6月22日のイングランド代表戦(17-52)から、代表候補選手によるジャパンXVのマオリ・オールブラックスとの2連戦を経て、今回、ラグビーワールドカップに6大会連続出場で世界ランク13位のジョージア代表と対戦する。同12位の日本代表は、イングランド戦の先発メンバーを基盤に、いくつかの変更を加えた。

フロントローPR茂原隆由、HO原田衛、PR竹内柊平の3人やSH斎藤直人とSO李承信の2人など、イングランド戦とほぼ同じ顔触れをキープ。イングランド戦にはFLで出場したリーチマイケルが今回4番のLOで新境地に挑み、ファウルア・マキシがNO8からFLで、長田智希はCTBからWTBでプレーする。

 イングランド戦では体調不良で試合直前に先発から外れたディラン・ライリーが13番に戻り、ジョーンズヘッドコーチが「走れるNO8」と期待を寄せ、昨季フランスリーグで活躍のNO8テビタ・タタフが新体制で初試合に臨む。

 そこに、多くの若手をチェックしたマオリ・オールブラックスとの2戦から、FL下川甲嗣が7番で、PR岡部崇人が17番に入った。

 「我々にとって大事な試合になる」というジョーンズ日本代表ヘッドコーチは、「選手たちの素晴らしい姿勢のおかげで、良い準備ができた。自分たちのスタイルでプレーできると思うし、ベスト23人を選ぶことができた」と述べた。

 ジョージアとの対戦は前回2018年の対戦(28-0)を含めて通算対戦成績は日本の5勝1敗だ。

ジョージアは現在ヨーロッパ・チャンピオンシップ7連覇中で、全身の欧州ネーションズカップを含めると優勝は16度を数える。ラグビーワールドカップには昨年のフランス大会まで6大会連続で出場している。

 チームは昨年のラグビーワールドカップ後から元イングランド代表HOのリチャード・コクリルが指揮を執り、ジョーンズヘッドコーチがイングランド代表を率いていた折に、FWコーチを務めた経歴の持ち主だ。

現在のチームは次のワールドカップへ向けて若手をチームに加える転換期にあり、来日直前の7月5日にホームでフィジー代表と対戦して12⁻21で敗れたが、伝統的なフォワード中心のチームに、近年はバックスの力が加わっていると評判だ。

 日本戦の先発は、フィジー戦のメンバーを柱に5人を変更したが、その試合にFBで出場してPG3本を決めたSOルカ・マトカヴァをはじめ、昨年のワールドカップでトライを決めたダヴィド・ニニアシヴィリとアカキ・タブツゼが15番、14番を務める。

最多キャップ保持者は113を数えるWTBアレクサンデル・トドゥア。一方で、ノンキャップのルカ・ゴギナヴァとギオルギ・ジマナシュビリの二人がリザーブから出場機会を待つ。

 日本代表キャプテンのリーチは、ジョーンズヘッドコーチの下、確立を目指している超速ラグビーについて、ここまでの3試合を経て「やろうとしていることが明確になって、形になってきている」と、ある程度の手ごたえを示し、「フィジカルがないとできないし、デカい相手を止めないとできない。ジョージアは良い相手だと思う」と話した。

 リーチは、自身が挑戦しているロックでのプレーについても「感覚はしっかり掴めている。コミュニケーションは良くなっているし、細かいスキルなど、たくさんの努力をしている」と話している。

 日本はチームの取り組みの進捗を図りながらテストマッチ初白星を手にできるか。

 13日のジョージア戦の後は、日本代表は22日に札幌でイタリア代表と対戦する。

日本代表 ジョージア代表戦試合登録メンバー:

1 茂原隆由(静岡ブルーレヴズ、1)

2 原田 衛(東芝ブレイブブルーパス、1)

3 竹内柊平(浦安D-Rocks、4)

4 リーチ マイケル*(東芝ブレイブルーパス東京、85)

5 ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、12)

6 ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、6)

7 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス、5)

8 テビタ・タタフ(ユニオン・ボルドー・ペグル、16)

9 斎藤直人(スタッド・トゥールーザン、20)

10 李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ、12)

11 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ、8)

12 サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks、1)

13 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、18)

14 ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京、9)

15 矢崎由高(早稲田大学、1)

16 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ、42)

17 岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス、0)

18 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、1)

19 サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ、3)

20 ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ、1)

21 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ、0)

22 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ、7)

23 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、2)

注意: * はキャプテン、所属のあとの数字はキャップ数

 

ジョージア代表 試合登録メンバー:

1ゴオルギ・アハラゼ (ASM Clermont、5)

2ヴァノ・カルカゼ (Montpellier、13)

3イラクリ・アプツィアウリ (Lyon、7)

4ヴラディメリ・チャチャニゼ (Black Lion、17)

5ギオルギ・ジャヴァヒア (Grenoble、13)

6ギオルギ・ツツキリゼ (Black Lion、36)

7ベカ・サギナゼ (Lyon、40)

8ベカ・ゴルガゼ* (PAU、46)

9ミヘイル・アラニア (Aurillac、13)

10ルカ・マトカヴァ (Black Lion、20)

11アレクサンデル・トドゥア (Black Lion、113)

12ゴイルギ・クヴェセラゼ (Grenoble、58)

13デムリ・タプラゼ (Black Lion、37)

14アカキ・タブツァゼ (Black Lion、41)

15タヴィト・ニニアシュヴィリ (Lyon、30)

16ルカ・ニオラゼ (Aurillac、7)

17ルカ・ゴギナヴァ (Mont de Marsan、0)

18ギオルギ・ジマナシュビリ (ASM Clermont、0)

19ミヘイル・バブナシュヴィリ (Black Lion、7)

20ルカ・イヴァニシュヴィリ (Black Lion、13)

21トルニケ・ジャラゴニア (Provence、33)

22ヴァシル・ロブジャニゼ (Oyonnax、85)

23テド・アブジャンダゼ (Aurillac)

注意:* はキャプテン 所属の後の数字はキャップ数