2027年ラグビーワールドカップへ向けて、新たなプレースタイルの導入とともに代表チームの若返りと選手層アップに着手しているエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチは、マオリ・オールブラックスとの6月29日と7月6日の2連戦へ、ジャパンXVスコッド29人を招集。23日から福岡で調整してきた。

 「ジャパンXVは日本代表とは違うチーム。若手にとっていい機会になる」とジョーンズ日本代表指揮官は言う。

今回のスコッドには、6月22日のイングランド代表戦(17⁻52)に日本代表として臨んだメンバーからFLリーチマイケル選手(東芝ブレイブルーパス東京)やSO松田力也選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、HO坂手淳史選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)ら経験値の高い選手が外れ、昨年のラグビーワールドカップを経験した選手は先発3人を含めて4人のみ。代わって、代表のバックアップメンバーに入っていたSO高本幹也選手(東京サントリーサンゴリアス)や代表合宿に練習生として参加していたLO本橋拓馬選手(帝京大学)ら6人が加わった。

 その中から29日のマオリ・オールブラックスとの第1戦の先発には、SH小山大輝選手とSO山沢拓也選手の埼玉ワイルドナイツの9番10番コンビが入り、イングランド戦に続いてHO原田衛選手(東芝ブレイブルーパス東京)がリザーブで出場したPR三浦昌悟選手(トヨタヴェルブリッツ)、PR為房慶次朗選手(クボタスピアーズ船橋東京ベイ)と第1列を組む。

バックスには2戦連続出場となるWTB根塚洸雅選手(クボタスピアーズ船橋東京ベイ)、CTBサミソニ・トゥア選手(浦安D-Rocks)、CTB長田智希選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、FB矢崎由高選手(早稲田大学)の名が並んだ。

また、リザーブには大学生のHO佐藤健次選手(早稲田大学)、PR森山飛翔選手(帝京大学)、本橋選手(帝京大学)が入り、今季リーグワン新人賞の高本選手、原田選手と共同キャプテンを務めるSH斎藤直人選手らとともに出場機会を待つ。

 「ジャパンXVは世代交代のチーム。非常に若いチーム構成だが、一週間かけていい準備をしてきているし、イングランド戦に出場したメンバーはあの試合からの学びを活かすいい機会になる」とジョーンズヘッドコーチは言う。

 「マオリ・オールブラックスは非常に情熱的でハングリーで、プライドを持ったチームだ。テストマッチ以外では世界で最も強いチームだろう。その彼らに、我々の若手がどのレベルにあるか、現状を確認するのに良い機会となるし、リーグ戦でプレー機会の少なかった選手にとってはプレー時間を得ることもできる。非常に楽しみだ」と語った。

 マオリ・オールブラックスは、昨年7月にオールブラックスXVで来日して日本代表に勝利(41-27)したFLビル・ハーモン選手(ハイランダーズ)や、今年2月のリーグワンのクロスボーダーマッチで埼玉パナソニックワイルドナイツやクボタスピアーズ船橋東京ベイとの対戦を経験したWTBタナ・トゥハカライナ選手(チーフス)らを擁している。チームは26日に来日し、東京近郊で調整してきた。

 チームを率いるロス・フィリッポヘッドコーチは、スーパーラグビーのクルセイダーズやニュージーランド代表でのプレーのほか、2017年から旧トップリーグノコカ・コーラ・レッドスパークスで選手兼アシスタントコーチを務めた経験を持つ。

 日本代表がジョーンズヘッドコーチの下で動き出した現状も把握済みで、フィリッポヘッドコーチは、「日本は新しいコーチの下で異なるスタイルを身につけようと成長の時期にあるが、イングランド戦でも非常に良い動きをして、流れのあるプレーで相手が苦戦する時間帯もあった」と指摘。「我々も彼らに勢いを与えると厄介になる。彼ら同様、ハードワークしなければならない」と話した。

 さらに、「エディーは若い選手に機会を与えて成長を促している。それはほかのチームでもそうだったが、ここでも変わらないようだ。数年後には彼らの中からワールドクラスの選手が出るに違いない」と語った。

 ジャパンXVとマオリ・オールブラックスの試合は6月29日に東京の秩父宮ラグビー場で第1戦、7月6日に愛知県の豊田スタジアムで第2戦が行われる。

ジャパンXV第1戦試合登録メンバー:

1 三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)
2 原田 衛*(東芝ブレイブルーパス東京)
3 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋東京ベイ)
4 桑野詠真(静岡ブルーレヴズ)
5 小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)
6 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)
7 山本 凱(東京サントリーサンゴリアス)
8 サウマキアマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ)
9 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
⒑ 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
11 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋東京ベイ)
12 サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks)
13 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
14 ヴィリアメ・ツイドラキ(トヨタヴェルブリッツ)
15 矢崎由高(早稲田大学)

16 佐藤健次(早稲田大学)
17 岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)
18 森山飛翔(帝京大学)
19 サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)
20 本橋拓馬(帝京大学)
21 斎藤直人*( ― )
22 高本幹也(東京サントリーサンゴリアス)
23 ニコラス・マクカラン( ― )

注意:* は共同キャプテン

マオリ・オールブラックス第1戦試合登録メンバー:

1 ジョー・ムーディー (Crusaders)
2 カート・エウランド (Blues)
3 マルセル・レナタ (Blues)
4 アイザイア・ウォーカーレアウェレ (Hurricanes)
5 ラクラン・マックワンネル (Blues)
6キャメロン・スアフォア (Blues)
7 ビリー・ハーモン* (Highlanders)
8 カレン・グレース (Crusaders)
9 サム・ノック (Blues)
10 リヴェス・レイハナ (Crusaders)
11 ベイリン・サリヴァン (Hurricanes)
12 クイン・トゥパエア (Chiefs)
13 ダニエル・ロナ (Chiefs)
14 ジョシュア・モービー (Hurricanes)
15 コール・フォーブス (Blues)

16 ダイロン・トンプソン (Chiefs)
17 オリー・ノリス (Chiefs)
18 ポウリ・ラケテストーンズ (Hurricanes)
19 マックス・ヒックス (Highlanders)
20 テカマカ・ハウデン (Hurricanes)
21 テトイロア・タフリオランギ (Chiefs)
22 タメカ・ポイヒピ (Chiefs)
23 タナ・トゥハカライナ (Chiefs)

注意: * はキャプテン