世界ランキング1位のニュージーランド代表との歴史的テストマッチを前に、昨日サモアの首都アピアは普段とは懸け離れた興奮と期待のムードで溢れていた。小さな島国のサモアでオールブラックスとのテストマッチが開催されるのは今回が初めてである。
7月8日チケットを手にアピアパークに向かうサポーターの数は8千人に過ぎないものの、テレビ中継やビッグスクリーンを通して、試合は世界中のファンの熱い視線のもとで行われる。
7月7日(火)、リッチー・マコア、ダン・カーター、キーラン・リード、ケヴェン・メアラムやソニー・ビル・ウィリアムズを含む豪華選手を揃えてアピアを訪問したオールブラックスは伝統的なパレードで歓迎された。
歴史的な試合でプレーすることはどの選手にとっても光栄なことであり、サモアの血統を持つメアラムやウィリアムズ選手にとっては特に印象に残る一戦である。
ルーツを辿る
ベテラン選手ケヴェン・メアラム(123テスト獲得)は「サモアの血筋を持ち、実際にサモアで生まれ育った両親を持つ選手として、今回の試合に出場できることは特別貴重な経験です。」と話した。「両親にとっても息子たちがサモアに戻って、親族の前でプレーすることは特に意味深く誇らしいことであるに違いありません。」
また、ウィリアムズ選手は今回でテストデビューを果たしたチーフスのチームメイトそして従兄弟でもあるティム・ナナイ・ウィリアムズとピッチで対面する。
Sleep well Samoa, tomorrow is a special day. #SAMvNZL
— All Blacks (@AllBlacks)
July 7, 2015
サモアとニュージーランドが最後にピッチで対面したのは7年遡る2008年9月ニュー・プリマスで行われた試合である。101−14で勝利を挙げたニュージーランドサイドにはダン・カーター、トニー・ウッドコックやジェローム・カイノ選手がプレーしていた。
オールブラックス率いるスティーブ・ハンセンヘッドコーチはイングランド大会でウェブエリスカップを再び手にとって今シーズンを終えたいと話した。
「サモアはフィジカルなチームですし、ホームでファンの熱い声援を浴びながらプレーする相手チームはパフォーマンスを磨き上げて来るでしょう。わたしたちも決して油断はできません。フィジカルで正確なプレーを重ねることが求められます。」
Skipper Ofisa Treviranus. "Tomorrow will be an amazing occasion for Samoa. We are ready for the @allblacks." pic.twitter.com/7Qr785Dl9w
— Samoa Rugby Union (@manusamoa)
July 6, 2015
今秋の大会で日本代表と同じプールBで対戦することとなるサモアのヘッドコーチ、スティーブン・べサム氏は歴史的一戦の終了をもって早速次のパシフィックネーションズカップ(PNC)とラグビーワールドカップの準備に切り替える方針をみせた。
「オールブラックスとの歴史的テストマッチを前に、チーム内のポジション争いもとても激しくなりました。選手をみんなピッチに立たせることはもちろんできませんので、世界ランキング1位のサイドを相手に今ベストコンディションでプレーできると感じた選手を並べました。」
「オールブラックスは一流チームであり、世界のトップに立つのには訳があります。マヌ・サモアの夢はもちろん大きなチャレンジですが、選手達はベストを尽くして試合に挑みます。」
「また、北米でのPNCやラグビーワールドカップイングランド大会を前に、困難な遠征スケジュールとタフな試合が選手を待ち受けていることを把握しながら準備を進めています。」