今季第6ラウンドのロサンゼルス大会は、1月末のシドニーでの第5ラウンドから約1か月ぶりのシリーズ再開で、現在総合順位でコアチーム最下位に沈む日本は、自動降格圏脱出のためにここから勝ち点を積み上げなければならない。

 第6ラウンドまでのブレイク期間の合宿に元イギリス7人制代表で2016年オリンピックの銀メダリストのダン・ノートン氏がスポットコーチとして参加。ワールドシリーズ歴代1位のトライ記録を保持するノートン氏は今大会にも帯同するなど、プレーの改善に努めてきている。

 好スタートを切りたいところだったが、日本は総合順位5位タイでオリンピック2連覇のフィジーと対戦。Iowane Teba選手には前半のハットトリックを含む4トライを許して0-50で完敗した。Teba選手が初日を終えてDHLインパクト・プレーヤー部門でトップに立った。

 サイモン・エイモー男子セブンズ日本代表ヘッドコーチは、「スタートは良かったがそこからフィジーにスペースを与えてしまい、こちらがやりたいボールキープができていない」と振り返った。

 しかし、大雨での中断を挟んで迎えたオーストラリアとの第2戦では日本は初戦から立て直した姿を披露。開始早々に先制トライを許したものの、前半4分に代表デビューの岩本総司選手が抜け出して左外へつなぎ、最後は丸尾崇真選手がインゴールに飛び込んで5点を返して2点差に詰めた。

勢いが出て攻撃を仕掛ける日本だったが、雨のなか、足元も雨水をたっぷり含んだピッチでボールのバウンドが変わるなどでミスも出て、連続トライには結びつかない。反対に前半終盤、Henry Paterson選手とJames Turner選手に立て続けに5点ずつ決められて前半で5-19となる。

 後半、反撃を仕掛けた日本はキックオフから、今大会が代表初出場となるケレビ ジョシュア選手が抜け出して、林大成選手がオフロードでつなぐなどで攻め込むが、パスが乱れるなどで得点まで至らない。

 試合時間残り4分となり、相手のペナルティでマイボールとすると、右アウトサイドへボールを展開して最後は薬師寺晃選手が相手タックルを受けながら右隅に飛び込んだが、体が外へ出ていたとしてトライにはならない。その後も攻めに出るものの、相手のタックルを受けて厳しい状態で出したパスを奪われ、Maurice Longbottom選手が独走してトライを決めた。

 日本は終了目前に自陣深いエリアからパスをつないで粘り強く攻め、最後は副島亀里ララボウラティアナラ選手が5点を返したが、10-24で敗れた。

 

日本、ケニアに勝利

 その後、大会は大雨による悪天候で再び中断。再開後、臨んだ第3戦で総合順位12位のケニアと対戦。前半3分でKevin Wekesa選手に先制トライを許したが、その後は相手に得点を許さず、前半を0-5で折り返すと、9分に今大会で代表6キャップ目となる薬師寺晃選手がトライ。野口宜裕選手がコンバージョンを成功さえて7-5と逆転。その2点リードを最後まで守り、今大会初勝利を手にした。

 プールCでは日本のほか、オーストラリア、ケニアも1勝2敗で3チームが勝ち点5で並ぶ結果になり、得失点差で優位に立ったオーストラリアが2位、ケニアが3位、日本はフィジー戦での大量失点が響いて4位となった。プール首位突破は3戦全勝のフィジーだ。

 フィジーのBenn Gollingsヘッドコーチは、「我々は雨やぬかるんだピッチ状況には慣れている。もっとも、気温30度ではなくて気温5度ではないことなので、あらゆる面で自分たちにとっていいテストだ。3戦全勝はすばらしい。選手たちはよく対応したし、明日へいい準備になった」と選手を称賛した。

この結果、日本は26日の9位決定準々決勝でプールB3位のウルグアイと対戦することになった。ウルグアイはアイルランドに0-7と惜敗後、南アフリカに10-5で競り勝ったが、総合順位14位で残留レースからの脱出を目指すカナダに10-26で敗れて1勝2敗だった。

プールBはウルグアイ、カナダ(22-0)、南アフリカ(14-5)と3戦全勝したアイルランドが首位で突破。南アフリカ、ウルグアイ、カナダが1勝2敗となったが、得失点差などで南アフリカが2位で8強入りし、ウルグアイとカナダがそれぞれ3位、4位で9位以下の順位決定戦へまわった。

 このほか、プールAはサモアがアメリカ(26-19)、チリ(31-5)、ニュージーランド(14-7)に3戦全勝で1位抜け。第5ラウンドのシドニー大会に優勝したニュージーランドは、サモアには惜敗したものの、チリ(26-7)とアメリカ(36-15)に2勝して2位。開催国アメリカは招待参加のチリには20-17で白星を収めたが、サモアとニュージーランドに敗れて3位で、チリは3戦全敗で4位となった。

 プールDではアルゼンチンとの初戦を7-5で制して白星スタートを切ったイギリスが、スペインに24-17、フランスに21-14で勝って3連勝の首位突破で8強に勝ち抜けた。2位はアルゼンチン。イギリスとの黒星スタートから立て直してフランスに17-12、スペインに19-7で勝利した。フランスは初戦でスペインに19-7と勝利したが、その後、アルゼンチンとイギリスに競り負けて3位で順位決定戦に回った。4位は3戦全敗のスペインだった。

 26日のカップ戦準々決勝はサモアとアルゼンチン、フィジーと南アフリカ、イギリスとニュージーランド、アイルランドとオーストラリアの組み合わせとなった。

また、日本戦以外の9位決定戦準々決勝では、アメリカとスペイン、カナダとケニア、フランスとチリの対戦となった。

 今季のワールドシリーズは2024年オリンピック予選も兼ねており、最終順位で上位4チームに出場権が与えられる。その一方で、下位チームは12チームへ削減される来季のシリーズ降格がかかり、激戦が繰り広げられている。