今年7月のワールドラグビーU20トロフィー出場を睨んで、今大会にはU20日本代表メンバー中心で臨んでいるジャパンXVが、好スタートを切った。開催国のマヌア・サモアとの初戦で8トライを奪う勝利を収めた。
試合開始早々、日本はCTB本橋尭也選手の50-22キックで攻め込み、ゴール手前のラインアウトを起点にモールで押し込み、HO清水健伸選手が先制トライをマークした。
マヌア・サモアにCTB Afa Moleli選手の前半8分のトライで同点に追いつかれたが、25分に本橋選手が5点を加えて均衡を破った。
マヌア・サモアはペナルティが多く、前半36分、FL Joseph Silva選手がイエローカードを受けて数的不利に。日本はその直後にゴール手前のラインアウトからモールでインゴールまで持ち込む場面を作ったが、相手の必至のディフェンスに抑えきることができず、トライチャンスを逃して前半を12-5で折り返した。
しかし後半に入ると、日本が開始早々に再びラインアウトからモールで持ち込み、後半交代出場のHO佐藤健次選手がしっかり押さえてトライを奪い、優勢に試合を進めた。
動きが落ちてきたマヌア・サモアに対して、前半からブレークダウンの競り合いでプレッシャーをかけてきた日本は、60分にWTB竹之下仁吾選手が右サイドを駆け抜けて5点を加点。さらに、67分には佐藤選手がこの日2本目のトライをマークすると、攻勢を強めて70分にはFB矢崎由高選手が左サイドを抜けてインゴールに持ち込んだ。試合終了間際にも2トライを加えて突き放し、相手には後半得点を許さず、大勝で初戦を終えた。
ジャパンXV指揮官、チーム力を評価
キャプテンの太安善明選手は、「初戦に勝利できたことは素直にうれしい」と話したが、気持ちはすでに次に臨む15日のフィジー・ウォリアーズ戦へ切り替えている。
昨年の大会を制しているフィジー・ウォリアーズは、この日の開幕戦でトンガA代表に29-17で勝利した。HO Patemo Nuku選手が2トライ、FL Sakiusa Vosayaco選手、SO Aisea Nawai選手、CTB Sivaniolo Lumelume選手がそれぞれ1トライずつをマーク。トンガA代表を試合終了間際に途中交代出場のOfa Tapueluelu選手がトライを決めるまで、SO Patelesio Oneone選手のPG2本とDG1本、CTB Lamipeti Havea選手のPG1本に抑えた。
この結果、初日を終えて、ジャパンXVとフィジー・ウォリアーズが勝ち点5で並び、日本が得失点差で首位に立った。3位はトンガA、マヌア・サモアは4位スタートとなった。
大会2日目の次戦では、連覇を目指すフィジー・ウォリアーズと2020年大会以来の優勝を狙うジャパンXVは、互いに連勝をかけた対戦となる。
太安選手は、「負けられない戦いが続く。自分たちの最高パフォーマンスをどんな場面でも常に発揮していきたい」と語る。
今回のチームを率いるU20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチは、「初戦の難しさ、慣れない環境という中で、きつい、膠着した時間帯をチーム一丸となって良く乗り越えてくれた」と評価した。
内容については、「選手も決して満足しているものではない」と述べて改善の余地があることを示唆したが、白星スタートに「テストマッチは勝つことがすべて。この勝利をしっかりと次につなげていきたい」と語った。
ワールドラグビーパシフィック・チャレンジ2024には、ジャパンXV、マヌア・サモア、フィジー・ウォリアーズ、トンガA代表が参戦。将来の各国代表候補とも言える若手チームによる一回戦総当たりで優勝を競う。
15日の対戦はジャパンXVとフィジー・ウォリアーズ、マヌア・サモアとトンガA代表の顔合わせ。最終日の20日にはジャパンXVとトンガA代表、マヌア・サモアとフィジー・ウォリアーズが対戦する。