9月に開幕するラグビーワールドカップ2023フランス大会へ、日本代表の本格始動となる6月12日からの合宿に参加するメンバーが明らかになった。

 日本代表36人には、今季のリーグワン新人王を獲得した長田選手、リーグ初優勝に貢献してベストXVに選ばれた木田選手、準優勝したワイルドナイツのFL福井翔太選手ら代表デビューを目指すノンキャップ組が10人選ばれた。

 2019年日本大会も経験した経験豊富な顔ぶれでは、PR稲垣啓太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、FL姫野和樹選手(トヨタヴェルブリッツ)、FLリーチマイケル選手(東芝ブレイブルーパス東京)、SH流大選手(東京サントリーサンゴリアス)、FB/WTB松島幸太朗選手(東京サントリーサンゴリアス)らが順当に選ばれ、昨秋の欧州遠征を見送ったHO堀江翔太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)も復帰した。今季リーグでベストキッカー賞を獲得したワイルドナイツのSO松田力也選手や21歳の長身LOワーナー・ディアンズ選手(東芝ブレイブルーパス東京)も名を連ねた。

また、FLピーター・ラブスカフニ選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)やFLテビタ・タタフ選手(東京サントリーサンゴリアス)らは負傷からの復帰途上のため候補として合宿入りし、コンディションを上げて代表復帰を目指すことになる。

 候補選手を含めた総勢46人のチームは6月12日から30日まで浦安で合宿を行い、メンバーを大会規定の33人余りに絞り込んで、7月3日からの1ヶ月は宮崎に場所を移して合宿を行う。

その間、7月にはテストマッチ3試合を含めた強化試合を実施。オールブラックスXVと8日にジャパンXVとして東京の秩父宮ラグビー場で、15日には日本代表として熊本で対戦。さらに、パシフィックネーションズシリーズ3連戦として、7月22日にサモア代表と札幌で、29日にトンガ代表と大阪で、8月5日にフィジー代表と秩父宮で対戦する。

その後、8強入りした前回2019年大会を超える成績を目指して、今秋のフランス大会に臨む代表メンバーを選出する予定だ。

 ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、「いかなるプレッシャーの中でも一貫したプレーができる選手ということで、このメンバーを選考した」と説明。6月からの合宿では「コンタクトエリアでの攻防におけるタックル精度を、ナショナルレベルまで引き上げて、チーム力をより向上させ、より強固な絆をつくっていきたい」とコメントした。

 

木田選手、「ここからが勝負」

 スピアーズのリーグ初制覇に貢献した木田選手は代表初選出で、ワールドカップ代表メンバー入りを目指す一歩を踏み出す。

 2019年ワールドカップ日本大会が行われた当時、大学生だった木田選手は松島選手らが活躍しているのを見て自身の代表入りを意識したという。

「活躍すれば選んでもらえると信じてやっていた」という今季のリーグでは、プレーオフを含めて16試合に出場。リーグ2位のトライ数は決勝の1本を含めて17本で、リーグのラインブレイカー賞も獲得した。

 高校時代から海外でのプレー志向が強かったという木田選手は、「選ばれてうれしかったが、まだスタート地点。ここからが勝負」と語り、本大会のメンバー入りの競争では「いろんなところで上回らないといけないが、キックの精度やランニングを活かしながらワークレートでしっかり上回りたい。しっかりアピールして、まずは試合に出ることを目指したい」と意気込んだ。

 

長田選手、「戦うところで自信はある」

 長田選手も今回が初の日本代表入りで、「目標にしてきたので、選ばれてうれしい気持ちもあるが、『やるしかない、がんばらないといけない』という気持ちが大きい」と話して、表情を引き締めた。

 ワイルドナイツでは、南アフリカ代表CTBダミアン・デアレンテ選手やオーストラリア代表WTBマリカ・コロインベテ選手ら世界トップの選手が同僚。彼らと練習や試合を重ねてきたことで、「戦うところで自信はある」と言い切る。

 初めての代表活動へ向けて、長田選手は「自分の強みを出すことだと思うが、まずは日本代表のラグビーをしっかり理解して、その中で自分がどうチームに貢献できるのかを考えて、示していきたい」と語り、代表でのプレーについても「たくさんのことを求められるというイメージ。いままで以上に(自分を)磨きながら、選手として成長してチームに貢献できるようになりたい」とイメージを膨らませていた。

 

 

日本代表合宿参加メンバー

(FW19人、BK17人=計36人)

PR

稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、45キャップ)

クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、9)

シオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス、0)

 具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ、21)

 垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス、11)

 ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ、23)

HO

堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、68)

 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ、33)

 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス、7)

LO

ジェームズ・ムーア(浦安D-Rocks、13)

 ヘル ウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、16)

 サウマキ・アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ、0)

 ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、7)

LO/FL

アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京、0)

LO/FL

ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ、12)

FL

福井翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、0)

 姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ、25)

 リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京、78)

NO8

ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、5)

SH

斎藤直人(東京サントリーサンゴリアス、11)

 流 大(東京サントリーサンゴリアス、30)

福田健太(トヨタヴェルブリッツ、0)

SO

李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ、6)

 松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ、29)

CTB

ニコラス・マクカラン(東芝ブレイブルーパス東京、0)

 中村亮土(東京サントリーサンゴリアス、33)

 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ、0)

 中野将伍(東京サントリーサンゴリアス、6)

 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、10)

WTB

シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ、12)

 木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、0)

 セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ、2)

 ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京、0)

FB/WTB

松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス、47)

FB/SO

山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ、27)

FB/SO

小倉順平(横浜キヤノンイーグルス、4)

 

日本代表候補

(FW7人、BK3人=計10人)

PR

小林賢太(東京サントリーサンゴリアス、0キャップ)

 伊藤平一郎(静岡ブルーレヴズ、6)

HO

中村駿太(東京サントリーサンゴリアス、0)

 

FL

ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、15)

 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス、1)

 ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ、5)

 テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス、15)

SH

茂野海人(トヨタヴェルブリッツ、16)

WTB

高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ、1)

レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛、16)

(注:所属のあとの数字はキャップ数)