ラグビーワールドカップ2023に臨むトンガ代表のスコッドに、元オールブラックス3人と元ワラビーズ一人が含まれて、ビッグネーム数人の名前がある一方、注目の存在がメンバー外になった。

 トンガ代表の大会メンバーとして今回発表されたのは33人中32人。キャプテンのSonatane Takuluaとフッカー(HO)Paula Ngauamoは2015年、2019年大会に続いて3度目のワールドカップを迎える。

 ルーマニア代表が8月16日に発表した大会メンバーには、スクラムハーフ(SH) Florin SurugiuとバックローのMihai Macoveiの代表キャップ100を超える選手が2人、名を連ねた。

 キャプテンはバックローの26歳、Cristi Chiricaが務める。

 同日、スコットランド代表のGregor Townsend監督がフランス大会に臨む代表メンバーを発表。Finn Russell を筆頭に3度目の大会を迎える選手が4人いる。

 Russellに続くのは、Richie Gray、Grant Gilchrist、WP Nelといずれもフォワード(FW)の3人で、キャプテンを務めるJamie Ritchieを含めた15選手は前回大会の経験を活かすべく、フランスへ渡る。

 一方、南アフリカ代表のJacques Nienaberヘッドコーチは8月8日、ウェッブ・エリス・カップ防衛を託された大会メンバー33人を選出した。

 南アフリカのメンバー構成はFW19人とBK14人で、長期に及ぶ膝の離脱からの復帰目前のSiya Kolisiが前回大会に続いてキャプテンに任命された。

なお、残るアイルランドの大会メンバーについては発表があり次第、掲載する。

トンガ代表

 トンガ代表はIsileli FolauとTelusa Veainuという経験豊富な2人を怪我で欠いて大会の臨むことになるが、元ニュージーランド代表のGeorge Moala、Malakai Fekitoa、Vaea Fifita、Charles Piutauの4選手が大会メンバーに入り、元オーストラリア代表のロック(LO)Adam Colemanも加わった。Colemanはフランス大会でトンガ代表で初キャップを獲得することになる。

 キャプテンのスクラムハーフ(SH)Sonatane Takuluaは最近の試合でトンガ代表として50キャップを獲得した最初の選手になり、フッカー(HO)Paula Ngauamoとともにトンガ代表“イカレ・タヒ”で3度目のワールドカップを迎える。

 そのほかBen Tameifuna、Siua Maile、Sam Lousi、Sitiveni Mafi、Siegfried Fisi’ihoi の5選手がオールブラックスに選出された経験がある。

 トンガ代表のToutai Kefuヘッドコーチは「これは私が指揮を執ることをとても誇りに思うチームであり、すべての選手が自分たちの家族と全世界のトンガ人を代表することに誇りを持っている。

 「残念ながら、Isileli FolauとTelusa Veainuの2人は怪我を抱えているためにメンバー入りできないが、George Moalaは出場停止処分が5週間に軽減されたことで、大会途中でスコッドに加わることができる」とコメントした。

フォワード(FW):Siegfried Fisi’ihoi, Feao Fotuaika, Tau Koloamatangi, Paula Ngauamo, Siua Maile, Samiuela Moli, Ben Tameifuna, Paula Latu, Sosefo Apikotoa, Adam Coleman, Samiuela Lousi, Sitiveni Mafi, Vaea Fifita, Tanginoa Halaifonua, Semisi Paea, Solomone Funaki, Sione Vailanu, Sione Havili Talitui.

バックス(BK):Sonatane Takulua*, Augustine Pulu, Manu Paea, William Havili, Otumaka Mausia, Pia Ahki, Malakai Fekitoa, George Moala, Afusipa Taumoefolau, Fine Inisi, Solomone Kata, Salesi Piutau, Kyren Taumoefolau, Anzelo Tuitavuki.

( * はキャプテン)

 

 

ルーマニア代表

 ルーマニア代表がラグビーワールドカップ2023大会に臨むメンバーを発表し、2人の選手が前回大会経験を持ち、代表キャップ数で100を超えるバックローのMihai Macoveiとスクラムハーフ(SH)のFlorin Suruginで、後者は38歳で大会スコッドのなかで最年長でもある。

 Cristi Chiricaがキャプテンに任命され、MacoveiとOvidiu Cojocaruが副キャプテンとして彼をサポートする。

 2週間前のアメリカ戦でルーマニア代表デビューをしたトンガ7人制代表経験のあるWTB Taliauli Sikueaの大会メンバー入りはならなかったが、インサイドセンター(CTB)のTevita Manumuaが選出された。

 やはり、アメリカ戦で代表デビューを遂げたモルドバ出身のロック(LO)のAndrei Mahuも出生権で代表チーム移管をした選手の一人で、元モルドバ代表のプロップ(PR)Gheorge Gajionとともに大会メンバーに選出された。

 ルーマニア代表スコッド33人のうち9人がフランスでプレーをしており、24人はルーマニア国内でプレーしている。

 しかし、Ionel Melinte, Sioeli Lama, Marius Antonescuは健康上の理由で外れ、Atlia Septarは個人的な理由で代表合宿から離脱した。

フォワード(FW):Alexandru Savin, Gheorghe Gajion, Thomas Cretu, Alexandru Gordas, Costel Brtila, Iulian Hartig, Ovidiu Cojocaru, Robert Irimescu, Florin Bardasu, Adrian Motoc, Marius Iftimiciuc, Stefan Iancu, Cristi Chirica, Mihai Macovei, Vlad Neculau, Dragos Ser, Cristi Boboc, Florian Rosu, Damian Stratila.

バックス(BK):Gabriel Rupanu, Florin Surugiu, Alin Conache, Gabriel Pop, Mihai Muresan, Tudor Boldor, Nicolas Onutu, Marius Simionescu, Tangimana Fonovai, Taylor Gontineac, Jason Tomane, Tevita Manumua, Hinckley Vaovasa, Paul Popoaia.

 

 

スコットランド代表

 Ritchieキャプテンの下、メンバーはフォワード(FW)19人、バックス(BK)14人という編成で、2019年大会ではオーストラリア代表としてプレーしたバックローのJack Dempseyの名前もある。

 メンバーのなかで最多キャップ保持者はセカンドローのGrayで75。彼を含めてスコットランド代表として50キャップ以上を保持するメンバー7人を擁する。

 代表経験という点で最も若いのはスタンドオフ(SO)のBen Healyで、これまでに獲得したキャップ数は2だ。

大会メンバーのうちエジンバラ・ラグビーとグラスゴー・ウォリアーズからの選出がそれぞれ14名ずつで、それ以外の所属は4選手(Chris Harris, Cameron Redpath, Russell, Ben White)。最近アルスター・ラグビーを退団したRory Sutherlandは無所属となっている。

フォワード(FW):Jamie Bhatti, Zander Fagerson, WP Nel, Pierre Schoeman, Javan Sebastian, Rory Sutherland, Ewan Ashman, Dave Cherry, George Turner, Scott Cummings, Grant Glichrist, Richie Gray, Sam Skinner, Luke Crosbie, Rory Darge, Jack Dempsey, Matt Fagerson, Jamie Ritchie*, Hamish Watson.

バックス(BK):George Horne, Ali Price, Ben White, Ben Healy, Finn Russell, Chris Harris, Huw Jones, Cameron Redpath, Sione Tuipulotu, Darcy Graham, Blair Kinghorn, Olie Smith, Kyle Steyn, Duhan van der Merwe.

( * はキャプテン)

南アフリカ代表

 チームを率いるJacques Nienaberヘッドコーチが選出した33人には、プロップ (PR) のFrans MalherbeとTrevor Nyakane、セカンドローのEben Etzeberth、バックローFWのPieter-Steph du Toit、Siya Kolisi、Duane Vermeulen、センターのDamian de AllendeとJesse Kriel、フルバックのWillie le Rouxという3度目の大会に臨む顔ぶれが揃った。

 この9選手は、横浜で行われた2019年大会決勝でイングランドに32-12の勝利を収めて南アフリカ代表通算3度目のウェッブ・エリス・カップを掲げた面々だが、ラージグループは彼らのような存在を擁している。

 2019年経験者として、PRのSteven KitshoffとVincent Koch、フッカー(HO)のBongi MbonambiとMalcolm Marx、セカンドローのRG Snyman、ルースFWのKwagga Smith、ユーティリティFWのFranco Mostert、スクラムハーフ(SH)のFaf de KlerkとCobus Reinach、ユーティリティBKのDamian Willemse、そしてウィングのCheslin Kolbe Makazole Mapimpiがメンバー入りした。

 負傷などで調整中のスタンドオフ(SO)のHandre Pollard(ふくらはぎ)、Lukhanyo Am (膝)、Lood de Jager(胸)は他の6選手とともにスタンバイリストに名を連ねている。

 Nienaberヘッドコーチは、「(南アフリカラグビー協会ディレクター・オブ・ラグビーの)Rassie Erasmusと私が南アフリカに戻って来た2018年から、2023年ワールドカップへ向けてチームの積み上げを図ってきた。そして、本大会を前にして我々は現状を喜ばしく思っている」と語る。

 「この数週間、コーチ陣と選手たちは非常に多くの仕事をしてきた。ワールドカップで優勝するために何をなすべきかを理解し、豊富な国際経験を備えた選手たちが多く揃った、豪華なスコッドになった」と自信を示した。

 

フォワード(FW):Steven Kitshoff, Vincent Koch, Frans Malherbe, Ox Nche, Trevor Nyakane, Bongi Mbonambi, Malcolm Marx, Eben Etzebeth, Jean Kleyn, Marvin Orie, RG Snyman, Pierre-Steph du Toit, Siya Kolisi*, Kwagga Smith, Marco van Staden, Duane Vermeulen, Jasper Wiese.

バックス(BK):Faf de Klerk, Jaden Hendrikse, Cobus Reinach, Grant Williams, Manie Libbok, Damian Willemse, Damian de Allende, Andre Esterhuizen, Jesse Kriel, Kurt-Lee Arendse, Cheslin Kolbe, Willie le Roux, Makazole Mapimpi, Canan Moodie.

( * はキャプテン)