色褪せない記憶

ポルトガルは出場した4試合の中で、素晴らしいラグビーを見せた。経験豊富で、スキルにも富んだスコッドで構成されたポルトガルの選手全員にとって、今回のラグビーワールドカップは初舞台であった。2つの印象的な瞬間は、永遠に残るであろう。RWCで初得点を決めたジョージア戦での引き分け、そして24-23でフィジーを倒して手にしたRWC初勝利。

大会1のトライ

フィジー戦終盤のRodrigo Martaによるトライ。Frank Lomaniが試合時間残り4分にしてペナルティキックを決め、フィジーが23-17でリードした時は、チームの状況は良くなかった。しかし、Martaはポルトガルらしいスピードと大胆さに満ちたプレーを見せ、内側に切り込み、トライを決めた。Samuel Marquesがコンバージョンを決めると、スタジアム・ド・トゥールーズは歓喜に溢れた。母国の地、ポルトガルでも同じであっただろう。

注目のコメント

「試合ごとに私たちは成長しています。そして、経験が必要です。悪い(プレー)選択をしてしまったことは許します。なぜなら、後半で素晴らしいディフェンスをしたからです。」

Patrice Lagisquetの鋭い視点は本大会に新たな風をもたらした。彼がポルトガル対ジョージアの試合後の記者会見で述べた言葉は、フランス人のコーチである彼の選手達への愛情を象徴した。

活躍した選手

巧みな技を見せるゴールキッカーであるSamuel Marquesは、フィジーの試合で彼こそがポルトガルのプレーメーカーだということを示した。また、彼にとって最後の国際舞台になり得る本大会で、チームを指揮し、多彩な技を見せた。

Mike Tadjer もまた、これに値する。基本への忠実さを見せながら、キックでの足技を見せ、自陣22mからハーフウェイのタッチラインを割り、フィジー戦では観客を沸かせた。

将来が期待される選手

わずか22歳の若さであるRaffaele Storti の注目度は今後より増すであろう。ベジエ(チーム名:AS Béziers Hérault)のウィングである彼は、プール戦で3トライを決め、相手にとって一貫して脅威であり続けた。トップレベルのクラブラグビーから声がかかる。

タッチラインから

チリのファンと同じように、ポルトガルの観衆はスタジアム・ド・トゥールーズを盛り上げた。フランスには、特に南西地区に多くのポルトガル移民が住んでおり、その存在を感じさせた。ポルトガルは全6点をトゥールーズで獲得しており、大勢の観衆への贈り物となった。

重要な統計データ

Nicolas Martinsよりもタックル数が多かったのは、トンガのSione Talituiのみとなる。ポルトガルのフランカーである彼は、全てのプールステージで合計63タックルを決め、196メートル(のキャリーメーター)を達成し、ポルトガルのラグビーを体現した。

編集者の評価

ポルトガルは今、分岐点に立つ。当初はラグビーワールドカップ2023への出場権を獲得していなかったが、運営上の理由で大会に参加することになり、最大限の力を発揮した。ジョージアに勝利していれば、2027年大会の出場権を獲得できた可能性もあった。

4年間の努力の末、Lagisquetはポルトガルの黄金世代を、競技力の高く、可能性に満ちたチームへと進化させた。後任者は大きな穴を埋めることとなる。