コアチーム最下位に位置し、自動降格の危機にある男子7人制日本代表は、降格圏脱出を目指して1つでも上のランキングに食い込みたいところだったが、プール3戦を全敗。9位決定準決勝に進むと、今季からコアチーム入りしたウルグアイと対戦した。

 Bautista Basso選手の連続トライで前半を0-14で折り返すと、日本は後半開始早々に奥平湧選手がイエローカードを受けて数的不利に。その間にMateo Vinals選手にこの試合で決めた2本のうち1本目のトライを許して一方的な展開に。ウルグアイにさらに3本を決められて0-40で完封負けを喫した。

 13位決定準決勝へ回った日本は、シーズン総合順位で最も近い14位のカナダと対戦した。先制を許したものの、前半終了目前に松本純弥選手のトライで5-7とし、後半早々に福士萌紀選手が守備ラインを突破してゴール下へ飛び込み、コンバージョンも決まって12-7と逆転に成功した。

 しかし、カナダはブレークダウンで激しいプレッシャーをかけ、ボールを保持するとオフロードでつないでアタック。13分にはJosiah Morra選手にこの日2本目のトライで追いつかれ、コンバージョンも決まって再びリードを許した。終了間際にもWill Perciller選手に追加点を決められて、日本は12-19で敗戦。5戦全敗となり、15位タイで終了した。

 男子セブンズ日本代表の林大成選手は「アタックの練習に多くの意時間を割いて準備をして臨んだが、大会を通じてうまくいかない時間が長く、厳しい内容となった」と肩を落とした。

 サイモン・エイモー男子セブンズ日本代表ヘッドコーチは、「ロサンゼルス大会とバンクーバー大会ではディフェンス面でポジティブな一歩を踏み出すことができて、香港大会ではアタックゲームの改善に焦点を当てた。残念ながら、カナダとの最終戦まで、技術的で高い正確性を伴った、分析データに基づいたアタックスタイルを実行することはできなかった」と話した。

指揮官は、キックには改善が見られたとして、「選手たちは多くを学んでいる。それを次のシンガポール大会(4月8-9日)で実践したい」と語った。

 

オールブラックス7、フィジーに勝って今季3度目の優勝

 優勝はニュージーランドで、決勝でフィジーに24-17で勝って2大会ぶり3度目の優勝を決め、シリーズ総合ポイントを142に伸ばして首位を堅持した。

 ニュージーランドは準々決勝でアルゼンチンに24-10で勝利すると、準決勝ではフランスとの接戦を12-7で制して決勝へ進出していた。一方のフィジーは、準々決勝で南アフリカに10-7で競り勝ち、準決勝では今季初の4強入りの英国を19-14で退けて、今季開幕ラウンドでの香港大会以来となる決勝へコマを進めていた。

 決勝ではCody Val選手、Slone Molia選手、Leroy Carter選手が試合開始から連続トライでニュージーランドが先行。前半終了間際にフィジーのViva Naduvalo選手に1本返されたが、後半早々にNgarohi McGarvey-Black選手が5点を加えて24-5とリードを奪った。フィジーはJoseva Talacolo選手が2本続けてラインを超えたが、そこまでだった。

 ニュージーランドは女子も今大会を制しており、今年1月のシドニー大会以来の男女ダブル制覇で、男子が香港大会を制したのは2014年以来となった。

 3位で銅メダルを手にしたのはフランスで英国との接戦を19-17で制した。前節バンクーバー大会で優勝したアルゼンチンは5位決定戦で南アフリカとの激戦を7-5で勝利した。

 優勝で22ポイントを加えたニュージーランドはシーズン制覇へ一歩近づき、2位アルゼンチンが21差でこれを追っている。

また、シーズン最終順位の上位4チームに与えられる来年のオリンピックの出場権争いでは、フィジーが3位に浮上。4位で開催国のフランスを除くため対象となる5位には南アフリカが前節6位タイから順位を上げ、2ポイント差でオーストラリアが追っている。

 

女子はニュージーランドが5大会連続優勝

 女子の部を制したのもニュージーランドで、決勝でオーストラリアに26-17で勝って、今季5大会連続で頂点に立った。

 両者の決勝での対戦は今季4度目。オーストラリアは開幕ラウンドのドバイ大会以来となる優勝を目指して試合開始から気合の入った戦いを披露。開始2分でBienne Terita選手がニュージーランド選手のマークをハンドオフで振り切って先制トライを決めた。

 しかし、ニュージーランドはKelly Brazier選手がインゴールに飛び込んだ際に守備についた相手に反則があったとしてペナルティトライを与えられて追いつくと、決勝MVPのStacey Waaka選手が右サイドを突破して均衡を破った。

 オーストラリアは相手陣内で得たペナルティからCharlotte Caslick選手が左サイドを突いて5点を挙げて、2点差で前半を折り返した。

 だが後半、ニュージーランドは相手スクラムでプレッシャーをかけてボールを奪い、Michaela Blyde選手がインゴールへ持ち込んで突き放した。

 オーストラリアも粘りをみせてSariah Paki選手のトライで食い下がったが、直後にWaaka選手がこの試合2本目のトライを決めて、ブラックファーンズセブンズが試合をモノにした。

 銅メダルを獲得したのは英国で、3位決定戦でフィジーに22-19で競り勝ち、今季初の表彰台となった。Jasmne Joyce選手が先制を含めて2トライを決め、Lisa Thomson選手、Isla Norman-Bell選手が1トライずつマーク。Megan Jones選手がコンバージョン1本を決めた。

 5位はカナダに22-12で勝利したフランスで、7位はアイルランドに15-14で競り勝ったアメリカだった。

 シーズン最終上位4チームに与えられる来年のオリンピック出場権は前節でニュージーランド、今回オーストラリアとアメリカが確定させたが、残り1枠を巡ってシーズン総合5位のアイルランド、6位フィジー、7位英国がそれぞれ64、62、60ポイントで並ぶ激戦となっている。

 

サクラセブンズHC、「常にベストを出す難しさ」を実感

 一方、大会2日目に10位でシーズン6ラウンド目となる香港大会を終えたサクラセブンズ女子7人制日本代表は、一夜明けて日本ラグビー協会を通じてコメントを発表した。

 プール戦でフランス、アメリカに連敗して9位決定準決勝でブラジルに攻守ともに良いパオーマンスを披露して29-0で勝利した後、9位決定戦でプール戦でも対戦していたスペインに17-26で星を落とし、目標としていた8強入りの「次のベスト」である9位フィニッシュを逃した。

チームを率いる鈴木貴士ヘッドコーチは、「ワールドシリーズで常にペストパフォーマンスを出すこと、勝ち切ることの難しさを改めて感じた」と話し、三枝千晃選手は「ディフェンスで多くの課題が残る」と振り返る。

山中美緒選手も「自分たちのミスでチャンスを逃してしまうシーンも多くあった。」と振り返った。修正して、最後のトゥールーズ大会で結果として残したい」と話した。

 次の大会は、男子は第9ラウンドのシンガポール大会で4月8-9日に行われ、女子は5月12-14日のトゥールーズ大会で今季最終ラウンドとなる。