ワールドラグビーU20チャンピオンシップへの昇格をかけて今大会に参戦するのは8チーム。4チームずつ2グループに分かれて2日から13日までにプール戦を行い、各プール内での順位に応じて17⁻18日の最終節の順位決定戦に臨む。各グループ1位が18日の決勝で優勝でのU20チャンピオンシップ昇格をかけて戦う。

2023年以来となるU20チャンピオンシップへの復帰を目指す日本はプールAに入り、2日の開幕戦でホンコン・チャイナと対戦し、8日(日本時間9日)にサモア、13日(日本時間14日)に開催国のスコットランドとの一戦に臨む。

一方、プールBではウルグアイ、ケニア、オランダ、アメリカが対戦し、初日2日にウルグアイ対ケニア戦で幕を開ける。

日本は「4戦全勝で優勝」を目標に掲げる大久保直弥U20日本代表ヘッドコーチの下、今年2月からFWメンバーを集めた合宿で活動を始め、リーグワンのチームとの合同練習も実施。4月には年代カテゴリーが1つ上のワールドラグビー・パシフィックチャレンジ2024に参戦して、フィジー・ウォリアーズ、マヌア・サモア、トンガAと対戦して3戦全勝で優勝を遂げた。6月に入ってからは、テストシリーズへ始動した日本代表ブレイブブロッサムズと練習試合も行っている。

大久保ヘッドコーチは、「2月からここまでチーム状態は非常にいい。このチームでプレーしたい、勝ちたいという選手たちの意気込みをすごく感じる」と千葉県内で行われた大会直前合宿でコメント。「スコットランドとプール戦の最後に戦うことは分かっていた。そのためのプロセスをやってきた」と、準備と選手たちの反応に手ごたえを示した。

今回のU20代表メンバーは、コロナ禍の影響で予定されていた海外遠征や国際試合などが見送られ、従来の同年代よりも国際経験を得る機会が激減した。その影響から、本大会ではメンタル面でのプレッシャーとの闘いも懸念されるが、大久保ヘッドコーチは「日本代表を目指したいという強い意志をもった選手たちなので、プレッシャーに逃げる選手や覚悟が決まっていない選手はいないと信じたい」と話す。

一方で、チームはU20代表の活動と並行して、日本代表がエディー・ジョーンズヘッドコーチ体制となり、2027年ラグビーワールドカップを睨んで代表チームの世代交代と将来の候補選手育成へ新たなにジャパン・タレントスコッド・プログラムがスタート。U20代表からも数名が招集され、フル代表の合宿に練習生として参加したFB矢崎由高選手(早稲田大学)は6月22日のイングランド代表戦で代表デビューを遂げた。

「代表にもすぐに行けるという感覚を選手みんなが持っている。代表選手と一緒に練習したりして体を当てることで学べることは多い。多分、感覚として自信につながっている」と大久保ヘッドコーチは言う。

U20代表チームでのプレーについても「おそらく、どこの大学もやっていないスタイル。それをこの2月から積み上げてきたし、それをやり切れる責任のある選手たちだ。積み上げてきたものを出し切ってほしい」と期待と信頼を寄せている。

格上との対戦経験で選手に自信

6月の日本代表の宮崎合宿に練習生として参加したCTB本橋尭也選手(帝京大学)は、「いろいろなコーチのアドバイスや多くの意見を訊けて、自分の中の引き出しがとても増えた」と話して、日本代表合宿で感じたコミュニケーションの多さと必要性をU20代表に取り込んだと明かした。

ジョーンズ日本代表が掲げる「超速ラグビー」についても認識を深めたと本橋選手は言い、そこに勝機があると示唆する。

「速く動けても良い判断や繋がりがないと良いアタックはできない。常に頭をフル稼働させていきたい。日本は小柄な選手が多いので、いかに相手より速く動いてスペースを作りだせるかが大事」と本橋選手は言う。

一方、FB竹之下仁吾選手(明治大学)は、矢崎選手が日本代表へ昇格したことで本来のポジションで戦うチャンスを得た。

「15番を着てスコットランド遠征に行くことで、いい収穫が多くなると思う。自分に足りていない部分を今大会でもっと明確にして、修正して自分の力にプラスして成長したい」と前を向く。

竹之下選手は、パシフィックチャレンジを戦ったサモア遠征や5月下旬のニュージーランド遠征を経て、「1対1の個人技やフィジカルには少し慣れた」と振り返り、トロフィー2024では「チーム一丸となれている。どんどん積極的に仕掛けて、どれだけ通用するかチャレンジしたい」と意気込んでいる。

また、LO石橋チューカ選手(京都産業大学)は、「優勝を目指して2月からやってきている。その目標はみんな一緒。セットプレーはずっと積み重ねてきて自信を持って戦える。そこでしっかり勝ち切れば(試合に)勝てる。FWで勝ちたい」と力強い。

石橋選手もジャパン・タレントスコッド・プログラムに参加した一人だ。

「代表チームと試合をして、普段焦って見えなかったところが見えて、ディフェンスの視野が広がった。意識できなかったことも意識してやることで成長できる。そこをトロフィー大会でも意識したい。世界一成長して、最後は優勝してみんなで笑って終わることができるチームにしたい」と語った。

U20日本代表 ホンコン・チャイナ戦試合登録メンバー:

1 大塚壮二郎(関西学院大学)

2 清水健伸(早稲田大学)

3 布引大翔(帝京大学)

4 石橋チューカ(京都産業大学)

5 物部耀太朗(明治大学)

6 亀井秋穂(明治大学)

7 川越功喜(天理大学)

8 太安善明*(天理大学)

9 髙木城治(京都産業大学)

⒑ 伊藤龍之介(明治大学)

11 海老澤琥珀(明治大学)

12 本橋尭也(帝京大学)

13 上田倭士(帝京大学)

14 飯岡建人(筑波大学)

15 竹之下仁吾(明治大学)

16 螻川内晴也(帝京大学)

17 森 仁之輔(天理大学)

18 八田優太(京都産業大学)

19 磯部俊太朗(筑波大学)

20 吉川大智(立命館大学)

21 村田大和(京都産業大学)

22 伊藤利江人(明治大学)

23 増山 将(筑波大学)

注意:*はキャプテン