日本代表で台頭著しいテビタ・タタフ選手が今季終了後、フランスTOP14で新しい挑戦に臨むことが決まった。

 タタフ選手はアメリカ領サモア出身のトンガ育ち。目黒学院高校から東海大学へ進学したが、高校日本代表、U20日本代表に選出された経歴を持つ。大学在学中だった2016年4月に韓国代表戦で日本代表にデビュー。2019年に大学を卒業すると旧トップリーグのサントリー(サンゴリアス前身)に加入し、2020年1月からのシーズン初戦から出場機会を得てきた。リーグワン初年度となった昨季は、プレーオフ決勝を含めて11試合に出場して6トライをマークした。

 日本代表では2021年6月の欧州遠征に選出されると、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ戦でリザーブから出場してインパクトのあるプレーを披露。昨年はウルグアイ代表第1戦、フランス代表第1戦、秋のニュージーランド戦、イングランド戦には先発出場するなど現在までに15キャップを獲得し、突破力のあるプレーで代表チームに定着しつつある。

 年明け早々に27歳になったタタフ選手は、新天地はユニオン・ボルドー・ベグル。2006年にスタッド・ボルドゥレとCAボルドー・ベグル・ジロンドの地元2クラブが統合されて誕生した。2011年に下部リーグからTOP14に昇格したが、優勝歴はない。昨年9月に始まった今季はここまで8勝1分け6敗で4位。

 タタフ選手はクラブを通じて、「このチャンスをつかみ取り、サンゴリアスで学んだことを活かして成長した姿を見せられるように、ベストを尽くしたい」と新たな挑戦への思いを語った。

 サンゴリアスの大久保尚哉ジェネラルマネージャー(GM)は、「彼がチームを離れることはチームにとっては大きな痛手」としながらも、「このチャレンジが彼自身の成長につながると信じている。ワールドカップも大きなチャレンジになると思うし、ボルドーでも大きく成長した姿を見せてくれると期待している」とコメント。日本復帰の折には、「ぜひサンゴリアスに戻ってきてくれることをチーム一同願っている」と述べた。

 ボルドーの公式サイトでも1月12日にタタフ選手加入が発表され、新天地への合流は今秋のラグビーワールドカップ終了後の予定で、期間は2シーズンとしている。

 サンゴリアスは昨季のリーグワンではプレーオフ決勝で埼玉ワイルドナイツに敗れて2位。今季は現在までに3節を終えて2勝1敗で3位に付け、今週末14日にはアウェイで4位のコベルコ神戸スティーラーズと対戦。タタフ選手も8番で先発に名を連ねている。

タタフ選手は、移籍前最後のシーズンとなる今季への思いを吐露。「今はまだ先のことは考えず、今シーズン、サンゴリアスがリーグワンで優勝できるようにベストを尽くしたい」と語った。