来年のラグビーワールドカップのプール戦でも対戦するイングランドとの一戦に、ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは10月29日のニュージーランド代表戦の先発をほぼ踏襲。変更は11番のみで、オールブラックス戦ではリザーブ出場だったWTBゲラード・ファンデンヒーファー選手を先発にして、WTBシオサイア・フィフィタ選手をリザーブに入れ替えた。

 日本代表指揮官はファンデンヒーファー選手の起用について、イングランド戦が「キックの多い試合になると思う」と展開を予想して、「ゲラードはキックに対してしっかりしたスキルがある。対応に期待している」と説明した。

 また、リザーブには負傷から回復したFLピーター・ラブスカフニ選手、ヴィンピー・ファンデルヴァルト選手ら国際試合の経験が豊富な顔ぶれを加えた。経験の浅い堀越康介選手、木津悠輔選手らとともに、途中出場からチームを支える。

 ラブスカフニは10月1日のオーストラリアA代表との3連戦の初戦以来、ファンデルヴァルト選手は10月14日の3連戦の最終戦以来の試合となる。

 日本代表はオールブラックス戦後に欧州へ渡航。イングランド(12日)、フランス(20日)との対戦へ現地で調整を重ねてきた。

一方のイングランドは、11月6日にホームのトゥイッケナムでアルゼンチン戦を29-30で落として、13年ぶりの黒星となった。

 だが、ジョセフ日本代表ヘッドコーチは世界ランキングで5位で、自分たちより5ランク上に位置する相手への警戒を緩めてはいない。

 「イングランドにとっては、先週の試合がこの秋のテストシリーズでの初戦だった。1試合目は難しいものだし、敗戦から学んでいるはず。自分たちのホームでの試合でもあるので、強みでもあるフィジカリティを出して力を発揮してくるだろう」と話す。

 「今回、我々が対応すべき相手は2つ。一つはイングランド代表チーム、もう一つは相手の観客だ。しっかり準備しないと会場の雰囲気に飲み込まれてしまう」と指摘しているが、日本代表指揮官はすぐに続けてこう言った。

「だが、我々は8万人の前でプレーする準備はできている。ワクワクしている。自分たちのラグビーをしっかり出して相手にプレッシャーをかけていけばチャンスはあると思っている」と述べた。

 イングランド代表のエディ・ジョーンズヘッドコーチは、「先週のパフォーマンスから改善すべく、今週はハードワークをしてきた。試合へ向けての準備には満足している。日本はとても良いチームで、継続性とチームの結束をベースにしたユニークなスタイルのラグビーをする。我々はベストな状態で臨まなければならない」とコメントしている。

 日本とイングランドは、来年フランスで行われるワールドカップで、9月17日のプールD第2戦で対戦することが決まっている。

 

日本代表 イングランド代表戦試合登録メンバー:

1 稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、43キャップ)

2 坂手淳史*(埼玉パナソニックワイルドナイツ、31)

3 具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ、19)

4 ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、5)

5 ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ、10)

6 リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京、76)

7姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ、23)

8 テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス、13)

9 流 大(東京サントリーサンゴリアス、28)

10 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ、5)

11 ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、4)

12 中村亮土(東京サントリーサンゴリアス、31)

13 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、8)

14 松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス、45)

15 山中良平(コベルコ神戸スティーラーズ、25)

リザーブ:

16 堀越康介(東京サントリーサンゴリアス、5)

17 クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、7)

18 木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ、5)

19 ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks、20)

20 ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、13)

21 齊藤直人(東京サントリーサンゴリアス、9)

22 李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ、4)

23 シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ、10)

注: * 印はキャプテン 所属の後の数字はキャップ数

 

イングランド代表 試合登録メンバー:

1 Ellis Genge

2 Luke Cowan-Dickie

3 Kyle Sinckler

4 David Ribbans

5 Jonny Hill

6 Maro Itoje

7 Tom Curry

8 Sam Simmonds

9 Jack van Poortvliet

10 Marcus Smith

11 Jonny May

12 Owen Farrell*

13 Guy Porter

14 Jack Nowell

15 Freddie Steward

リザーブ

16 Jamie George

17 Mako Vunipola

18 Joe Heyes

19 Alex Coles

20 Billy Vunipola

21 Ben Youngs

22 Henry Slade

23 Manu Tuilagi

注:* 印はキャプテン