ここまでの女子セブンズシリーズ6ラウンドを5連勝で総合順位トップに立ち、同2位のオーストラリアに勝ち点16差のリードを奪って最終戦のトゥールーズ入りしたニュージーランドは、プール初戦でポーランドに50-0と完勝し、第2戦でもシリーズ総合3位につけるアメリカに31-12と圧勝。2連勝でプールA2位以内を確定させて8強入りを決め、シーズン総合順位を不動のものとして7度目のシリーズ優勝を決めた。

 ポーランド戦では先制トライを決めたSarah Hirini、Portia Woodman-Wickliffe、後半出場のMahina Paulが2トライずつを決め、Shiray Kata、Alena Sailiが5点ずつを加えて、招待参加の相手を無得点に抑えて圧勝した。

アメリカ戦では、Stacy Waakaが試合開始直後に先制トライをあげ、Woodman-Wickliffeが5点を加えて12-0とリードを奪うが、初戦でカナダに26-19で勝って2勝目を挙げたいアメリカも反撃。Alex SedrickとAlena Olsenの連続トライなどで12-12と追い上げた。

しかし、ニュージーランドは前半終了間際にJorja Millerが均衡を破るトライを決めると、その後もTyla Nathan-Wongがトライとコンバージョンを決め、Woodman-Wickliffeが2試合連続2トライとなる1本をマーク。アメリカを無得点に押さえて31-12で勝利した。

初日に2戦ずつを終えて、ニュージーランドは2連勝でアメリカは1勝1敗。ポーランドに35-7で勝利したカナダも1勝1敗で、ポーランドは2連敗となり、大会2日目のプール最終戦を残してニュージーランドのプールA2位以内で準々決勝進出が確定し、シリーズ優勝を手にした。

今大会では、シリーズ最終上位4チームに与えられる来年のパリ・オリンピック出場権争いをめぐる戦いも最後。シリーズ総合4位で開催国のフランスのほか、すでにパリ行きを決めているニュージーランド、オーストラリア、アメリカに続く、残り1枠の争いは総合5位のアイルランド(64)、6位フィジー(62)、7位英国(60)に絞られている。

初日を終えてアイルランドはプールBで2連勝のオーストラリアに次いで1勝1敗で2位。フランスに27-7で勝ったがオーストラリアには12-33で敗れた。

フィジーと英国はプールCでの戦いで、2勝ずつを挙げて1位、2位に立ち、大会2日目のプール最終戦で顔を合わせる。

フィジーはスペインに47-7と大勝、日本にも26-14で勝利した。一方の英国は、初戦で日本のハードな守備に手を焼いて前半7-12と苦戦。後半Jasmine JoyceとGrace Cromptonの 2トライで逆転し、19-12で辛勝すると、第2戦でスペインを33-12で下して2勝目を挙げた。

 

自動降格回避目指す男子日本、連敗スタート

 男子大会では来季降格回避へ今大会が正念場。最下位で自動降格圏にある日本は、準々決勝進出で回避に望みをつなぎたいところだが、初日の2試合で2敗を喫した。

 プールD初戦でオーストラリアと対戦。立ち上がりから激しく挑み、4分に石田吉平が仕掛け、22メートル内でのブレークダウンの競り合いでこぼれたボールに谷中樹平が反応。ゴールラインで押さえて先制トライをマークした。

 日本はその後も守備で粘り、相手の得点阻止を試みるが、昨季シリーズ王者のオーストラリアは守備の綻びを見逃さず、6分にHenry Patersonがトライ。コンバージョンも決まって7-5と逆転して前半を折り返すと、後半は総合5位につけ、五輪出場権獲得を狙うオーストラリアが攻撃力を発揮。Dietrich Roache, Darby Lancaster, Hayden Sargeant,が立て続けにトライ。Mathew Gonzalrezは終盤に2連続トライを決め、最後はPatersonがこの試合2本目を決めて49-5で圧勝した。

 日本は第2戦でサモアと対戦。開始2分で石田大河選手がトライを決めて日本が先制した。

 しかし、オーストラリアに勝ち点1差で総合6位につけるサモアは、Malakesi Msefau が2分後に5点を返すと、守備に甘さが出た日本の隙をついてPaul Scanlanが2本立て続けにトライ。21-7とリードを広げた。

 日本は後半に入ってパスをつないで最後は松本純弥がトライを決め、5点を返して12-21と点差を縮めた。その後も攻撃を仕掛けるものの、ターンオーバーや判断ミスで得点にはならず、終了間際にサモアのNeueli Leitufiaに1トライを追加されて、21-28で敗れた。

 男子7人制日本代表を率いるサイモン・エイモーヘッドコーチは、「すごくいいプレーもあった一方で、まずい判断をする場面もあった。今季シリーズはレベルの高い大会になっているので、選手たちは素早く学んでいかないとならない。今日の試合からの課題を活かして明日に臨みたい」とコメントした。

 日本は初日を終えてプールD4位。13日の大会2日目にはアイルランドと対戦する。アイルランドはサモアに14-12で勝ち、オーストラリアに5-12と競り負けて1勝1敗でプール3位だ。

 このほか、初日の2試合を終えてシリーズ総合トップに立つニュージーランド、2位のアルゼンチン、4位のフランス、5位のオーストラリアの上位陣と、10位の英国それぞれ2勝ずつを挙げたが、総合3位のフィジーはフランスと同組のプールCで1分け1敗のスタートとなった。

 来季からシリーズが女子と同じ12チーム体制へ移行するのに伴い、このトゥールーズでの第10ラウンド終了時で最下位チームの自動降格に加えて、12位から14位チームは来週のロンドンでのシリーズ最終戦で残留1枠を懸けて、チャレンジャーシリーズ優勝のトンガとともにプレーオフに臨むことが決まっている。

 シリーズ優勝争いとオリンピック出場権争いも山場。総合首位に立つニュージーランドは2位のアルゼンチンに19点差をつけることができれば、ロンドンを待たずにシリーズ総合優勝が決まる。

 また、3枠を残すオリンピック出場権争いでは、アルゼンチンは今週末の大会で準決勝進出を決めれば4位以内が確定。フィジーもトゥールーズで優勝できれば、パリ行きのチケットを確保できる。