セブンズチャレンジャー2024シリーズ第3戦で最終戦を迎えて、男女それぞれでチャレンジャーシリーズのトップ4が決まり、上位4チーム5月31日から6月2日にマドリードで行われるプレーオフ出場チームが決定する。プレーオフでは、今月上旬に終了したSVNS 2024レギュラーシーズンの総合9位から12位までの4チームとともにSVNS 2025の出場枠をかけた戦いが繰り広げられる。
現在、男子のチャレンジャーシリーズのトップはウルグアイ。第1戦のドバイ大会で3位に入り、自国のモンテビデオで行われた第2戦を制した。2位にはドバイ大会で優勝したケニアが同じ勝ち点36で並び、糖質点差でウルグアイが上回る。3位には勝ち点4差の32でチリがつけ、4位はドイツ、モンテビデオ大会2位のホンコン・チャイナが勝ち点26でドイツと並び、得失点差で5位につけている。
日本は総合7位で勝ち点15。プレーオフ出場圏の4位とは11差で巻き返しが必要な状況だ。ミュンヘン大会ではプールCでチリ、ケニア、ポルトガルと対戦する。
首位のウルグアイはプールAでジョージア、ホスト国のドイツ、パプア・ニューギニアと対戦し、プールBではホンコン・チャイナ、メキシコ、トンガ、ウガンダが対戦する。
各チームとも1日目にプール3戦を行い、2日目に順位決定戦に臨む。各プール上位2チームと3位の中の上位2チームが準々決勝に進むことができる。
また、日本とケニア、ウルグアイはパリ・オリンピックで7月24日にスタートする男子セブンズ競技出場も決まっており、今大会での強度の高い連戦は貴重な実戦の機会でもある。
ウルグアイチーム主将のDiego Ardao選手は、「僕らはマドリード大会の出場権獲得を目指してここにいるが、マドリードの前にまずミュンヘン大会に集中して、再びトップの座を獲得して自分たちの自信を高めたい。そうすればマドリード大会にメンタル面、フィジカル面、戦術面でベストな状態で臨める」と語る。
プレーオフ出場圏内の男子ドイツチームのJohn Dawnキャプテンは、「ミュンヘンで自分たちのファンの前でプレーできることは本当にワクワクするし、国内のラグビーの成長の機会になるのは素晴らしいことだ。僕らにはかかっているものが多くて、高いプレッシャーのかかる大会だが、一試合ずつ取り組んで、先を見過ぎずにやっていきたい。セブンズにはお祭り要素が強いから、みんなに足を運んで僕らを応援するとともに楽しんでほしい」と述べて、ホームのファンの後押しを望んでいる。
4位のドイツと勝ち点で並ぶ男子ホンコン・チャイナのSeb Ryan主将は、「前節のモンテビデオ大会では僕らは大会中に成長することができたので、今大会でも同じようになることを期待している。4位争いは開催国のドイツとの直接対決で、これほどエキサイティングなことはない。僕らにとってHSBC SVNS 2025出場はすべてだ」と意気込んでいる。
女子は中国がリード、3位から6位までが6差に
ポーランドのクラクフで行われる女子の最終戦に首位で臨むのは中国で、ここまでの2戦を連覇して勝ち点40を手にしている。それを2番手につけるアルゼンチンがドバイで3位、モンテビデオで2位に入って勝ち点34の6差で追っている。
3位のベルギーと4位のウガンダはともに勝ち点28で並び、得失点差の争いだ。そして、5位ケニアが勝ち点24、6位ポーランドが勝ち点22で追い、3位から6位までの差はわずかに6差という激戦で、ケニアも今大会開催国のポーランドも最終戦の巻き返しで上位進出を狙っている。
今大会の組み合わせは、プールAで総合首位に立つ中国とタイ、ホンコン・チャイナ、チェキアが対戦。総合2位のアルゼンチンはプールBでウガンダ、パラグアイ、パプア・ニューギニアと同組で、プールCではベルギー、ポーランド、ケニア、メキシコが対戦する。
女子アルゼンチンのSofia Gonzalezキャプテンは、「チームは今週末の大会を楽しみにしているし、期待も高い。私自身、クラクフで国を代表してフィールドに立つことが楽しみで、とてもワクワクしている。もちろん、私たちの目標はトップ4に入ってマドリード大会に出場することだ」と話している。
女子ポーランドのNatalia Pamieta選手は、「再びクラクフでプレーできることに私たちは心を躍らせている。この2年、欧州チャンピオンシップとヨーロピアン・ゲームズで友人や家族がスタンドで見守る中でプレーして、8番目の選手が一緒にいてくれると感じて心強かった」と言う。
そしてPamietaキャプテンは、「HSBCチャレンジャーシリーズは私たちの夢をかなえるためのチャンスであり、重要な大会だ。ここが最終戦にならないようにして、2週間後のマドリードに行きたい。パリ2024へ向けた準備でもあるので、私たちにとっては今週多くのことがかかっていて、土曜日の初戦を楽しみにしている」と語った。
セブンズチャレンジャーは、セブンズ競技の世界的な普及発展とセブンズ競技のトップレベルへつながる大会として2020年2月にスタート。2024年版のチャレンジャー大会では、1月12-14日のドバイ大会と3月8-10日のモンテビデオ大会では男女合同で開催し、最終の第3戦のみ5月18-19日に男子はミュンヘン、女子はクラクフで行われる。
ワールドラグビーのチーフコンペティション&パフォーマンス・オフィサーのNigel Cassは、「今季のチャレンジャー大会ではこれまで以上に多くのプレーがあり、男女各4チームがマドリードでの昇降格大会を経てHSBC SVNS 2025出場権を得る機会がある」
「ドバイとモンテビデオで行われた最初の2戦の競技のクオリティは素晴らしかった。今週末のミュンヘンとクラクフでの大会では、さらに多くのスリルと強度の高いドラマが見られると期待している」とコメント。
さらに、「セブンズ競技は引き続きラグビーの世界的成長戦略の最前線にあり、今年はチャンレジャー大会にとって変化の年を意味している。7人制ラグビーの魅力的な週末になることを約束してくれた大会主催者、タイトルパートナーのHSBC及びすべてのステークホルダーの方々に感謝したい」と述べている。