大会優勝で2023年以来のU20チャンピオンシップ復帰を目指す日本の前に、スコットランドが立ちはだかった。
今大会、サモアに123-15、ホンコン・チャイナに101-0と圧勝を重ねてプールA首位をキープしてきたスコットランドは、1位突破で決勝進出となる日本との全勝対決で威力を発揮。素早く強いプレッシャーをかけて日本のミスを誘い、ボールポゼッションで優位に立つと、抗う日本の守備の綻びを逃さず、着実に得点を重ねた。
前半8分、SO Andrew McLeanの突破からWTB Geordie Gwynnがインゴールに飛び込んで先制し、McLeanのコンバージョンも決まって7-0と先行した。
日本も相手ゴール前まで迫るトライチャンスを作り、前半17分には相手ゴール5メートル手前でのラインアウトの好機をミスで活かせず。その2分後にはペナルティからSO伊藤龍之介が速攻を仕掛けて22メートル内に切り込み、フォローしたCTB陣へつないだがパスが乱れた。
日本は守備でも粘っていたが、前半26分にGwynnがステップで日本選手をかわして2本目のトライを奪い、スコットランドに12-0とリードを広げられた。
追う日本は、反撃を試みて相手陣内でのペナルティなどの機会を得るものの、パスの乱れなどハンドリングミスが続いて、流れをつかむことができず、無得点のまま前半を折り返した。
後半に入っても流れは変わらず、パワーとスキルで上回るスコットランドが攻勢を強め、ここまで2戦連続ハットトリックのWTB Finlay Doyleが後半4分に、McLeanがその5分後に続けてトライを決めて24-0と点差を広げた。
日本は後半15分にFL川越功喜がイエローカードを受けて一人少ない展開になると、スコットランドは直後にゴール前のラインアウトからモールで押し込んでFL Freddy Douglasが5点を追加。60分前後にはMcLeanがPG2本を成功させて点差は39-0になる。
日本は終盤、ベンチスタートの選手が奮闘。後半29分、相手陣内深い位置でのスクラムから素早くつなぎ、増山将が右サイドからインゴールに飛び込んで5点を返し、後半34分にも再びスクラムを起点にした素早い展開からFL亀井秋穂がトライを決めて10-39とした。
しかし、スコットランドは試合終了間際に途中出場のJack Hockingが5点、McLeanが2点を加えて、6トライの快勝で試合を終えた。
この結果、スコットランドは3戦全勝の勝ち点15でプールAを1位で終了し、初黒星で2勝1敗の勝ち点10となった日本は2位。3位にはホンコン・チャイナに39-19で初勝利を手にしたサモアが入り、ホンコン・チャイナは3戦全敗で4位となった。
「なかなかゴール前で得点を取り切れなかった」というU20日本代表キャプテンの太安は、「相手のアタックに対して我慢強くディフェンスして自分たちのラグビーをしようと、後半挑んだが、小さなミスからトライにつなげられて、(自分たちは)後半もゴール前まで迫っても取り切ることができなかった」と振り返った。
ウルグアイ戦に向けては「勝ちしか望んでいない。最後の1戦に向けて、チームを作り直して、最後に勝てるようにしたい」と語った。
U20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチは、「想像以上にスコットランドのプレッシャーがきつくて、19回ターンオーバーしても勝てない。いかにプレッシャーの中で正確にプレーできるか、今後の日本の課題だ」と指摘した。
地元のファンが多く駆け付けた中での試合に、「こういうプレッシャーのなかで試合ができたことは、結果はともかく、選手にとって今後に生かせる経験になったと思う。今日はしっかり落ち込んで、そこから逃げずに向き合って、ウルグアイ戦を良い形で終えたい」と述べた。
アメリカが全勝でプールB首位突破
プールBではアメリカがケニアを30⁻17で下して3戦全勝で1位となり、次いで、オランダを32-16で破ったウルグアイが2勝1敗で2位に入った。3位は1勝2敗のオランダ、ケニアは3戦全敗で4位だった。
アメリカはCTB Max Threlkeldの先制トライとCTB Tito EdjuaのPGで前半を8-3リードで終えると、後半開始直後にEdjuaが2本目のPGとLuke Shhaeferのトライなどで18-3とし、さらにKeelan Farrell、Rand Santosがそれぞれ5点ずつを加えて後半半ばまでに30⁻3と点差を広げた。
ケニアは終盤に2トライ2コンバージョンを決めたものの、反撃には遅すぎた。
大会最終日の17日は7位決定戦でホンコン・チャイナとケニア、5位決定戦でサモアとオランダ、3位決定戦で日本とウルグアイと順に行われ、スコットランドとアメリカの決勝で幕を閉じる。優勝チームは来年のU20チャンピオンシップへの出場権を手にする。
U20日本代表試合メンバー:
1 森 仁之輔(天理大学)
2 清水健伸(早稲田大学)
3 布引大翔(帝京大学)
4 石橋チューカ(京都産業大学)
5 物部耀太朗(明治大学)
6 亀井秋穂(明治大学)
7 川越功喜(天理大学)
8 太安善明*(天理大学)
9 髙木城治(京都産業大学)
10 伊藤龍之介(明治大学)
11 海老澤琥珀(明治大学)
12 本橋尭也(帝京大学)
13 上田倭士(帝京大学)
14 飯岡建人(筑波大学)
15 竹之下仁吾(明治大学)
16 田中京也(立命館大学)
17 螻川内晴也(帝京大学)
18 八田優太(京都産業大学)
19 磯部俊太朗(筑波大学)
20 舛尾 緑(立正大学)
21 吉川大智(立命館大学)
22 村田大和(京都産業大学)
23 増山 将(筑波大学)
注意:* はキャプテン