前回優勝国の南アフリカは、フランスとの熱戦で2度の劣勢から挽回し、来週土曜日にスタッド・ド・フランスで行われる準決勝に進出し、イングランド戦を手にした。

開催国フランスはプロップCyril Bailleの序盤のトライで勢いよく出だしを切ったが、南アフリカの2本のハイキックに対処できず、まずKurt-Lee Arendseが駆け抜けコーナーに決めたトライ、その後にDamian de Allendeが飛び込んで決めたトライを許し、スプリングボクスが12-7のリードとした。

フランスは、フッカーのPeato Mauvakaがトライを決めて同点に追いついたものの、Cheslin KolbeがThomas Ramosのコンバージョンを阻止。その後、Jessie Krielの巧みなグラバーキックに、南アフリカのウィングCheslin Kolbeが駆け込んで得点した。フランスのBailleが2本目のトライを奪い、二列目のEben Etzebethがハイタックルでイエローカードをもらうと、Ramosがそのペナルティーキックを成功させ、レ・ブルーは22-19でハーフタイムをリードした。 

Ramosがペナルティでそのリードを広げたが、残り14分でEtzebethのトライ、交代要員のHandre Pollardoがコンバージョンとペナルティを成功させ、Ramosの終盤での反撃にもかかわらず、試合を決定づけた。

スプリングボクスのキャプテン、Siya Kolisiは「私たちはただ、本当に(勝利を)欲しがっていたと思います。試合がどれだけ厳しいものになるかは分かっていました。ベンチから試合に出た選手のお陰です。彼らが出て形勢を大いに良くしてくれました。」と述べた。

「そして母国にいる人から私たちが受けた応援に、最も感謝したいです。彼らにはここに来る為の経済的な余裕はありませんが、学校が動画や歌を送ってくれました。」

「私たちは国の為に戦っています。もはや、フィールドにいる私たちの為ではありません。母国の人が全てで、それが私たちを突き動かしています。」

Kolisiは、母国のファンの前で辛い敗北を受けたフランスのパフォーマンスに敬意を表した。

フランカーの彼はこう付け加えた。「正直、ただ厳しい試合でした。開催国であるフランスを相手にどれほど厳しいものになるかは分かっていました。彼らの功績とこれまでの努力を称えたいです。」

Kolisiは後半の早い段階で引き下がることになったが、彼はチームに勝利を促し、4年前に日本で獲得したタイトル防衛の希望を生かした。

「見ての通り、他の選手がフィールドに出ていたので、私にできることはチームに力を注ぐことだけでした。フランス人の観衆の数を考えると、選手にはエネルギーが必要でした。」と、彼は話した。

Mastercardプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた南アフリカのフッカーMbongeni Mbonambiはこうコメントした。「開催国を相手に彼らの庭で試合をすることが、簡単にはいかないと分かっていました。満員の観客がずっと国歌を歌っていました。」

「もう2試合ありますし、この勝利は大したことではありません。私たちはやらなければならないことに焦点を当て、役割を遂行しました。素晴らしいラグビーの試合でした。」

南アフリカのヘッドコーチであるJacques Nienaberは来週土曜日にスタッド・ド・フランスで行われるイングランド戦を楽しみにしている。

Nienaberはこう話した。「大いにあります。良い挑戦になるでしょう。決勝トーナメントでは、今夜のように何でも起こり得るということです。ここに来るバスの中で、イングランド戦を見ていました。

彼ら(イングランド)もまた、安全と思える点差でリードしていましたが、フィジーが反撃し、それに負けじとイングランドは最後まで攻め続けました。これからの試合は、最後まで僅差となると思います。

フランスチームを称えたいです。接戦となることは分かっていました。皆、この試合が激戦となることは分かっていました。強豪2チームが運悪く対戦し、私たちには幸運なことに、勝利した側に立つことができました。」

フランスのチームマネージャーRaphael Ibanez は、初優勝への希望が潰えたチームが、トライに繋がるチャンスの局面を得点に繋げられなかったことを認めた。

 Ibanezはこう話した。「今夜は本当に悲しいです。試合に勝つために全てを出し切ったと思います。接戦になること、そしてチャンスが訪れる度に得点しなければならないということは分かっていました。良いチャンスもありましたが、不運にも得点に変えることができませんでした。」


「私たちにはチャンスがありましたが、彼らは効果的にプレーし、時にフランスのファンの応援を受けて最善を尽くしました。だからこそ、今夜は悲しいです。彼ら思うと悲しいです。」

「次の戦いの為にも、起き上がって、立ち上がらなければなりません。このワールドカップではありませんが、他の試合もあります。私たちはまだこのチームを信じなければなりません。」