ドバイで始まった今季シリーズは男子も女子もかつてないほどの激闘が続き、HSBC SVNS 2024のレギュラーシーズン覇者が今週末にシンガポールで行われる最終第7ラウンドで決着する。

タイトル獲得だけでなく、男女12チームそれぞれのレギュラーシーズン最終順位が決定し、5月31日-6月2日にマドリードで行われるグランドファイナルに出場する上位8チームが出揃う。

女子はニュージーランドとオーストラリアが総合順位トップに並び、男子はアルゼンチンが2位のアイルランドに勝ち点8差で首位に立ち、アルゼンチンとアイルランドはどちらも初のレギュラーシーズン制覇がかかる。

女子は今回、シンガポールに初のお目見えとなるが、男女とも7月のパリ・オリンピックを控えて、男女とも多くのチームがトップレベルの大会でスピード、技、強さを試す絶好の機会でもあり、熱戦が期待される。

女子プール戦の組み合わせは、昨季の覇者で現在総合トップに立つニュージーランド、カナダ、パース大会優勝のアイルラド、スペインがプールAに入り、優勝を争っているオーストラリアはフィジー、英国、ブラジルと同じプールCに張った。プールBでは前節の香港大会を制したアメリカがフランス、日本、南アフリカと顔を合わせる。

ニュージーランド女子のRisi Pouri-Lane主将は、「今季の入りはあまり良くなかったが、そこから安定してチーム力を高めてきている」と右肩上がりのチーム状態に自信を示す。「今週末、ここでタイトルを獲得できれば素晴らしいが、私たちにはもっと大きな目標もあるのであまり先走りはできない。ここで何をすべきか分かっているし、自分たちのゲームを続けて機能するプレーをやりたいと思っている」と語っている。

一方、女子シリーズ初開催となるシンガポールでのプレーが「楽しみ」というオーストラリア女子のMadison Ashby主将は、「レギュラーシーズンの勝者をかけて戦うのはとてもワクワクする。でも、私たちは一試合ずつ取り組んでいくだけだし、その結果、最後に勝てていればいいと思っている」と述べている。

 

男子アルゼンチン主将、「1試合ずつ、より良いプレーを」

男子のプール戦では、首位のアルゼンチンはプールAで香港大会を制したニュージーランド、オーストラリア、カナダと対戦する。タイトル争いで追従しているアイルランドはプールCでオリンピック2連覇のフィジー、アメリカ、英国と同組だ。プールBには直近3ラウンドすべてで表彰台に上がっているフランスが、南アフリカ、スペイン、サモアと対戦する。

アルゼンチン男子のSantiago Alvarez主将は、「僕らは自分たちが首位にいることはとてもうれしく思っているが、あまりそこは考えずによりよいプレーをしたい。直帰に2大会であまりいいプレーができなかったので、シンガポール大会でいかに改善できるかを考えている」と語る。

「シンガポールでは何回かプレーしたことがある。いい雰囲気の屋内スタジアムで楽しみにしている。タイトル獲得は僕らの目標で、ロス・プーマス7人制代表にとって史上最高のシーズンだ。まずは一試合ずつやっていきたい」と話した。

グランドファイナルへ残り1枠の争い

今季刷新されたHSBC SVNSのフォーマットにより、グランドファイナルに進出できるレギュラーシーズン上位8チームのうち、男女とも7チームが前節までに出場権を確定している。

女子はニュージーランド、オーストラリアをはじめ、フランス、アメリカ、カナダ、フィジー、アイルランドで、男子はアルゼンチン、アイルランド、フィジー、フランス、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカという顔ぶれだ。

残る1枠の候補は、女子が英国(勝ち点33)と2差で追うブラジルで、以下、日本が勝ち点24で10位につけ、11位は南アフリカ(同19)、12位はスペイン(同15)という順位だ。

なんとか上位に食い込みたい日本は、今大会へ向けて沖縄で合宿を行い、4月27日に現地入り。高温多湿に加えて、雷やスコールなど現地特有の夏の気候に適応を図りながら調整を続けている。

男子は8位のアメリカが勝ち点44で9位の英国に7差のリードを奪っている。これをスペイン(同33)、サモア(27)が追い、12位はカナダ(13)となっている。

男女ともレギュラーシーズン下位4チームになると、マドリードで行われるプレーオフに進み、ワールドラグビーHSBCセブンズチャレンジャー2024シリーズの上位4チームと昇降格をかけた戦いに臨むことになる。

パリ・オリンピック開幕まで100日を切って、激戦必至のシンガポール大会は5月3日、女子プールBのフランスと日本の試合で3日間の最終戦の幕を開ける。大会の模様はRugbyPass TVで配信される。