ジャパンXVが、大会3連覇を狙うフィジー・ウォリアーズの後半の追撃を、今大会初出場のWTB増山将選手の試合終了直前のトライで振り切って勝利を収め、2戦連続でボーナスポイントを獲得。勝ち点を10に伸ばした。

日本はこれで勝ち点を10に伸ばして首位をキープ。2位は1勝1敗で勝ち点6のフィジー・ウォリアーズ。3位は、トンガA代表に56-17で勝利したマヌア・サモアで、トンガAは2戦未勝利。日本は最終戦でトンガA代表と対戦するが、勝ち点1を手にできればジュニア・ジャパンによる2020年大会以来の優勝が決まる。

フィジー・ウォリアーズも2点差での負けで勝ち点1を手にして勝ち点6で、マヌア・サモアに勝ち点1差で2位につけ、連覇への望みは残している。トンガA代表は2敗で4位だ。

今大会、日本は今年7月に行われるワールドラグビーU20トロフィー出場を睨んで、U20日本代表メンバー主体のチームで参戦。フィジー戦には、48-5と大勝したマヌア・サモアとの10日の初戦から先発5人を変更。初戦で2トライを決めたHO佐藤健次選手、PR布引大翔選手、NO8青木恵斗選手、SH土永旭選手、WTB秋濱悠太選手を先発に起用。さらにリザーブには今大会初の試合出場機会を得たHO螻川内晴也選手、SH/SO伊藤利江人選手、増山選手の3人を加えて臨んだ。

日本は試合開始から素早い攻撃を展開し、前半3分にFB矢崎由高選手が抜け出して先制トライをマーク。直後には再び矢崎選手の突破から、HO佐藤選手のトライにつなぎ、その後もFL亀井秋穂選手が5点を加えて、勢いのあるプレーで優勢に試合を進めた。

第1戦でトンガA代表に29-17で勝利したフィジー・ウォリアーズもフィジカルの強さを活かして反撃し、2本のトライとコンバージョンで点差を詰めたが、日本は守備でも奮闘。前半26分、ボール奪取から矢崎選手が左サイドを抜け出し、自身2本目のトライで5点を加えて33-14とリードを広げた。

前半終了間際にフィジー・ウォリアーズに5点を返されて33-19で試合を折り返したが、後半開始早々に日本が押し込んでペナルティトライで40-19とリードを21点差まで広げた。

しかし、その後、フィジー・ウォリアーズはイエローカードが出て数的不利になるが、ハンディを負いながらも日本のミスの乱れをついて攻撃を仕掛ける。後半15分には自陣からのカウンターでNetava Saukuru選手がトライを決めて点差を縮める。

日本はその3分後にイエローカードが出されて一人少なくなると、フィジー・ウォリアーズは後半27分にサイド突破からトライを奪い、コンバージョンも成功して36-40と点差を詰めた。

フィジー・ウォリアーズは後半31分に Sireli Kamikamia選手が反則でシンビンとなったが、日本はミスもあって数的有利を活かせない。フィジー・ウォリアーズはラインアウトからモール攻撃でTimoci Nakalevu選手が5点を加え、コンバージョンも決まって43-40と逆転に成功した。

21点差を詰められ、反対に3点差を追う展開となった日本だが、試合終了間際にキックを使った攻撃から左大外へパスを振ると、これを受けた増山選手がタッチライン沿いを駆け抜けて45-43とひっくり返し、土壇場で逆転に成功。2勝目を手にした。

ジャパンXVを率いる大久保直弥U20日本代表ヘッドコーチは、「勝利への執念、勝ちたいという気持ちが随所に現れていた」と選手たちの奮闘を評価した。

「自分たちらしく戦う中で、いい時間帯とそうでない時間帯もあった」点を課題に挙げて、「しっかり改善して、2020年以来となる全勝での優勝を目指したい」と最終戦へ視線を向けた。

ジャパンXVキャプテンの太安善明選手は、「非常にタフな試合となった。ペナルティを含めて自分たちのミスが多く出た」と振り返ったが、「最後まであきらめることなく、自分たちのラグビーをやりきれたことは収穫」とプラス要素を指摘した。

「まだ1試合残っている。気を抜くことなく、いつも通りの準備をして、いい形で(今後の)ニュージーランド遠征やU20トロフィー大会につなげていきたい」と語った。

マヌア・サモア、トンガA代表に勝って初勝利

 開催国のマヌア・サモアがOwen Niue選手の2トライなどでトンガA代表に56-17で勝って、今大会初勝利を獲得した。

試合開始4分でNiue選手が先制トライを決め、Afa Moleli選手が2点を加えてリードを奪うが、初勝利がほしいトンガA代表が前半15分にKevin Aranui Trinity Tuaimeiapi選手のトライとPatelesio Oneonoe選手のコンバージョンで同点にした。

両チームともPGで加点した後、マヌア・サモアがTagilima Ripine選手がチーム2本目のトライを決めて前半を15-10で折り返すと、ホストチームは後半開始にもTaitaifolo Senio Tavita選手がトライを奪い、Moleli選手がコンバージョンとPGで加点して、25-10とリードを広げた。

その後さらに、Malaesaili Elato選手が5点を加え、Niue選手の2本目のトライなどで点差を広げると、途中出場したHenry Malaitai選手、Christopher Afamasaga選手、Pitone Avito選手が試合終盤の12分間で合計3本のトライをマーク。一方、トンガAのトライはEdward Whyte選手の1本に抑えて、マヌア・サモアが勝利を収めた。

ジャパンXV第2戦試合メンバー

1森仁之輔(天理大学)

2佐藤健次(早稲田大学)

3布引大翔(帝京大学)

4石橋チューカ(京都産業大学)

5磯部俊太朗(筑波大学)

6亀井修穂(明治大学)

7太安善明*(天理大学)

8青木恵斗(帝京大学)

9土永 旭(京都産業大学)

10伊藤龍之介(明治大学)

11秋濱悠太(明治大学)

12本橋尭也(帝京大学)

13上田倭士(帝京大学)

14竹之下仁吾(明治大学)

15矢崎由高(早稲田大学)

16螻川内晴也(帝京大学)

17浦出睦己(近畿大学)

18八田優太(京都産業大学)

19物部耀大朗(明治大学)

20川越功喜(天理大学)

21高木城治(京都産業大学)

22伊藤利江人(明治大学)

23増山 将(筑波大学)

注:*はキャプテン