ニュージーランド対南アフリカ、スタッド・ド・フランス

両チームの対照的なプレースタイルは、フィールドで繰り広げられる戦いにおいて、この対決を本質的な闘争にするものである。南アフリカは効果的なスクラムを駆使して、強力なイングランドをどうにか倒し、一方でニュージーランドは見事な攻撃でアルゼンチンを圧倒した。

南アフリカは強力なスクラムで知られており、大会が進むにつれてスクラムは彼らの武器として強さは増すばかりである。スプリングボクスは、イングランド戦の自陣スクラムで100パーセントの成功率を記録した。これはフランスと準々決勝で対戦して以来である、今大会2回目の100パーセント達成となる。マイボールスクラムで成功を収めるだけではなく、Steve Borthwickが率いるイングランドのスクラムに混乱をもたらすことに成功し、イングランドボールのスクラムの成功率を60パーセントに抑えた。

「OXと彼の後ろにつく選手は素晴らしかったです。」と南アフリカのキャプテンSiya Kolisiは話した。「私たちはスクラムにプライドを持っています。」

スクラムは、ニュージーランドが南アフリカと対等に戦わなければならない部分であり、彼らも準決勝でスクラムの力を十分に証明した。彼らの成功率もまた100パーセントだったが、アルゼンチンのスクラムに崩すことは出来ず、Michael Cheika率いるアルゼンチンも100パーセントの成功率を記録した。

スクラムでは南アフリカが優位かもしれないが、ラインアウトはニュージーランドが試合を優位に運べる点かもしれない。オールブラックスは95パーセントのラインアウト成功率を記録したのに対し、スプリングボクスは79パーセントであった。

ニュージーランドはより自由なスタイルのラグビーをプレーしている。過去4試合で、彼らは50人のディフェンスを抜き、11回のクリーンブレイクを記録した。攻撃面においてチーム全体として印象的であったが、特にウィングのMark Tele'aとWill Jordanは際立っていた。

Jordan はハットトリックを達成し、8トライを決めたことによって一選手によるラグビーワールドカップでの最多トライ記録に並んだ。この記録は、Jonah Lomu、Bryan Habana、 Julian Saveaが保持していたものとなる。もし、決勝戦でトライを挙げれば、JordanはLomuがラグビーワールドカップ1999年大会で記録した8トライという記録を更新する事になる。

「正直、とても身が引き締まる思いです。」とJordanは話した。「あのような選手たちについて考えると、彼らは特に私がプレーするポジションにおいて、ウィングとしてこの競技をプレーする方法を開拓したレジェンド達です。なので、素晴らしいことです。」

南アフリカが、Jordanの脅威を片方のウィングで押さえ込もうとするのなら、同時にもう一人のウィングであるTele’aに注意しなければならない。

アルゼンチン戦でTele'aは、98メートルという記録で全選手の中で2番目に長いゲインラインメートルと、2回のラインブレイクを達成した。また、彼はゲーム全体で14人のディフェンスを抜いたが、これはラグビーワールドカップ2023年大会において最多記録で、スコットランドのDarcy GrahamとDuhan van der Merweと並ぶものとなる。

スター選手の力を有しているのはニュージーランドだけではない。南アフリカも豊富な人材を持っていることが、イングランド戦で証明された。その中でも、Franco Mostertは際立っており、この試合における最多タックルを記録し、19本のタックルを一度もミスせずに成功させた。

そして忘れてはならないのが、勝利のペナルティキックを決めたHandre Pollardである。スプリングボクスのSteven Kitshoffは「彼は大一番における強さを持っていて、度胸もあり、プレッシャーのかかる状況にうまく対処します。」とコメントした。