色褪せない記憶

3度の優勝を経験しているニュージーランドと開催国フランスとの待望の試合は、違う意味でイタリアの選手とファンの記憶に残ることとなるだろう。2023年シックスネーションズでの善戦、ヘッドコーチのキーラン・クロウリーが指揮した2年間における全体的な上昇傾向、また、開幕2連戦でのナミビアとウルグアイへ勝利したことを背景に士気は高かった。実際には、フィジカル面での戦いに負け、全体的にブレイクダウンで勝負できなかった事が、プールAの強豪2チ―ムに攻撃の隙を大いに与えてしまった。

大会1のトライ

ファンに人気のAnge Capuozzoが見せたニュージーランド戦でのトライは、典型的で素晴らしく、リヨンの観衆が一番のどよめきを見せた。また、このトライがなければ観客は静まり返っていた。

注目のコメント

Kieran Crowley(ヘッドコーチ):「皆が私たちに期待したように、3位で終えることとなります。もっと違う試合を見せ、おそらく点差を小さくすることもできましたが、それでも、私たちに勝つ機会を与えることにはなりませんでした。」

活躍した選手

Tommaso Allanは、このような暗闇で明るく輝いた。イタリア代表としてプレーした母親を持つAllanは、16回キックティーを使用してキックし、16回全てを真っ直ぐポストの間に通した。100%の成功率については、Allanは「良いです。」と語ったが、「ただ、準々決勝に進む為なら、もちろんこの成功率は手放します。」と険しい表情で付け加えた。

将来が期待される選手

2022年にデビューしてからチームの常連となっている22歳のLorenzo Cannoneは、Crowleyが次のように指摘したきっかけとなる中心選手です。「前にも言った通り、私はこのチームを前進させたいです。次のワールドカップは私たちのサイクルだと思いますし、次の大会までに今の選手の多くは、60、70キャップを獲得していると思います。」

タッチラインから

イタリアは10月28日にウェブ・エリス・カップを掲げる可能性のある強豪2チームとの対戦のために、あらゆる手段を講じた。

まず、ブルゴワン=ジャイユーにて地元の人たちと繋がりを深めるために定期的な公開練習を行なった。これにより、フランスの学校にいる何百人もの熱心な生徒たちが、非公式なイタリアラグビーの賛歌である『L’Italiano』を歌い上げる光景が、定期的でとても人気のある出来事となった。そして、オールブラックスに敗北した後、Crowleyは選手たちに内に秘めている感情を紙に書かせ、ともに儀式的に燃やす事を勧めた。

重要な統計データ

ラックスピードに尽きる。試合前、イタリアの対戦相手は皆、彼らが接触からボールを取り出す妬ましいほどの能力について言及していた。ただ、相手の能力を知っていることと、それを阻止できることは、全く異なる2つの事柄だ。アズーリはフランスとの最終戦、平均ラックスピードで大会最速の3.13秒を記録し、60-7で大敗を喫したにも関わらず、フランスより早くボールを取り出すことに成功していた。

編集者の評価

活気に満ち、若い、攻撃的なチームの中核はそこにあり、彼らはフランスでの痛ましい経験から多くを学ぶはずだ。スピード、スキル、そして完璧なプレースキックは言うまでもなく、未知の優れた才気など、すでに揃っている。もしスタッド・フランセの元コーチであるGonzalo Quesadaがパワーとラグビーのノウハウを付け加えられれば、このチームはCrowleyの予想を実現させ、4年後に大きな成果を上げるであろう。