HSBC SVNS 2025の出場権獲得につながるセブンズチャレンジャー2024の開幕ラウンドとなるドバイ大会が1月14日に最終日を迎えて、男子はケニアが決勝でチリとの緊迫感のある戦いを12-5で制して、好スタート切った。3位はウルグアイだった。

  ケニアは昨季までHSBC SVNSのコアチームとして戦っていたチーム。今季から始まった3ラウンド制のチャレンジャーシリーズで復帰一番乗りを狙っている。

 今大会ドバイではケニアはプール戦ではC組を2勝1敗でドイツに次いで2位で通過。準々決勝で日本に21-19で競り勝つと、準決勝ではウルグアイに21-5で勝って決勝に進出していた。

チリとの決勝ではPatrick Odongo Okong’oが開始早々と終了直前にトライを決め、先制トライ悟にはAnthony Omondiがコンバージョンも成功させてリード。チリも前半終了前にBenjamin Videlaのトライで5-7と迫ったが、Okong’oの 2本目のトライで振り切ってケニアが勝利を掴んだ。

また、3位に入ったウルグアイはプールAでホンコン・チャイナを押さえて2勝1敗首位で抜けた後、準々決勝でトンガに21-14と勝利してケニアとの準決勝に進んでいた。3位決定戦では、準決勝でチリに敗れたドイツと対戦して12-7で勝利して銅メダルを手にした。Baltazar Amayaが2トライを決め、Koba Brazionisがコンバージョン1本を成功させて勝利に貢献した。

一年でのSVNS舞台復帰を目指している日本は、5位決定戦でトンガに28-5で勝利したが上位入りはならなかった。

また、7位はジョージアに38-0と快勝したホンコン・チャイナで、9位はポルトガルを27-12で破ったウガンダ。11位はメキシコに47-10で勝利したパプアニューギニアだった。

 

日本、新しいスタイルに挑戦

 昨年11月のオリンピックアジア最終予選終了後にサイモン・エイモー男子7人制日本代表のヘッドコーチが7月のパリ大会でのメダル獲得へ向けて、新しい戦い方を模索する意向を示唆。今回のドバイ大会はその新しいフェーズで迎えた最初の大会だった。

 日本はプールBでポルトガルに22-17で勝った後、チリに14-24で敗れ、3戦目のトンガ戦を19-5で勝利。2勝1敗で勝ち抜いた日本は、準々決勝でケニアと対戦したが19-21で落とした。

谷中樹平と野口宜浩が1トライずつを決め、谷中はコンバージョンも成功させて12-7とリードを奪ったが、ケニアのSamuel Asati とPatrick Odongo Okong’o選手に11分、13分と立て続けにトライを決められ、Anthony Omondiがコンバージョンを2本とも成功させて、ケニアに21-12とリードを許した。

試合終盤にケニアはレッドカードで一人少なくなり、そこで丸尾崇真がトライを決めて野口が2点を加えたものの、勝利には及ばなかった。

 その後、5位決定戦に進んだ日本はプール戦でも戦かったトンガと再戦。松本純弥の先制トライを皮切りに、谷中が3トライをマーク。谷中はコンバージョン4本も成功させ、28-5で勝利した。

 エイモーヘッドコーチは試合後、「パリ・オリンピックへ向けて攻撃のスタイル変えることに重点を置いてきたが、5位という結果で残念」と語り、スロースタートを嘆いた。

 だが一方で、「選手たちが新しい攻撃スタイルだけでなく、ディフェンス面も日ごとに良くなっていったことは非常に満足」と選手たちの取り組みを評価。「モンテビデオでもこの勢いを維持して、自分たちのプレースタイルをもう一歩前進させたい」と約2ヶ月後の第2ラウンドへの期待を述べた。

 今回のラウンドでキャプテンを務めた野口は、「最後まで、より早く、より勇敢に、全員で戦い続けられたのは次のステップにつながる。新しい日本のスタイルを出せるように、試合で出た課題を一つひとつ自分たちのものにしていきたい」と話した。

谷中は、「チームとしてやるべきことをプレーで表現できるようになってきて、勝ち負け以上に成長を感じられた。パリ・オリンピックで結果を残すために、さらに改善して努力を続けたい」と語った。

HSBCワールドラグビーセブンズチャレンジャー2024の第2ラウンドは3月8-10日にウルグアイのモンテビデオで、第3ラウンドは5月18-19日に男子がドイツのミュンヘン、女子はポーランドのクラカウで開催される。

男女とも総合順位上位4チームが5月31日-6月2日にスペインのマドリードで行われる最終プレーオフへ進出し、SVNS 2025シリーズへの昇格を懸けた戦いに臨む。