SVNS 2025昇格をかけたプレーオフ進出へ、シリーズトップ4入りを目指して熱戦が続いた3戦形式のセブンズチャレンジャー2024が、男子はドイツのミュンヘンで、女子はポーランドのクラクフで最終戦で終了した。
男子シリーズを制したのは、ミュンヘン大会で優勝したウルグアイ。自国開催となった3月のモンテビデオでの第2戦に続く優勝で、総合順位の勝ち点を56に伸ばして、ポールポジションからフィニッシュを決めた。
ミュンヘン大会の決勝でウルグアイは開催国ドイツと対戦し、ハラハラどきどきの展開をDiego Ardaoの終了間際の同点トライとJuan Manuel Tafernaberryのコンバージョンで振り切って、21-19で制した。
ウルグアイはFelipe Arcos PerezとJuan Gonzalezがトライを決め、Guillermo Lijtensteinがどちらもコンバージョンを成功させて14-0と前半を優位に進めていたが、ドイツが反撃。Makonnen Amekuediの2連続トライとFelix Hufnagelのコンバージョンで12-14と2点差に詰めると、後半終盤にLuis DielのトライとNiklas Kochで19-14と逆転に成功していた。だが、試合終了間際にウルグアイに得点を許して金星を逃した。
ミュンヘンで3位に入ったのは、チリに12-0で勝利したホンコン・チャイナだったが、総合ランキングでのトップ4入りにはわずかに届かなかった。
ウルグアイと勝ち点36で並び、得失点差で総合2位につけていたケニアは、準々決勝でドイツに17-19で敗れて4強入りを逃したが、5位決定戦でウルグアイに48-0で勝って総合2位を維持してマドリード入りを決めた。
ミュンヘンの決勝戦で逆転トライを決めたウルグアイのDiego Ardaoは、「ハードに練習してきて、ここでチャンピオンになるという目標を達成した。とてもうれしいし、なにより、チームを誇りに思う」と笑顔。
「第1目標のマドリード大会に到達したので、プレーオフでは相手がどこであろうとも勝って、再びセブンズシリーズに入りたい。昨年戦っていた場所だ。それ(復帰)は僕らがラグビーでも素晴らしい国だという確証になる」とウルグアイ主将は言った。
ケニアのVincent Onyalaは、「ウガンダ戦の勝利でトップ4を確定できて、僕らはもちろん喜んでいる。次はマドリードでどうなるかだが、HSBC SVNSシリーズに復帰できるようにしたい。プログラムも進展してきて、若手が入ってきて最高レベルで戦うことを経験しているので、それを土台にしていきたい」と語った。
ドイツのMakonnen Amekuediは、「マドリードへの出場権を得ることを昨年9月以降、ここ数か月間の目標にしてきた。みんながハードワークをしてきた。チーム全体の努力だし、僕らはそれに値する」と胸を張った。
男子日本は最終戦で10位
今季最初の2戦を経て総合ランキング7位、勝ち点15の男子7人制日本代表は、プレーオフ出場圏獲得となる4位を勝ち点11差で追い、しかも4位争いはドイツをホンコン・チャイナが得失点差で迫るという展開。日本は今夏のオリンピック出場を控えて、ミュンヘンでの最終戦での上位進出で巻き返しとレベルアップを狙ったが、強敵揃いのプール戦で苦戦した。
総合2位のケニアに12-28、同3位のチリに12-26と連敗スタート。3戦目の勝利次第で3位チームの上位2チームで8強進出の可能性を残していたが、やはり2連敗後の勝利で3位突破へを狙うポルトガルに、日本は自陣22メートル内でのペナルティなどミスを連発。後手後手に回る展開で、7-28で敗れて3戦全敗でプールC4位となった。
9位決定準決勝に進んでプールAを4位で終えたパプア・ニューギニアに植田和麿が2トライ、津岡翔太郎、石田大河、古賀由教が1トライずつ挙げて33-26と勝利し、9位決定戦に進んだ。
そこで再びポルトガルと対戦。序盤からManuel VareiroとDuarte Cardosoに2トライずつを許す一方的な展開で0-28のリードを許した。
前半終了間際に野口宜裕の左サイドの突破から石田大河が決めて5点を返し、後半早々に丸尾崇真が抜け出してトライを決めたが、Vareiroに自陣から運ばれてFabio Conceicaoが5点を加えた。最後に津岡が1トライを返したが17-35で終了した。
この結果、日本のミュンヘンでの順位は10位、シリーズ総合では8位だった。
女子は中国が3大会連勝でシリーズ優勝
ポーランドのクラクフで行われた女子の最終戦では中国が優勝し、シリーズ3戦全勝でのシリーズ制覇で今月末からのプレーオフ進出に勢いをつけた。
今季ドバイとモンテビデオを制して勝ち点40で大会に入った中国は、初日のプール戦を3戦全勝で8強入りを決めた段階でプレーオフ進出を確定。その後、準々決勝でウガンダに38-14、準決勝でベルギーに21-12で勝って決勝に進むと、最後は開催国ポーランドに36-0の完封勝利。開始早々にイエローカードが出た相手に、優勢に進めDou Xinrongが先制を含めて2トライ、Su Qi、Liu Xiaoquian、Guo Yaoyao、Wang Xiaoがそれぞれ1トライを決めた。
総合2位につけていたアルゼンチンは5位決定戦でチェキアに15-12で競り勝ち、ベルギーは3位決定戦でケニアに26-7で勝利を収め、準優勝で総合6位から順位を上げたポーランドがプレーオフ進出を決めた。
女子中国チームのRocky Khanアシスタントコーチは、「選手たちは毎日の練習ですごくハードワークをして、プレーをよくしたいという思いでいる。選手たちがこの3大会で見せたパフォーマンスを誇りに思う。ここでチャレンジャーシリーズ優勝を決めることができたのは素晴らしい。マドリード大会に出場することは非常に大きなチャンスで、いい結果を残すことを期待している」と述べた。
アルゼンチンのMayra Genghiniは、「マドリード大会出場を目指して10月から練習を続けてきたので、出場は私たちの夢だった。叶えることができてとてもうれしい」と言った。
ベルギーのCecile Blondiauは、「マドリードに参戦できるのは本当にエキサイティング。私たちベルギーの女性もラグビーができると世界に知らしめたい。マドリード大会は私たちにとって今年の目標だったので、これまでのチームの努力が実ってうれしい。シーズンの最後となる戦いが待ち遠しい」と声を弾ませた。
プレーオフのプール組み合わせが決定
5月31日-6月2日にグランドファイナルと並行してマドリードで開催されるプレーオフのプール組み合わせも決定。チャレンジャー2024の男女各上位4チームは、SVNS 2024で9位~12位となった4チームとともに8チームで来季SVNS 2025出場枠を争う。
男子は、チャレンジャー優勝のウルグアイとシリーズ2位でミュンヘン大会準優勝のドイツがSVNS 2024で9位のアメリカ、12位のカナダとプールAに入り、ケニアとチリは今季SVNSシリーズ10位のスペイン、同11位のサモアと同じプールBに入った。
女子は、中国とポーランドがSVNS 2024シリーズ9位の日本、同12位のスペインと同じプールAで戦い、また、アルゼンチンとベルギーは今季SVNSで10位のブラジル、同11位の南アフリカとプールBで同組となった。