色褪せない記憶

ラグビーワールドカップ初出場のチリが、トゥールーズで日本と対戦した初戦での色彩と喧騒は、その場で観戦していた人だけでなく、テレビで視聴していた人でさえ忘れることはないだろう。感動的な国家斉唱の後、ロス・コンドレスは試合開始6分でその試合最初のトライを決め、スタジアムに集まった1万人以上のサポーターを夢の国へと誘った。ラグビー界における真の伝説である。

大会1のトライ

フライハーフのRodrigo Fernándezが挙げた1トライは、チリ代表が今大会で挙げた4トライのうちの1回であり、彼の初戦での活躍は長く記憶に残るものとなった。だが、彼らの総力を最もよく表していたのは、プールDの最終戦で、交代出場のフッカー、Tomás Dussaillantが決めた得点である。チーム全員が回転しながら前進するモールに参加し、彼のライン突破の後押しをした。ナントのスタッド・ジェフロワ・ギシャールに集まった観衆は、この日、アルゼンチンが決めた8トライのどれよりも大きな歓声を上げた。

注目のコメント

キャプテンを務めるフランカーのMartín Sigrenが話をするたびに、胸を打たれた。916日にボルドーで行われたサモア戦の後、彼はラグビーワールドカップでのチリ代表の経験を完璧に総括した:「この大会の最中にいられることで、生きていると実感します。」

活躍した選手

ここでも、Sigrenだろう。コーチのPablo Lemoineにキャプテンに選ばれた彼は、チームメイトと信頼関係を築き、チリをラグビーワールドカップ初出場へと導いた。彼は27歳なので、4年後も活躍しているはずだ。

将来が期待される選手

ゴールを決めることもできる多才なバックスである23歳のMatías Garafulicは、フランス到着直後に負傷した兄のNicolásがいないことを残念に思っていたかもしれない。2027年への道を歩み始めるチームの大黒柱となるであろう将来有望な若手選手の一人である彼は、そのような様子を見せることはなかった。

タッチラインから

ブルターニュの海辺の町、ペロスギレックがチリ代表を自分たちのチームとして受け入れた様子を誰が忘れられるだろうか。イングランド戦の前に行われた公開練習には、何千人もの観客が集まった(写真上)。故郷と呼ぶ町を去るチームを見送るため、町中の人が通りに繰り出した。

重要な統計データ

Martin, Alfonso and Diego Escobar. Alfonso (centre) and Diego (right) play for Chile, while Martin (left) has played for Chile XV.

テリトリーもポゼッションも少なかったチリが、RWC2023で敗退するまでに529回という最多タックルを記録したのは、当然のことである。だが、彼らは決して競争心を失わなかった。それは、ロス・コンドレスのプール最終戦でアルゼンチンのLucio Cintiを倒したDomingo Saavedraが証明している。

しかし、チリにとっての本当のマジックナンバーは4だった。この数字は、日本戦(写真上)で一緒に先発したDiegoAlfonso Escobarを含む、33人のオリジナルメンバーに選ばれた兄弟の数である。豆知識の好きなファンに楽しんでもらえる情報かもしれない。

編集者の評価

スダメリカラグビーとワールドラグビーの支援を受け、ウルグアイ代表として2度のラグビーワールドカップに出場し、別のワールドカップではコーチを務めたPablo Lemoineが、チリをラグビーの弱小国からワールドカップ出場国へと変えた。RWC2023で、その情熱と野心で人々の心を掴んだチリは、Lemoineが新契約に合意し、チームの大半はまだ十分に若い選手であるため、4年後に再び大会に戻ってくることを願っている。