出場カードの最後の振り分けを決めたのは、7月22日に行われたイタリアとスペインによるプレーオフで、ピアチェンツァで行われた対戦を23-0で制した地元イタリアがWXV2へ、敗れたスペインがWXV3へ入ることが決まった。

 WXV大会は6チームずつ3部構成で、WXV2とWXV3は10月14日にそれぞれ南アフリカのケープタウンとUAE市アラブ首長国連邦のドバイで開幕。最上位のWXV1はその一週間後の10月21日にニュージーランドでスタートする。

This is WXV
Bigger, better and bolder competition than ever before

WXV 1

WXV1は、女子シックスネーションズ2023の上位3チームとワールドラグビー・パシフィックフォーシリーズ2023の上位3チームで構成されている。

 シックスネーションズからは5戦全勝のイングランド、2位フランス、3位のウェールズが出場権を獲得。5戦全勝優勝したイングランドとフランスは、開幕から4連勝した4月半ばにWXV出場を確定させた。

イングランドはスコットランド(58-7)、イタリア(68-5)、ウェールズ(59-3)、アイルランド(48-0)と快勝を続け、フランスはイタリア(22-12)、アイルランド(53-3)、スコットランド(55-0)と3連勝したのち、第4戦でウェールズの反撃に遭いながらもMelissande Llorensの2トライなどで勝利(39-14)して2位以内確定で出場権を手にした。

ちなみに、両者は4月29日の最終戦で全勝優勝をかけて対戦し、イングランドが38-33でフランスに1トライ差で競り勝ってグランドスラムを達成した。

 3位に入ったウェールズは2勝2敗で迎えた最終節でイタリアに36-10で勝利して、3勝2敗としてWXV1への出場を決めた。

 一方、パシフィック・フォー・シリーズからは優勝したニュージーランド、2位カナダ、3位オーストラリアが出場を決めた。

 ラグビーワールドカップ2021の覇者でもあるニュージーランドは6月末のアウェイでのオーストラリア戦に50-0と完勝し、7月8日の第2戦でもカナダに52-21と圧勝。2連敗のアメリカを上回ることが確定して、WXV1への出場が決まった。

 初戦でアメリカに50-17と勝利していたカナダは、1勝1敗で迎えた7月14日の最終戦でオーストラリアをTyson Beukeboomのハットトリックなどで45-7と圧倒。2勝1敗として大会2位でWXV1入りを決めた。

 カナダ同様に勝利で2位入りを期していたオーストラリアは、カナダに敗れたものの、第2戦のアメリカ戦でMaya Stewartが3トライを挙げるなど 58-17と勝利を収め、大会3位でフィニッシュ。ニュージーランド、カナダに続いてWXV1出場権を獲得した。

WXV1の開幕は10月21日で、ニュージーランドのダニーデン、オークランド、ウェリントンの3都市で開催される。なお、最初の2シーズンはWXV1からWXV2への降格はない。

WXV 2

WXV2の6チームは、シックスネーションズ4位のスコットランドと5位のイタリア、パシフィック・フォー・シリーズで4位となったアメリカ、アジア選手権優勝の日本、ラグビーアフリカ・ウィメンズカップ2023優勝の南アフリカ、オセアニアラグビー女子選手権優勝のサモアという顔ぶれになった。

 シックスネーションズでは最終節にイタリアがウェールズに10-36で敗れた時点で、スコットランドの出場が確定したが、スコットランドは直後のアイルランド戦で6トライを挙げる猛攻で36-10と勝利して、出場決定に華を添えた。

 日本は5月28日にアルマトイで行われたカザフスタン戦に11トライを挙げて72-0と完勝し、5度目のアジア王座に就いてWXV2入りを決め、敗れたカザフスタンがWXV3へ出場することになった。

 同日、南アフリカもラグビーアフリカ・ウィメンズカップでマダカスカルに79-8と圧勝して出場権を獲得した。

その一週間後の6月4日、オーストラリアのゴールドコーストで行われたオセアニアラグビー・女子選手権でサモアがフィジーとの大接戦を19-18で制してWXV2への出場を決めた。

フィジーは3トライを挙げていたが、サモアはCassie Siatagaが正確なキックで得点を刻み、試合終了直前のPGを含めて14得点を叩き出し、1点差で勝利と世界の戦いへの出場権を掴んだ。

 アメリカがパシフィック・フォー・シリーズで4位となってWXV2参戦5番手のチームとなった後、イタリアのプレーオフ戦勝利で6チームが出揃った。

 WXV2とWXV3では初年度から入れ替えがあり、WXV2の最下位チームはWXV3へ降格し、WXV3で1位のチームがWXV2に昇格となる。

WXV 3

 WXV3参戦はアイルランド、カザフスタン、ケニア、フィジー、コロンビア、スペインの6チームとなった。

アイルランドは4月29日のシックスネーションズ2029の最終戦に1勝を期して臨んだが、スコットランドに10-36で敗れて5戦全敗の6位に終わり、WXV3参戦が決まった。

カザフスタンは5月下旬のアジアラグビー女子選手権2023で香港チャイナに勝って決勝進出を決めた時点でWXV参戦を確定させ、決勝で日本に敗れてWXV3入りとなった。

ケニアはラグビーアフリカ・ウィメンズカップ2023でカメルーンに8トライを奪う猛攻で52-3の勝利を収め、WXV3参戦を確定させた。

 また、フィジーは、サモアとのオセアニアラグビー女子選手権決勝に1点差で敗れて優勝とWXV2入りを逃し、初年度はWXV3から上位への昇格を目指す。

 コロンビアが出場権を獲得したのは7月9日で、ブラジルとの2戦合計での対戦を54-42で制して勝ち取った。7月5日の第1戦は24-23の辛勝となったが、4日後の第2戦ではLeidy Sotoが3トライをマークするなど30-19で勝利した。

 最後に加わったのがスペイン。今年2月にスウェーデン、オランダと3チームによるラグビーヨーロッパ・女子選手権2023で優勝したスペインだったが、イタリアとのプレーオフを制することはできず、WXV3からのスタートとなった。

 来季2024年大会は2025年ラグビーワールドカップ予選も兼ねことになっており、WXVは女子15人制代表チームにとって世界トップに挑む新たな戦いの場となる。