• ワールドラグビー、試合中に独立したピッチサイドドクターに警告が可能なスマートマウスガード技術に200万ユーロを投資。
  • 10月と11月にWXVがこのテクノロジーとアプローチを初採用
  • 世界中のすべてのレベルのラグビーでマウスガードの使用を推奨
  • 新たなガイダンスの下、コミュニティラグビー対象のプレーへの復帰に関するガイドラインを最短21日間に延長
  • ワールドラグビーの独立脳震盪ワーキンググループが、世界有数の専門家たちによるプレゼンテーションを受けて提言を発表長期的な神経変性疾患に関するワールドラグビーの声明も更新

 

ワールドラグビーは、試合中にプレーヤーが損傷につながる可能性のある高いレベルの加速を経験したかどうかを感知し警告するスマートマウスガードテクノロジーを導入し、頭部外傷評価(HIA)をさらに前進させます。 この新しいプロトコルとテクノロジーは、10月から女子のエリート大会WXVで初採用され、2024年1月からは頭部外傷評価に統合される予定です。

ワールドラグビーは、プレーヤーウェルフェアに関して世界で最も進歩的なスポーツになるという現在進行中の6項目計画の一環として、頭部外傷を管理するために新しいテクノロジーを使用する最前線に立ってきました。このテクノロジーは現在、プレーヤーのフィールド外での評価に不可欠なものとなり、脳振盪の診断において現在90%の成功率を誇るHIAプロセスをさらに強化することになります。

ワールドラグビーは、プリベント・バイオメトリクス社が提供する新しいスマートマウスガードテクノロジーを採用する協会や大会、そしてクラブをサポートするため、まず200万ユーロを投資します。スマートマウスガードはリアルタイムで機能し、プレーヤーに強い力がかかった時、独立したマッチデードクターにアラートを送信します。 これまでだと、高加速度事象を経験したにもかかわらず無症状であったり、放送カメラに映っていなかったりした選手も、このテクノロジーの導入により初めて、フィールドから退出させて評価することができるようになります。

エリートラグビー選手は、試合中のHIA1テストを使用できるよう、スマートマウスガードの着用が義務付けられることになります。 このマウスガードは、試合だけでなく、トレーニングでも着用が義務付けらることになり、コーチはドリルやタックルスキル、トレーニングの負荷などを個々の選手に合わせて調整することができるようになり、選手のパフォーマンスとウェルフェアを最大限に促すことができるようになります。

この技術革新は、独立した脳振盪ワーキンググループがワールドラグビーに提言した、より広範な変更事案の一部であり、今夏のアメリカ・ボストンで行われた同グループの最新会合を受けて導入されるものです。この会合では、ボストン大学のアン・マッキー教授やクリス・ノウィンスキー博士、ハーバード大学医学部のグラント・アイバーソン教授など、世界有数の専門家による発表が行われ、独立したワーキンググループはそれらのプレゼンテーションを聞いた結果、ワールドラグビーの執行理事会は以下についても承認しました。

  • アイスホッケーの研究で、マウスガードは歯の怪我を防ぐだけでなく、脳振盪のリスクを20%軽減できることがわかったため、すべてのレベルのプレーヤーにマウスガードの着用を推奨。
  • コミュニティラグビーにおける脳振盪後のプレー復帰に関するワールドラグビーのガイドラインの見直しにおいて、今年初め、同国際連盟は、2023/4シーズンにはほとんどのコミュニティプレーヤーがタックルの高さを低くする世界的なオプトインの試行を承認し、コミュニティゲームにおいて措置を講じた。
  • 長期的な神経変性疾患と、繰り返される頭部への衝撃に関するワールドラグビーの見解が更新され、脳振盪だけでなく、医学的な症状を引き起こさない頭部への力に注目することの重要性が認識された。

公開性と透明性におけるワールドラグビーのコミットメントに沿って、本日、ワールドラグビーのウェブサイトで、ボストンで開催された独立脳振盪ワーキンググループの会合記録とプレゼンテーションが公開されました。

ワールドラグビーのチーフメディカルオフィサー、Dr.イーナ・ファルビーは次のように述べています。 「最新の科学的研究と専門家の意見は私たちに一つのことを伝えています。それは、あらゆるレベルのラグビーにおいて、プレーヤーにかかる力を減少させろということです。まさにそれこそが、私たちが行っていることです。」

「スマート・マウスガード技術の進歩は、エリート選手がこれまで以上にケアされることを意味します。 私たちは、スマートマウスガードを医学研究の領域から日常的なパフォーマンスマネジメントの世界に持ち込み、可能な限り最善の方法でプレーヤーの福祉を管理し続けていきます。」

ワールドラグビーの最高責任者、アラン・ギルピンは次のように述べています。「ワールドラグビーは、プレーヤーウェルフェアのために立ち止まることはないと言い続けてきました。今回発表したウェルフェア関連の最新措置は、テクノロジーと科学に基づいたエビデンスが進歩するにつれて、私たちもそれに合わせて進歩するという事実を補強するものです。」

「最新の報告書では、ラグビープレーヤーがより健康で幸せな生活を送り、2022年以降、ラグビーへの参加者が世界中で11%増加していることを示唆しており、ラグビーは可能な限り安全なスポーツであり、この素晴らしいゲームのあらゆるベネフィットを受け取ることができるということを知った上で、ラグビーをプレーするかどうかを決めることができます。」