ここまで2連勝で単独トップに立つジャパンXVはU20日本代表中心のメンバーで臨みながら、ここまで2連勝で単独トップ。20日の最終戦にもその勢いを持ち込み、試合開始からスペースを活かしたテンポの良い攻撃を披露した。
開始早々のFB矢崎由高選手の今大会4本目のトライを皮切りに、前半29分を迎えるまでにWTB海老澤琥珀選手がハットトライをマークするなどでジャパンXVが31-0とリードを奪った。
しかし、トンガA代表も反撃。自陣からCTB Lamipeti To’osavill選手がタッチライン沿いを力強い走りで抜けて5点を返すと、その4分後にはゴール手前のラインアウトからモールで押し込んでNO8 Petelo Tongia選手がトライ。さらに、前半終了間際には、再びペナルティで得たキックで攻撃。このボールを日本がタッチライン際でフィールドに戻したボールがこぼれ球になり、トンガA代表のWTB Latu Akauola選手が拾ってインゴールで押さえて、前半終盤に3連続トライを返して日本のリードを31-15に縮めた。
ハーフタイム後、トンガは前半終盤の勢いを活かしてさらに反撃を試みるが、日本は守備で粘って攻撃につなげ、55分にはゴール前のペナルティから途中出場のPR浦出睦己選手がインゴールに持ち込んで押さえてると、そこから再び日本が得点を重ねた。
約5分後には矢崎選手が抜け出して後半出場のSH土永旭選手のトライにつなげると、63分には途中出場のCTB秋濱悠太選手、67分に土永選手が2本目を加え、終盤にはゴール手前のラインアウトからモールで押し込む形で途中出場のHO佐藤健次選手が2本連続でトライをマーク。終わってみれば、ジャパンXVは前後半で11トライを挙げ、後半はトンガAに得点を許さない圧勝だった。
この結果、ジャパンXVは3戦全勝の勝ち点15で終了。2位はマヌア・サモアを43-18で下して2勝1敗としたフィジー・ウォリアーズ。3位はマヌア・サモアで1勝2敗、4位は3戦全敗で勝ち点を得られなかったトンガA代表だった。
ジャパンXV主将、U20トロフィーへ「チーム力上がった」
「目標を成し遂げることができた」と、FL太安善明選手は喜んだ。
今大会でキャプテンを務めたU20代表メンバーは3試合すべてに出場して、「この大会でチーム力もさらに上がり、U20トロフィーへ向けていい準備ができていると感じている」とコメント。ワールドラグビーU20チャンピオンシップ昇格をかけて、7月にスコットランドで開催されるU20トロフィー大会に言及。今大会の経験を通して自信を深めた様子で、「さらなるチーム強化を図るべく、頑張っていきたい」と意気込みを新たにしていた。
ジャパンXVを率いたU20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチは、「目標としていた全勝での優勝を達成できて、率直にうれしい」とコメント。オーバーエイジ枠で参加したHO佐藤健次、FL青木恵斗、SH土永旭、CTB秋濱悠太の4選手に触れて「チームをしっかり前進させてくれた」と、彼らの労をねぎらった。
今後はU20日本代表としてU20トロフィーに向けて準備を続けることになるが、大久保ヘッドコーチは、「今年最大の目標であるU20トロフィーでの優勝に向けて、ハードワークをしていきたい」と述べた。
フィジー・ウォリアーズ、2勝目で2位に
大会連覇を目指したフィジー・ウォリアーズは、1勝1敗で迎えた最終戦でホスト国のマヌア・サモアに43-18の快勝で2勝目を挙げた。
フィジー・ウォリアーズは試合開始7分に決めたキャプテンのJohn Muller選手のトライをはじめ、WTB Apimeleki Nabolega選手の5点など前後半で 6本のトライをマークした。
フィジー・ウォリアーズは優勢に試合を進めてApimeleki Nabolega選手のトライとPauliasi Korobiau選手のコンバージョンで14-3のリードを奪ったが、マヌア・サモアもFB Bitner Tafili選手とPR Ivan Fepuleai選手が5点ずつを返して前回王者にプレッシャーをかけた。
しかし、フィジー・ウォリアーズはFW陣を活かして攻撃。Sakiusa Vosayaco選手とIsoa Tuwai選手がトライを決めて、26-13で前半を折り返した。
マヌア・サモアはNO8のMalaesaili Elato選手がラインを超えて、チーム後半最初のトライを決めて追撃を試みるが、フィジー・ウォリアーズはKorobiau 選手がPGを成功させ、Sireli Masiwiniのトライとコンバージョンで再び突き放した。
フィジー・ウォリアーズは63分にも1トライを決め、終盤にはSeremala Komailevuka選手がレッドカードで退場となったが、結果を左右するには及ばず試合を終了。フィジー・ウォリアーズが2位で大会を終えた。
ジャパンXV第3戦トンガA代表戦メンバー
1森仁之輔 (天理大学)
2清水健伸 (早稲田大学)
3山口 匠 (明治大学)
4石橋チューカ (京都産業大学)
5物部耀太朗 (明治大学)
6亀井秋穂 (明治大学)
7大川虎拓郎 (明治大学)
8太安善明* (天理大学)
9高木城治 (京都産業大学)
10伊藤龍之介 (明治大学)
11海老澤琥珀 (明治大学)
12本橋尭也 (帝京大学)
13上田倭士 (帝京大学)
14竹之下仁吾 (明治大学)
15矢崎由高 (早稲田大学)
16佐藤健次 (早稲田大学)
17浦出睦己 (近畿大学)
18八田優太 (京都産業大学)
19磯部俊太朗 (筑波大学)
20青木恵斗 (帝京大学)
21土永 旭 (京都作業大学)
22秋濱悠太 (明治大学)
23増山 将 (筑波大学)
(*はキャプテン)