4年ぶりにワールドシリーズに復帰した女子セブンズ日本代表が、第3ラウンドとなったハミルトン大会で6位に入り、ようやく、目標としていたベスト8位内に入った。

 日本は今季開幕ラウンドとなった昨年12月のドバイ大会で10位、第2ラウンドのケープタウン大会で11位と苦戦。今ラウンドまでの中断期間中の合宿で、女子15人制日本代表のレスリー・マッケンジーヘッドコーチと日本代表で2016年オリンピックでベスト4入りした元日本代表の桑水流裕策氏をスポットコーチに招聘して強化を図り、今大会に臨んでいた。

プール戦ではオーストラリアに14-26、フランスに12-26と連敗スタートとなったが、第3戦でカナダに17-7と勝利を収め、プールBで3位となり、3位チーム中で2位に入ってカップ戦準々決勝に進出した。

そこで日本はニュージーランドと対戦。試合開始早々にトライ&コンバージョンを許して7点ビハインドとなる。前半5分の平野優芽選手のトライで一時は2点差に詰めたが、その後Jorja Miller選手、Shiray Kaka選手らが立て続けにトライを決めて、再び点差を広げられた。

日本は後半、原わか花選手のトライと須田倫代のコンバージョンで7点を返したが、ニュージーランドは3トライを追加。Pouri-Lane選手が14得点、3トライのKaka選手が15得点を挙げる活躍で、ニュージーランドが43-12で勝利した。

5位決定準決勝に進んだ日本はフランスと対戦。前日のプール戦で敗れていた相手に今回は19-12で勝利をつかんだ。

内海春菜子選手が前半4分にトライとコンバージョンを決めて先制したが、フランスのChloe Pelle選手とSeraphaine Okemba選手にトライを決められて12-5と逆転された。しかし、日本も反撃。平野選手のトライで同点とすると、13分に須田倫代選手がトライとコンバージョンに成功して勝ち越した。

5位決定戦では、今季のベストは第2ラウンドの6位という英国と対戦。サクラセブンズは前半3分にGrace Crompton選手と9分にIsla Norman-Bell選手にそれぞれトライとコンバージョン2本を決められて0-14を追いかける展開に。日本は後半、梶木真凜選手の2トライで10-14と4点差まで迫ったが、逆転には至らず、6位で大会を終えた。

女子7人制日本代表の6位は2014年サンパウロ大会での7位を上回る、最高の順位だ。

2013年から日本代表で戦い続けている中村選手は、「長くかかったが、やっとワールドシリーズで過去の自分たちを超えることができた。全員のハードワークのおかげで、ようやく日本のスタイルと言えるものが形づくられてきた」と振り返り、「この結果が実力でることを証明できるよう、次の大会も地に足をつけてハードワークし続けたい」と語った。

サクラセブンズの鈴木貴士ヘッドコーチは、「前の大会では自分たちのミスで勝ち切れない試合が続いたが、今大会は最後まで自分たちのラグビーにチャレンジすることができた。最後まで戦い続けた選手たちに感謝したい」と話した。

梶木選手は、「今回は一人ひとりの強みを活かしたアタックができた。次のシドニー大会では、僅差の試合を勝ち切って、さらに上の順位を取れるように頑張りたい」と手ごたえを覚えた様子だった。

女子の優勝はニュージーランド。アメリカとの決勝でMichaela Blyde選手が3トライを決めるなどで 33-7と快勝し、昨年12月のケープタウン大会に続く連覇となった。3位はアイルランドを33-17で退けたオーストラリアだった。

Blyde選手はこの3トライで今大会のトライ数を10、総得点を50としてそれぞれトップで終了。今季の通算トライも27、得点を130に伸ばして、両カテゴリーでオーストラリアのMaddison Leviとトップに並んだ。

なお、日本の選手では原が11トライで今季通算トライ部門7位タイ、タックルで梶木が今大会11本で6位タイ、今季通算では40本で3位タイに名を連ねた。

 

男子日本代表は15位、優勝はアルゼンチン

 男子は、プール戦では初戦をアメリカに12-40と落としたものの、第2戦でウルグアイに24-19と逆転勝利。0-19ビハインドから福士萌紀選手のトライを皮切りに、野口宜裕選手と石田大河選手がそれぞれトライ&コンバージョンを決め、古賀由教選手も1トライを加えてひっくり返した。その後、アイルランドに12-33と屈しプール3位で9位決定準々決勝へ進んだ。

 しかし、そこで対戦した英国に12-24、13位決定準決勝でスペインに17-21で敗れて、15位タイで終了した。スペイン戦では、7人制日本代表デビューとなった植田和磨選手のトライで先制したが逆転を許し、試合終了直前に石田選手がトライを決めたが勝利には届かなかった。

 キャプテンを務めた林大成選手は「セットプレーや正しいテクニックの習慣づけなど、時間をかけて準備してきたことに成果があった」と話し、「それぞれの選手が経験を得て、新たにデビューした選手も思い切ったプレーをして、これまでとは違って、勝ちが見える試合が増えてきた」と話した。

 サイモン・エイモー男子セブンズ日本代表ヘッドコーチは、「チームには代表デビューの若い選手が3人いた。結果は15位だったが、パフォーマンスは日々向上している」と評価。大会を通じて、前半のプレー判断や技術面は良いが、「後半になると疲れが出てきて集中力を欠き、判断や技術的なミスもあり、トライを奪われた」と課題を指摘した。

 男子セブンズ日本代表指揮官は、「疲れたときの集中力と判断力を高めることで大会順位を上げることを目指したい」とコメントした。

 男子の優勝は決勝でニュージーランドに14-12で競り勝ったアルゼンチンで、今季初のタイトル獲得となった。3位はフランスに辛くも15-14で勝利したアメリカだった。

 なお、次のラウンドは男子女子ともに1月27-29日、シドニーで開催される。