昨年のチャレンジャーシリーズに優勝して4シーズンぶりにHSBCワールドシリーズのコアチームに復帰したサクラセブンズ女子日本代表だが、12月の2ラウンドを終えて12チーム中で総合ランキング10位と苦戦している。

 今季シリーズでは男女とも総合上位4チームに2024年パリ・オリンピックの出場権が与えられることになっているが、女子の場合、ここまで2ラウンドを終えて上位にはオーストラリア、ニュージーラド、アメリカ、フランスが位置している。一方のサクラセブンズは12月2-3日に行われたドバイ大会で10位。翌週12月9-11日に南アフリカのケープタウンで行われた第2ラウンドでは11位だった。

復帰初戦となったドバイ大会では初戦でフィジーに14-33で敗れ、プール第2戦でアイルランドにハーフタイム5-19から後半3トライなどで19得点を挙げて追い上げたが24-31で惜敗。その後、スペインに7-33で敗れてプール4位となった。

順位決定戦に進んで中国を12-7で退けてシリーズ復帰後初勝利を挙げ、カナダとの9位決定戦に臨んだ。しかし、カナダに先行され、後半の2トライの追い上げで一時は10-10としたが、終了直前にトライを許して10-15で敗れた。

サクラセブンズのキャプテンを務める平野優芽選手は、久しぶりの世界連戦となったドバイ大会後、「一つ一つのプレーの正確さ、試合の流れをつかむプレー、僅差の試合を勝つ難しさ」を改めて感じ、「学びになった」と振り返った。

 翌週末のケープタウン大会ではプール戦でアメリカ、フランス、カナダと対戦。いずれも前半でリードを奪いながら、後半相手に得点を許す展開になり、アメリカには14-19、フランスには12-26、カナダには12-21で敗れて再びプール4位。順位決定戦でブラジルに12-17で敗れ、11位決定戦で南アフリカに15-5で勝利した。

 女子セブンズ日本代表の鈴木貴士ヘッドコーチは、「2週続けて大会を回った経験のない選手が多いなか、選手たちは非常にタフに戦ってくれた」と話したが、平野選手は「サクラセブンズらしい粘りのディフェンスを何度も発揮することができたが、アタックの時間が少なく、勝つところまでつなげることができなかった」と悔しがった。

第3ラウンドのハミルトン大会、第4ラウンドのシドニー大会(1月27-29日)へ向けて女子チームは年明けから沖縄で合宿を実施。元カナダ代表FWで女子15人制代表のレスリー・マッケンジーヘッドコーチと元男子セブンズ代表の桑水流裕策氏をスポットコーチとして招聘し、タックルなどプレーの強化を図った。

1月21-22日のハミルトン大会では、日本はオーストラリア、フランス、カナダとプールBで対戦する。オーストラリアはドバイを制し、ケープタウンでも2位。フランスとはケープタウンのプール戦、カナダとは3ラウンド連続での対戦となる。前回の黒星を取り返す機会でもあり、ポイントを重ねて順位を上げたい。

 

男子セブンズ日本代表は降格圏脱出なるか

 男子セブンズ日本代表は今季からサイモン・エイモーヘッドコーチの下、新たな体制で参戦。メンバーも入れ替わり、新しい選手も加わっている。だが、まだ結果を出すには至っておらず、序盤の不振から脱却し、降格圏を抜け出したいところだ。

 女子より一足先に始まった男子のシリーズで、日本は11月4-6日に行われた初戦の香港大会で14位。ドバイ大会(12月2-3日)、ケープタウン大会(12月9-11日)では15位で終了し、総合ランキングでも15位に低迷している。

ワールドシリーズは今年12月からスタートする2024シーズンから新フォーマットでの開催が決まっており、男女ともオリンピックと同じ12チーム体制となり、チーム数に変動のない女子と違って男子はコアチームが3チーム削減される。

そのため、今季第10ラウンド終了時点で15位のチームは自動降格。改革版では男女ともオリンピックと同じ12チーム編成となるため、12~14位は最終第11ラウンドのロンドン大会で2023チャレンジャーシリーズ優勝チームとともにプレーオフに参戦し、1位のみが来季のワールドシリーズ出場権を獲得し、敗れたチームは地域大会からチャレンジャーシリーズ出場を探ることになる。

今季ここまでの3大会を終えて、男子セブンズ日本代表は4ポイントで15位。プレーオフ回避となる11位はウルグアイ(20ポイント)で水をあけられている。

日本は第4ラウンドのハミルトン大会ではプールCでアメリカ、ウルグアイ、アイルランドと対戦する。来季のワールドシリーズ残留のためには、勝利で勝点を稼ぐ必要があることは言うまでもない。

 なお、上位陣は3ラウンドすべてで入れ替わる激戦で、香港大会はオーストラリア、フィジー、フランスがトップ3を占めたが、ドバイ大会では南アフリカ、アイルランド、ニュージーランドが1~3位を獲得。さらにケープタウン大会ではサモア、ニュージーランド、アメリカに入れ替わった。第4ラウンドのハミルトン大会を制するのはどこか、注目だ。

 

 

ハミルトン大会登録メンバー

女子セブンズ日本代表:

1中村知春(58)、2梶木真凜(9)、3小笹知美(23)、4水谷咲良(8)、5三枝千晃(7)、6大谷芽生(9)、7平野優芽*(31)、9内海春菜子(4)、10永田花菜(16)、11原わか花(15)、12須田倫代(7)、14吉野舞祐(2)、15辻崎由希乃(1)

 

男子セブンズ日本代表:

2中川和真(17)、4古賀由教(6)、⑤副島亀里ッラボウラティアナラ(48)、6福士萌起(14)、8野口宣裕(21)、9林大成*(33)、11津岡翔太郎(14)、17奥平湧(5)、18石田大河(10)、22中村悠人(0)、23松本純弥(1)、24大内錬(0)、25植田和磨(0)

注:* はキャプテン、名前のあとの数字はキャップ数