シーズン総合2位につけるアルゼンチンが、今季上位4チームに与えられるパリオリンピックの出場権を準決勝進出決定で確定させた。開催国フランスを除いて、オリンピック出場権獲得はニュージーランドに次いで2チーム目だ。

今大会初日にドイツとスペインに連勝して、この日のプール最終戦に入ると、英国に50-0と圧勝。3戦全勝でプールBを1位で勝ち抜けて準々決勝に進出し、プールC2位通過でシリーズ総合7位の南アフリカを21-12で退けて4強入りとオリンピック出場を決めた。

 南アフリカ戦ではMarcos Monetaの開始2分のトライとSantiago Vera Feldのコンバージョンで先制。その後相手の抵抗にあい、前半のうちで追加点を挙げることはできなかったが、後半立ち上がりにMonetaのトライでリードを広げ、Luciano Gonzalezが続けて5点を加えVera Feldのコンバージョンも決まって21-0とした。終盤に南アフリカのJames Murphyの連続トライなどで12点を許したが、逃げ切った。

 アルゼンチンのMonetaは「信じられないほど素晴らしい。今季の初めに、オリンピック出場という目標を決めて戦ってきて、チーム全体での大きな努力の結果でとてもうれしい」とコメント。チームを率いるSantiago Gomez Coraヘッドコーチも「これで夢をみることができる。もっと多くをさらに多くを追及したい」と述べた。

 アルゼンチンは4強進出で、ニュージーランドの今大会でのシリーズ優勝決定はなくなった。

 最終日の準決勝では、アルゼンチンは準々決勝で番狂わせを演じたカナダと対戦する。カナダは残留プレーオフ圏内の総合14位ながら、プールA初戦でニュージーランドに敗れたのち、ウルグアイとケニアに勝って2勝1敗の2位で8強入り。準々決勝では昨季シリーズ王者で今季も総合5位につけるオーストラリアに12-10と競り勝ち、2021年のカナダセブンズ以来となる4強入りを決めた。

 準決勝のもう1試合は、ニュージーランドとフランスの組み合わせとなった。

 ニュージーランドは3戦全勝で8強入りを決めると、準々決勝でアイルランドを無得点に抑えて35-0と完勝。Moses Leoが前半でトライ2本を決め、Akuila Rokolisoa、Brady Rush、Scott Curryもそれぞれ1本ずつ決めた。

 一方のフランスはプールBを3戦全勝で勝ち抜くと、準々決勝で英国に17-12で競り勝った。前半を7-7で折り返し、後半に入ってAndy Timoのトライで一度はリードを奪ったが、Will Homerの5点で追いつかれた。しかし粘るフランスはロスタイムにVarian Pasquetがラインを超えて勝利を手にした。

 

日本はプール3戦全敗で降格

 男子7人制日本代表のシリーズ残留はならなかった。

総合順位で最下位に沈む日本は、プレーオフ圏となる14位のカナダと勝ち点8差で今大会を迎え、準々決勝へ進出できれば残留への望みをつなぐことができたが、初日にオーストラリアとサモアに敗れると、プール最終戦でもアイルランドに0-66と大敗。プールD4位で8強入りを逃して自動降格が決定した。

アイルランド戦では終始相手のパワーに押される形となり、キックオフでもボールを獲得できず、守備も崩壊。前半で4つのトライ&コンバージョンを与えて0-28となり、後半にも6トライを決めれた。

 その後、日本は9位決定準々決勝でウルグアイと対戦して5-17で敗れた。5点を先行されたのち、石田大河が同点トライを狙ったが相手のタックルを受けてインゴールの外に出された。0-17ビハインドの後半終盤に津岡翔太郎が1トライを返したが、それまでだった。

日本は大会最終日には13位決定準決勝でドイツと対戦。勝てばケニアかアメリカと13位決定戦を戦う。

 男子ワールドシリーズは2024年から12チーム制へ移行。これに伴い、今季最下位チームは自動降格。12位から14位までは最終戦となる5月20-21日のロンドン大会で行われる残留プレーオフへ出場。セブンズチャレンジャーシリーズ優勝のトンガを加えた4チームで残り1枠の出場権を争う。なお、降格が決まった日本は特別招待チームとしてロンドン大会に参加する。

 

女子、4強が出揃う

 最終日の女子準決勝は、1つは男子と同じニュージーランドとフランスの対戦となり、もう一つはオーストラリアとアメリカの顔合わせとなった。

 ニュージーランドはプール最終戦でカナダに28-7で勝利して3戦全勝で8強入りし、準々決勝で日本に29-7で勝って準決勝に進出。プールC最終戦でスペインに33-5で勝って3位枠で8強いりしていた日本だったが、5位決定準決勝に回ることになった。

フランスはプール最終戦でオーストラリアに19-12と競り勝って2位でプールBを抜けた後、準々決勝で英国を28-10で下して4強入りした。

 一方、プールBで2勝1敗とフランスと同率ながら得失点差で1位抜けしたオーストラリアは、準々決勝でアイルランドに17-7と勝利。プールAを2勝1敗の2位で抜けたアメリカは、プールCで3戦全勝で首位突破のフィジーを22-17で下して4強進出を決めた。