大会優勝でU20チャンピオンシップ昇格を目指す日本代表が、プール第2戦でサモアに13トライを挙げる大勝で2勝目を挙げ、プール最終戦で首位に立つスコットランドと全勝対決に臨むことになった。
2日の初戦で105-20と大勝したホンコン・チャイナ戦からFWを中心に先発を変更し、リザーブも4人を入れ替えた日本は、序盤にサモアに攻め込まれる場面を作られたものの、よく集中した守備で対抗して切り抜けると、前半8分のCTB上田倭士のトライを皮切りに勢いのある攻撃で得点を重ねた。
27-0とリードした前半39分に、SO Maoaluma Pasaに抜けだされてサモアに1トライ1コンバージョンを返されたが、日本は後半10分にペナルティで得たラインアウトからモールで押し込み、HO清水健伸がインゴールで押さえて5点を追加。すると、そこからPR森仁之輔、WTB飯岡建人、LO石橋チューカ、ベンチスタートのLO舛尾緑が立て続けにトライを決めて流れを取り戻した。
その後、69分にサモアNO8のBenjamin Faavaeにイエローカードが出たこともあって、日本はさらに3本のトライを加えた。
WTB海老澤琥珀がハットトリックをマーク。HO清水健伸が初戦のハットトリックに続いて2トライを挙げて通算5トライとした。
キャプテンの太安善明選手は、「自分たちのペースにならない状況が続いて苦しかったが、途中で修正して良い試合展開になってよかった。ホンコン・チャイナにもサモアにも、始めから自分たちのラグビーを出せなかったので、次は始めから出せるようにしたい」と振り返った。
次戦のスコットランド戦に向けては、「スコットランド戦をターゲットポイントとしてやってきたので、いままで自分たちがやってきたことをすべて出して、全力でぶつかりたい」と話した。
U20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチは、「途中から出た選手たちがチームに良いエナジーを与えてくれて、その結果、最後に自分たちらしいゲームができたことは、次に向けてよかった」と評価。スコットランド戦については「すごくプレッシャーがかかると思うが、選手にはやってきたことを信じてチャレンジしてほしい」と期待を寄せている。
スコットランド、2戦連続の100点ゲーム
一方、スコットランドはホンコン・チャイナに101-0の完封勝利を収めて2戦続けて100点ゲームを披露した。
WTB Finlay Doyleが3トライを挙げて2戦連続でのハットトリックをマークし、FL Freddy DouglasとNO8 Jonny Morrisが2トライずつを決めるなど、合計15トライを挙げ、SO Matthew Urwinが13本のコンバージョンを成功させた。
この結果、日本とスコットランドはボーナスポイントを得て勝ち点10で並んだが、得失点差でスコットランドが首位をキープし、日本は2位。3位のサモアと4位ホンコン・チャイナは2連敗となった。
プール戦の順位に応じて各プールの首位が17日の決勝へ進出し、優勝チームが来年のU20チャンピオンシップへの出場権を獲得する。なお、プール2位以下はそれぞれ順位決定戦に回る。
プールBでは、アメリカがウルグアイに32-15で勝って2連勝とし、勝ち点9で首位に立つ。
アメリカは前半早々にSO Benjamin SaundersのPGで先制したが、ウルグアイが前半半ばにFrancisco Garciaのトライで逆転。その直後にアメリカはAsbjorn Rossにイエローカードが出て、ウルグアイにはPGで加点されるなど苦しい展開だったが、後半に入ると、SaundersのPG2本とCorbin Smith、Keelan Farrellが連続トライをマーク。ベンチスタートのOliver Clineが2本ともコンバージョンを成功させて、一気に23⁻8と逆転した。
ウルグアイは後半半ばにSantiago GiniのトライとIcaro Amarilloのコンバージョンで15-23と追い上げたが、試合終盤、Giniにイエローカードが出ると、アメリカはPG3本で加点して突き放した。
プールBの2位は、ケニアを51-3で下して初勝利を手にしたオランダで、1勝1敗の勝ち点9とした。これを1勝1敗(勝ち点5)のウルグアイが3位で追い、ケニアは2連敗で4位だ。
12日、プールBではアメリカはケニアと、オランダはウルグアイと対戦する。
U20日本代表 第2戦試合メンバー
1 森 仁之輔(天理大学)
2 清水健伸 (早稲田大学)
3 八田優太 (京都産業大学)
4 石橋チューカ (京都産業大学)
5 磯部俊太朗 (筑波大学)
6 亀井秋穂 (明治大学)
7 大川虎拓郎 (明治大学)
8 太安善明* (天理大学)
9 髙木城治 (京都産業大学)
10 伊藤龍之介 (明治大学)
11 海老澤琥珀 (明治大学)
12 本橋尭也 (帝京大学)
13 上田倭士 (帝京大学)
14 飯岡建人 (筑波大学)
15 竹之下仁吾 (明治大学)
16 田中京也 (立命館大学)
17 螻川内晴也 (帝京大学)
18 山口 匠 (明治大学)
19 舛尾 緑 (立正大学)
20 吉川大智 (立命館大学)
21 村田大和 (京都産業大学)
22 白井瑛人 (明治大学)
23 増山 将 (筑波大学)
注意:* はキャプテン
Photos: SNS Group/World Rugby