日本ラグビー協会が8月28日に発表したメンバー変更は、LOヘル・ウヴェとCTB中野将伍がコンディション不良でチームを同日離脱し、代わりにLO/FLアマト・ファカタヴァとFL下川甲嗣が加わるというもの。
ファカタヴァ選手と下川選手は当初発表された30人の選には漏れてが、代表のバックアップメンバーとしてチームがイタリア代表との大会前最後のテストマッチを行ったトレヴィーゾへ同行していた。
ファカタヴァは国内での強化5連戦中に代表デビュー。5戦目のフィジー戦の前半に負傷交代していた。下川選手はファカタヴァ選手に代わって出場し、その後バックアップメンバーの1人としてイタリア遠征に帯同していた。
一方、イングランド代表のSteve Borthwickヘッドコーチは当初発表した33人から一部を変更した。スクラムハーフのJack van Poortvlietが8月12日のウェールズ戦で足首を負傷。大会出場が見込めないためにメンバーを辞退したことを受けての対応だ。
代わりにノーザンプトンのAlex Mitchellが選出され、Danny Care、Ben Youngsとともに9番としての出番を待つ。
日本代表
日本代表はフランス大会に臨むメンバー30人を8月15日に発表し、フィジー代表とのテストマッチで負傷者などが出たことで保留したピーター・ラブスカフニ選手ら3人を18日に追加発表。さらに今回の変更で、大会メンバーはフォワード(FW)19人、バックス(BK)14人になった。
34歳のFLリーチ マイケルと37歳のHO堀江翔太は4度目のワールドカップの舞台で、PR稲垣啓太と、2019年大会で5トライを決めたWTB/FB松島幸太朗はフランスで3大会目を迎える。リーチは7月22日のサモア戦でキャリア初のレッドカードを受けたが、大会メンバー入りを果たした。
彼らとPR具智元、PRヴァル アサエリ愛、HO坂手淳史、LOジェームズ・ムーア、FL姫野和樹、SH流大、SO松田力也、CTB中村亮土、WTBレメキ ロマノ ラヴァとラブスカフニは、2019年日本大会で日本の初の8強入りを遂げた顔ぶれだ。
また、ファカタヴァと下川が加わったことでワールドカップ初挑戦の選手は20人となり、7月のテストシリーズで代表デビューをしたCTB長田智希とFL福井翔大や、今大会で代表デビューを期すSH福田健太、PRシオネ・ハラシリ、サウマキの3選手が含まれる。
キャプテンは姫野が務め、流が副キャプテンとして姫野を支え、チームをまとめる。
ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、「ワールドカップに臨むほかのチームと同じように、我々もワールドカップで優勝したいと思っている。非常に大きなチャレンジだと分かっているが、我々は2019年に成し遂げたことで多くの自信を得た。自分たちのラグビーで世界を驚かせた。2023年大会は、それをもう一度やるチャンスだ。まず8強入りを目指して、その先の展開をみたい」と語った。
フォワード(FW):稲垣啓太、クレイグ・ミラー、シオネ・ハラシリ、具 智元、垣永真之介、ヴァル アサエリ愛、堀江翔太、坂手淳史、堀越康介、サウマキ アマナキ、ワーナー・ディアンズ、アマト・ファカタヴァ、ジャック・コーネルセン、ベン・ガンター、姫野和樹*、福井翔大、ピーター・ラブスカフニ、リーチ マイケル、下川甲嗣
バックス(BK):齋藤直人、流 大**、福田健太、小倉順平、李 承信、松田力也、長田智希、中村亮土、ディラン・ライリー、ジョネ・ナイカブラ、シオサイア・フィフィタ、セミシ・マシレワ、レメキ ロマノ ラヴァ、松島幸太朗
( * はキャプテン、**は副キャプテン)
チリ代表
ワールドカップ初出場のチリの大会メンバーには、大会史上初となる4組の兄弟が選出された。
AlfonsoとDiego Escobar、MatiasとNicolas Grafulicの兄弟に、SantiagoとBenjamin Videlaの二人、そしてClementeとDomingo Saavedraは双子だ。
チリ代表のPablo Lemoineヘッドコーチは今回33人中30人を選出。残る3枠は追って発表される。
ドンカスター・ナイツFLのMartin Sigrenはチリ代表でも珍しい海外組の一人で、未知の旅路となるフランス大会でチームをけん引する選手になると期待されている。
大会メンバーの大半は国内選手で、Sigrenの古巣であるスーパーラグビーアメリカのセルクナム所属選手は30人中27人を数える。
セカンドローのPablo Hueteはかつてバイヨンヌに所属し、フランスのトップ14でプレーした経験を持ち、今回代表デビューから17年にして初めてワールドカップに臨む。スクラムハーフ(SH)のBenjamin Videlaは大会メンバーで唯一のノンキャップ選手だ。
フォワード(FW):Javier Carrasco, Salvador Lues, Matias Dittus, Inaki Gurruchaga, Esteban Inostroza, Augusto Bohme, Tomas Dussaillant, Diego Escobar, Javier Essmann, Pablo Huete, Santiago Pedrero, Augusto Sarmiento, Alfonso Escobar, Raimundo Martinez, Clemente Saavedra, Martin Sigren, Ignacio Silva.
バックス(BK):Lukas Carvallo, Marcelo Torrealba, Benjamin Videla, Rodrigo Fernandez, Santiago Videla, Pablo Casas, Matias Garafulic, Jose Ignacio Larenas, Domingo Saavedra, Franco Velarde, Nicolas Garafulic, Inaki Ayarza, Francisco Urroz.
サモア代表
Mapusuaヘッドコーチが選出したメンバーのうち7人は生得権規定の変更により、サモア代表でのプレーが可能になった選手たちで、Charlie Faumuina やChristian Leali’ifanoの名前もある。
Faumuinaは2015年ラグビーワールドカップではニュージーランド代表でプレーし、Leali’ifanoは4年前の日本大会にオーストラリア代表で出場してベスト8入りしており、キャリア2度目の大会となる。
共同キャプテンを務めるAlaalatoaとVuiもサモア代表で2019年大会に続くメンバー入りとなった。
フォワード (FW):Michael Alaalatoa**, Paul Alo-Emile, Charlie Faumuina, Jordan Lay, Seilala Lam, Sama Malolo, Luteru Tolai, Brian Alainuuese, Theo McFarland, Sam Slade, Chris Vui**, Sootala Faasoo, Miracle Fai’ilagi, Fritz Lee, Steven Luatua, Alamanda Motuga, Taleni Seu, Sa Jordan Taufua.
バックス(BK):Ere Enari, Melani Matavao, Jonathan Taumateine, Christian Leali’ifano, Lima Sopoaga, Alai D’Angelo Leuila, Tumua Manu, Duncan Paiaaua, Ulupano Junior Seuteni, Nigel Ah Wong, Ed Fidow, Neria Fomai, Benjamin Lam, Danny Toala.
( ** は共同キャプテン)
イングランド代表
イングランド代表の大会スコッドはFW19人にBK14人の編成で、Dan Cole, Courtney Lawes, Ben Youngsの3選手は4度目の大会となる。
さらに14人は前回までに少なくとも1大会を経験しており、キャプテンに任命されたOwan Farrellは3度目の大会だ。
FarrellをEllis GengeとLawesが副キャプテンとして支える。最少キャップ保持者は1キャップのDan、最年少は20歳のHenry Arundellだ。
Borthwickヘッドコーチは、8月上旬という早い時期にメンバー発表をすることでスコッドに明確さと確実性がもたらされ、選手たちにできるだけ多くの時間を与えることで落ち着いてスコッドとして成長することができると信じている。
「ラグビーワールドカップには、選手への要求、柔軟性を持ったスコッドの必要性、選手枠の制限などの点で独特のチャレンジが求められる。
「それはフランス2023大会も変わらないが、我々はこれらのチャレンジに対応して、このエキサイティングな大会で最高の競争力を発揮して最高の地位を残すことができるメンバー33人を選出したと、私は自信を持っている」
フォワード(FW):Dan Cole, Ellis Genge, Joe Marler, Bevan Rodd, Kyle Sinckler, Will Stuart, Theo Dan, Jamie George, Jack Walker, Ollie Chessum, Maro Itoje, Courtney Lawes, George Martin, Tom Curry, Ben Earl, Lewis Ludlam, David Ribbans, Billy Vunipola, Jack Willis.
バックス(BK):Danny Care, Alex Mitchell***, Ben Youngs, Owen Farrell*, George Ford, Marcus Smith, Elliot Daly, Ollie Lawrence, Joe Marchant, Jonny May, Manu Tuilagi, Henry Arundell, Max Malins, Freddie Steward.
( * はキャプテン ***はJack van Poortvlietの負傷で入れ替え選出)
アルゼンチン代表
アルゼンチン代表のMichael Cheikaヘッドコーチがフランス大会に臨むメンバーを発表し、Nicoals SanchezとAgustin Creevyという経験豊富な2選手が4度目のワールドカップに挑むことになった。
Kodelaは38歳。スコッドで2番目の年長選手として初のワールドカップを迎えるが、スコッドには3度目の大会に臨む選手が10人、2度目が7人選ばれている。
また、オリンピック銅メダル獲得チームからLautaro Bazan VelezとRodrigo Isgro、2018年ユースオリンピック優勝チームからはJuan Martin GonzalezとLucio Cintiが名を連ねている。
フォワード(FW):Nahuel Tetaz Chaparro, Francisco Gomez Kodela, Joel Sclavi, Thomas Gallo, Eduardo Bello, Julian Montoya*, Agustin Creevy, Ignacio Ruiz, Matias Alemanno, Thomas Lavanini, Guido Petti, Facundo Isa, Pablo Matera, Juan Martin Gonzalez, Santiago Grondona, Marcos Kremer, Rodrigo Bruni, Pedro Rubiolo.
バックス(BK):Gonzalo Bertranou, Tomas Cubelli, Lautaro Bazan Velez, Santiago Carreras, Nicolas Sanchez, Santiago Chocobares, Lucio Cinti, Jeronimo de la Fuente, Matias Moroni, Emiliano Boffelli, Mateo Carreras, Rodrigo Isgro, Juan Cruz Mallia, Martin Bogado, Juan Imhoff.
( * はキャプテン)