色褪せない記憶

ブレイブ・ブロッサムズは、ラグビーワールドカップ2019年大会での偉業を繰り返すべく、トップ8進出への強い意志と共にトゥールーズの地に足を踏み入れた。日本代表の成功と挫折の両方を知る、34歳ベテランのMichael Leitchは、日本のラグビーファンの想いを代弁して、「海外での準々決勝進出を果たし、新しい歴史を作る」と発言した。

しかし、ナントでの激戦の後にプールD2位の座を獲得したのはロス・プーマスであった。日曜日には、グラウンドに多くの涙を溢す日本代表選手の姿が見られたものの、Leitchを始めとする百戦錬磨の闘将達のレガシーは将来有望な若手に受け継がれるのであろう。再びワールドカップの舞台で桜を咲かせるというブレイブ・ブロッサムズの道のりは続くことになる。

大会1のトライ

Amato Fakatavaはワールドカップ初舞台にも関わらず、テストマッチでのその存在感を発揮し、数トライを決めた。その中でも、特に際立つトライがあった。アルゼンチン戦の前半で、左サイドを駆け抜けた彼はその身体能力のみならず、足技を見せ、裏に蹴ったボールを自分自身でキャッチして見事なトライを決めた。彼の活躍ぶりがトライ・オブザトーナメントの候補になるという声も挙がっているようだ。

注目のコメント

アルゼンチン戦を前にして、Keita Inagakiはこう話した。「日本人の、昔にならう文化として、侍が刀を抜くというのは厳しい状況だった訳です。刀を抜いたら、相手を殺す時か、自分が死ぬか、その二択しかない状況。今のチームの状況が似ていると思いました。」不運にも、先にナントのピッチに膝をついたのはBrave Blossomsであったが、最後まで戦い続けた侍の不屈の精神は、日本人の心に深く刻まれた。

活躍した選手

経験豊富なフルバックであるLomano Lemekiは、アルゼンチン戦の後半で見事な35mのドロップゴールを決めた。7人制、15人制の両方で国際舞台を経験したLemekiの日本代表デビュー戦もまた、同対戦相手のアルゼンチン(2016年)であった。彼は日曜の敗戦後に、国際舞台からの引退を表明した。

将来が期待される選手

今大会がラグビーワールドカップデビューとなったSaito Naotoはサモア戦で、試合直前のYutaka Nagareの怪我により急遽先発出場を果たした。いかなる状況でも万全の準備をこなす26歳の若き戦士は、日本の将来への期待感を高めるような素晴らしいパフォーマンスを見せ、勝利に大きく貢献した。

重要な統計データ

「行動は言葉よりも雄弁」を体現した2人。チームの主将を務めるナンバーエイトのKazuki Himenoは徹底して第一線で身体を張り続け、一度のミスも無く56回のタックルを全て成功させ、ブレイクダウンでのジャッカルによりボールを2回奪取した。フライハーフのRikiya Matsudaもまた、RWC2023で全12キックのコンバージョンのうち、11キックを決めた。

編集者の評価

日本は準々決勝進出にあと一歩というところまで迫り、プール戦の最終戦ではハーフタイム時点で1点差というところまでアルゼンチンを追い詰めた。日本代表は2019年に母国の地でベスト8進出を達成した後の本大会で、再度準々決勝進出とはならなかったものの、勇敢に戦い、日本ラグビーの存在感を世界に示した。