サクラフィフティーン女子日本代表が2024年シーズン最初の公式戦で、5月22日、27日、6月1日に香港で行われるアジアチャンピオンシップ2025に臨む。
アジア女子トップを決める3か国による大会は今回2つのアジア予選を兼ねており、優勝チームはラグビーワールドカップ2025とWXV2の出場権を獲得。2位チームはWXV3への出場権を決め、それによってワールドカップ予選への出場の可能性も維持できる。
今季のWXVは来年のワールドカップへつながる役目も保持しており、WXV 2024の最終結果ですでにワールドカップ出場を決めている国を除いた上位6チームが、イングランド行きの切符を獲得することができる。
なお、今季のWXVは9月下旬から10月中旬にかけて行われ、ワールドカップは2025年8月22日から9月27日まで開催される予定だ。
アジアチャンピオンシップは3チームによる1回戦総当たりで実施。3大会連続6度目のワールドカップ出場と、昨年の開始初年度に続くWXV2出場を目指す日本は、ディフェンディングチャンピオンとして5月22日の大会初戦でホームのホンコン・チャイナ、27日に昨年大会2位のカザフスタンと戦い、日本が試合のない大会最終日の6月1日にホンコン・チャイナとカザフスタンが対戦する。
ワールドラグビーの最新ランキングでは日本の11位に対して、香港18位、カザフスタンは19位だ。
FL長田いろはキャプテンは、「2つの大会の予選は絶対に勝ち取らないといけない。そのプレッシャーもあるが、すごく楽しみ」と話す。
日本は昨年の大会決勝で開催国のカザフスタンと対戦して、72-0の圧勝で優勝。WXV2への出場権を獲得して、昨秋は新設された3ディヴィジョン制の女子国際大会で戦った。今大会はそれ以来の公式戦となる。
長田キャプテンは、「去年のカザフスタンでの対戦からWXVも経て試合経験を詰めている選手も多いし、チームとしても試合経験を積めている」と言う。
「アタックでもディフェンスでも、プレッシャーをかけ続けるところは1年を通して強くなってきた。それをまずアジアでしっかり出して次につなげたい」と、この1年で覚えた手ごたえに言及した。
その一方で、「格上の相手との対戦ではトライを取り切る力が劣っていると感じた。相手の敵陣に入って取り切るところを、ワールドカップまでに試合経験を積んでやっていきたい」と課題を認識。今後を見据えている。
日本は今大会初戦のホンコン・チャイナ戦の先発に、PR加藤幸子、長田、NO8永井彩乃、SH津久井萌、SO大塚朱紗、WTB今釘小町らキャップ20以上を保持する馴染みの選手を揃えた。バックスには、セブンズ代表経験があり、今回が15人制デビューとなるWTB香川メレ優愛ハヴィリ、昨年9月のフィジー戦以来の代表戦2戦目のCTB畑田桜子ら代表経験の少ない選手を採用し、リザーブにも今月26日に20歳になるPR町田美陽が入り、初の代表キャップ獲得の機会を待つ。
今回、2つの重要な大会の予選を兼ねることに大塚は、「(今大会に)ワールドカップ予選があるというのはプレッシャーにも感じるけど、私は結構楽しみ。そういうプレッシャーを楽しまないとといけないと思っている。自分たちがやってきたことを出せれば強いので」と、ここまでの積み重ねに自信を示す。
「自分たちがやってきた戦術やアタック、ディフェンスの仕方を継続して、さらに練習を重ねていいパフォーマンスを出せればいい。それに加えてメンタル面も重要になる」と日本代表の10番は言う。
「ホンコンもカザフスタンも力を入れてやっていると思うので、自分たちがそれに負けないぐらいの活力と良いパフォーマンスを出していかないとやられる。自分たちが引かないという部分がすごく重要だと思う」と言い、気持ちを引き締めている。
女子日本代表 ホンコン・チャイナ戦試合登録メンバー
1加藤幸子 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、22)
2谷口琴美 (横河武蔵野アルテミ・スターズ、13)
3北野和子 (MIE PEARLS、8)
4佐藤優奈 (東京山九フェニックス、10)
5吉村乙華 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、15)
6向来桜子 (日本体育大学ラグビー部女子、9)
7長田いろは*(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、27)
8永井彩乃 (YOKOHAMA TKM、21)
9津久井 萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ、28)
10大塚朱紗 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、21)
11今釘小町 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、20)
12弘津 悠 (ナナイロプリズム福岡、5 )
13畑田桜子 (日本体育大学ラグビー部女子、1)
14香川メレ優愛ハヴィリ (ナナイロプリズム福岡、―)
15西村蒼空 (MIE PEARLS、8)
16公家明日香 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、8)
17峰 愛美 (日本体育大学ラグビー部女子、1)
18町田美陽 (日本体育大学ラグビー部、―)
19永田虹歩 (MIE PEARLS、16)
20西村 澪 (日本体育大学ラグビー部女子、3)
21阿部 恵 (ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、19)
22古田真菜 (東京山九フェニックス、23)
23安尾琴乃 (BRAVE LOUVE、9)
注:*はキャプテン、所属のあとの数字はキャップ数