第2ラウンドの対戦カードの主役は、日曜日にスタッド・ジェフロワ・ギシャールでオーストラリアを22 ー 15で破ったフィジーだった ー フィジーがワラビーズに勝利したのは69年ぶりとなる。
意外かもしれないが、勝利したこの試合でのフィジーの攻撃における数値は、9月10日ボルドーでウェールズに敗れた初戦に比べると、大したものではなかった。
日曜日のフィジーによるキャリー88回は、1週目に彼らが成し遂げた回数のちょうど半分であり、キャリーメートル数もラインブレイク数もずっと少なかった。さらに、敵陣22メートル内にボールを運びこんだ時間もわずかだ。フィジーがウェールズの22メートル内でボールを持っていた時間がちょうど10分だったのに対し、日曜日にEddie Jones率いるチームと対戦した際は、24秒のみであった。
フィジーにとっての大きな違いは、取れる時に22メートル外から得点したという点になる。この方法で、第1ラウンドでは0得点だったのに対し、日曜日には15得点を挙げている。
「まるで違いました。」とフィジーのセカンドローTemo Mayanavanuaが発言。「私たちに華のあるプレーが期待されていることは分かっていますが、それだけでなく、フィジカルでも技術でも戦うことができ、どんなことに対しても準備ができていると見せたかったのです。」
フィジーのフィジカル面については、攻撃におけるコリジョンの優位率で3位につけていることからも見て取れる。
コリジョンの優位率で2位入りしているのは、木曜日にスタッド・ピエール・モーロイで最終的には27 ー 12で勝利したフランスを苦しめたウルグアイとなる。
フランスが好発進を切る
フランスはペナルティゴールを選ぶことで対戦相手に敬意を示したが、これまでフランスは、敵陣レッドゾーンの外から21得点を挙げており、これは本大会で最も多い。
ウルグアイは、試合開始直後からフランスに攻撃を仕掛け、キック数は合計13回のみにとどまる。キャップジェミニ・メトリクスによると、試合の最終クォーターまでフランスに迫る得点期待値(XP)を維持していたという。
ただ最終的には、ウルグアイはセットプレーに苦しみ、8回のスクラム中3回で負けている。
「そこからが厳しく、私たちはペナルティを奪われるようになってしまいました。」とウルグアイのコーチEsteban Menesesが試合後に語った。「ペナルティを奪われたことで、ボールを保持し、素早いプレーをすることができなくなってしまったので、もっとスクラムに取り組んでいく必要があります。」
ウェールズは困難をタックルで乗り越える
ウェールズも、スタッド・ド・ニースで行われたポルトガル戦を28 ー 8で勝利するため、同じように奮闘を余儀なくされた。8番のTaulupe Faletauが最後にトライを決め、プールCでWarren Gatland率いるウェールズにボーナスポイントをもたらした。
Faletauは、見事なタックルによってトライを防いだ。これは、本大会においてウェールズが成功した365回のタックルの1つで、チームをタックル最多数に導いている。
ヘッドコーチGatlandは、Faletauについて「試合に出れば出るほど、良くなる」と発言。「彼は今日非常に良いものを見せてくれました。ラグビーフィットネスを上げれば、彼はもっと良くなるでしょう。」
「あのタックルと試合終盤のトライに関して、彼は非常に優れた決断をしました。」
アイルランドは速さを求める
一方で、アイルランドはナントでのトンガ戦に59 ー 16で勝利し、本大会での好調な滑り出しを続けた。
この試合でMastercardプレイヤー・オブ・ザマッチに選ばれたBundee Akiは、 ラグビーワールドカップ2023において、現時点で最高となるトライ数(4)、キャリー数(39)、ディフェンス突破数(18)、そしてボールキャリー(375メートル)を誇る。
アイルランドの両サイドにおける成功の秘訣は、3秒に満たないラックスピード(2.92秒)を持つ大会唯一のチームであるということだ。ただ、その素早いプレーは、週末にトンガの激しいフォワード陣に挑まれることとなった。
「得点のために、懸命に挑まなくてはなりませんでした。」と、2列目の James Ryanが発言。「相手チームは、ラック周辺で非常に強かったです。彼らは、身体的に強靱で大きく、またそういうことが好きなのです。」
Andy Farrellが導くチームは、フランスにおいて最もタックル成功率の高いチームとなる。1試合における平均タックルミス数は11.5回にとどまる。ナントでの彼らの鉄壁ディフェンスを受け、トンガの敵陣22メートル到達はわずか1回のみ、これまでの試合におけるどのチームよりも少ない回数であった。しかし、トンガはそこでトライとコンバージョンを成功させたことから、そのエリアでもっとも効率の良いチームとなっている。
その他、ニュージーランドは2試合を終え、最高平均ライン突破数(14.5)を叩き出していることから、いまだ攻撃面における脅威であることを見せつけている。一方、南アフリカは、本大会において、今のところピック&ゴーからのキャリー率が5%と最も低く、今フランス大会でのプレースタイルで人々を驚かせている。