今年10月に開幕する新設の女子大会WXVの予選を兼ねて行われた今年のアジア女子ラグビー選手権の決勝で、勝てばディビジョン2、負ければディビジョン3という出場権を懸けて日本とカザフスタンが対戦した。
中国の辞退により準決勝不戦勝で勝ち上がり、アジア王者を決める決勝が昨年10月のラグビーワールドカップ以来の試合となった日本に対して、カザフスタンは23日の準決勝で香港チャイナに27-23で勝利。試合勘と地元ファンの声援を得て臨んだが、試合は開始早々から日本がキックを織り交ぜた素早い攻撃を展開し、相手を圧倒した。
前半3分、敵陣22メートル内で得たペナルティからクイックタップで仕掛けて、NO8永井彩乃選手が持ち込んで先制。SO大塚朱紗選手がこの日成功させた7本のコンバージョンの1本目を決め、さらに5分後にはPGも成功させて10-0に。13分には永井選手が2度目のライン越えで5点を追加した。
早い時でペースをつかんだ日本な、24分にWTB安尾琴乃選手、28分にPR北野和子選手、35分にはFB西村蒼空選手、さらに前半終了直前にはCTBパラキゆき選手がそれぞれインゴールで押さえて前半で7本のトライを決めて46-0で折り返した。
2014年大会以来の優勝を目指すカザフスタンは、リスタートのキックオフから22メートルライン内で攻撃を展開する機会も幾度か得ていたが、日本のプレッシャーもあってハンドリングエラーが多く、チャンスに結びつけることができない。前半28分にはLO Daiana Kazibekova選手が反則の繰り返しでイエローカードを受け、数的不利の状況にも見舞われた。
それでも後半半ばに、交代出場のLudmila Sherer選手やVlada Odonoletk選手らが力強くボールを運び、日本陣内へ攻め込み、反撃を試みるがここでも反則が響いて攻撃を継続できなかった。
日本はハーフタイムの後も攻勢を維持。後半開始5分でWTB安尾選手がインゴールに飛び込んで自身2本目のトライを決めると、15分にLO吉村乙華選手、22分にFL川村雅未選手、32分には交代出場のHO小鍛治歩選手がモールで持ち込んで押さえ、それぞれ5点ずつ加え、日本は歴代3番目のハイスコアで、ここ9年間のテストマッチで最多点差の72-0で勝利した。
日本のアジアチャンピオンシップ優勝は2017年大会以来で通算5度目。この勝利で、今年10月に始まるWXV2への出場を決めた。
新キャプテンとして臨んだ初めての試合に勝利した日本のFL長田いろは選手は、「全員で今までやってきたことを出し切ろうと話して試合に臨んで、それをしっかりやれた」と試合を振り返った。昨年のワールドカップ後に臨んだ初めての試合での勝利に「うれしい」と笑顔を見せた。
敗れたカザフスタンのKarina Sanzontovaキャプテンは、「我々のチームはまだ若い。2位という結果は悪くない」と話した。
WXVは今年10月に開始予定で、世界トップ18チームがレベルに応じて6チームずつWXV1、WXV2、WXV3の3つのディビジョンに分かれて対戦する。