが2トライ、CTB Johnny Ventisei、NO8 Tom Currie、ベンチスタートのKerr Yuleがそれぞれ1トライを加えて、コンバージョンもSO Andrew McLeanが1本、途中出場のJack Hockingが3本を成功させた。
ホームの観客の声援を受けて戦うスコットランドは、前半から3トライ1コンバージョンでリードを広げ、前半27分にはSH Conor McAlpineが自陣から相手22メートル内まで持ち込んだのを起点に、最後は素早い展開からボールを受けたVentiseiがクロスバーの下にトライ。スコットランドは前半、アメリカの得点をゼロに押さえて、17-0でハーフタイムを迎えた。
後半早々にアメリカにPGで3点を返されたが、スコットランドはBluth-Laffertyがラインアウトからモールで押し込む形で後半6分と同26分にトライを決めると、続いてMcVieが後半32分と36分に連続トライをマークしてハットトリックを達成。後半終了直前にはYuleのトライでスコットランドが48-3とした。
その後、アメリカは終了間際にWTB Keelan FarrellのトライとFB Corbin Smithのコンバージョンで7点を返して48-10としたが、そこまでだった。
今年のU20シックスネーションズでは思うような結果を出せずに終わったスコットランドだったが、今大会ではサモアとホンコン・チャイナに100点ゲームを演じ、プール3試合で32トライをマーク。開催国によるU20トロフィー優勝の2例目となった。
試合後の表彰式で、スコットランドのキャプテンを務めたFL Liam McConnellは集まった地元ファンの前でワールドラグビーU20トロフィーを高らかに掲げた。
「この2年は厳しい日が続いただけに、スコッドのメンバーもマネジメントもみんな、とても喜んでいる。これは長いトンネルの先で手にした光だ」とMcConnellは言った。
「アメリカもハードに戦ってきてハーフタイムまでは競り合っていたが、後半、自分たちがやるべきことを続けて、勝負をつけることができたと思う」とU20スコットランド代表キャプテンは胸を張った。
今回の優勝でスコットランドは2019年以来のU20チャンピオンシップ復帰を手にした。
「(復帰は)すべてを意味している。U20チャンピオンシップでティア1の国々と肩を並べることを誇りに思うし、自分たちもその一員だと思っている。来年そこで、世界のトップチームと対戦する良い機会だ」と語った。
日本はウルグアイに75-22勝利で3位
スコットランドにプール最終戦で敗れた日本は3位決定戦でウルグアイと対戦。前節の黒星で大会優勝とU20チャンピオンシップ復帰の希望が絶たれたショックから立ち直って、11トライを奪う攻撃を披露。75-22で大勝して勝利で大会を終えた。
試合開始6分、8分にWTB増山将が連続トライを奪い、日本はその後も勢いのある動きで前半半ばにはFL亀井秋穂、30分過ぎにはHO清水健伸が5点ずつを加え、SO伊藤利江人が4本中3本のコンバージョンを成功させた。
一方で相手の得点をPG1本とトライ1本に抑えて前半を26-8で折り返すと、後半も開始3分で亀井がこの日2本目のトライを決めるなどで日本が33-8と点差を広げた。
今大会プールBでアメリカには敗れたものの、ケニアとオランダに勝って2勝1敗の2位で3位決定戦へ進出したウルグアイは、後半4分にFranco Bertiniがトライを決めて、Francisco Landauerが2点を加えて15⁻33と点差を詰めたが、日本が攻撃の手を緩めることはなく、後半13分からの10分余りの間に伊藤、清水、飯岡建人が立て続けにトライ。コンバージョンも成功させて54-15とリードを広げた。
ウルグアイは後半29分にIcaro Amarilloにイエローカードが出て数的不利になりながらも、同33分にFelipe Bofillがトライを返したが、日本はFB竹之下仁吾が1トライ、ベンチスタートした本橋尭也が終盤に2トライを加えるなど、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。
この試合でキャプテンを務めたLO石橋チューカは、「非常にタフな試合で、自分たちのしたいラグビーができずにミスが続いてしまったが、後半修正することができた」と話し、「2月から大会優勝目標に掲げてやってきて、スコットランドに負けたことは悔しいが、最後に勝ててよかった」と振り返った。
U20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチは、「(スコットランド戦の敗戦から)みんなが切り替えて、最後に自分たちらしく戦えたことは収穫」と述べて、スコットランド戦のようにプレッシャーを受ける中でも正確な良いプレーができるために、フィジカルスキルを磨く必要性を指摘した。
「失敗はないと選手たちに言っている」と大久保ヘッドコーチ。「選手たちがすべてを学びにして成長していくことを願っている」と言った。
5位はオランダ、7位はホンコン・チャイナ
5位は今大会初出場のオランダ。プールBでは1勝2敗の3位で5位決定戦へ進み、優勝経験もあるサモアと対戦。6トライを挙げて46-29の勝利を収め、今大会2勝目となった。
オランダは前半15分までにIlan Vaasen がPGを3本成功させて9⁻0とリードを奪うと、20分過ぎからTobias de PrieelleとNiek Doornenbalがトライを決めて前半30分までに24⁻0とリードを奪った。
その後サモアに1トライを返されたものの、前半終了目前にAntonio Popoaliiにイエローカードが出てオランダが数的優位になると、Kit Temperleyがハーフタイムを挟んで2トライを決めてリードを広げ、その後も2トライを加えた。サモアは後半4トライを返したが、オランダ優位は崩れなかった。
7位決定戦では、プールA4位のホンコン・チャイナがプールB4位のケニアと対戦し、34-14で今大会初勝利をつかんだ。
ホンコン・チャイナはケニアに0⁻14と先行を許したが、前半14分のBen Sheldonのトライを皮切りに、James KeeとHassan Linが5点ずつ、Matthew Rickardが2点を加えて17-14と逆転に成功。ケニアが32分にDaniel Bett、前半終了目前の41分にBramwel Mateが続けてイエローカードを受けると、前半終了間際にSheldonがこの日2本目のトライを決めて29-14とした。
後半は両チームともスコアレスの時間が続いたが、終盤にRickardがトライを決めて加点。勝利を手にしてU20トロフィーでの連敗記録を12で止めた。