2016年リオデジャネイロ・オリンピックで男子英国代表を銀メダルに、2018年ワールドカップセブンズで男子イングランド代表を準優勝に導くなど、ヘッド・オブ・イングランドセブンズとして2020年まで多くの実績を残したサイモン・エイモーヘッドコーチ。その手腕を買われて、2021年から務めたセブンズ日本代表のテクニカルディレクターから男子セブンズ日本代表のヘッドコーチに就任したのは今年9月29日だった。

そのエイモーコーチの下、香港セブンズはチームが新たなメンバー構成で臨んだワールドシリーズ今季の初戦だったが、11月4日のプールCでフィジー代表に12-59と敗れて黒星スタート。翌5日のアメリカ代表戦は22-35、スペイン代表戦は19-33と連敗し、プール4位で9位決定戦準々決勝に臨んだ。

そこでエイモーヘッドコーチの古巣でもある英国代表には0-29と完敗したが、13位決定準決勝でホストの香港代表に24-17と勝利を収め、今大会1勝を手にした。しかし、13位決定戦ではウルグアイ代表に10-33で敗れて14位でシリーズ初戦を終えた。

エイモーヘッドコーチは、「香港セブンズを初めて経験した選手も多く、常に学ぶことが多かった」と振り返った。

香港大会に臨む前に10月22、23日にはタイでアジアセブンズシリーズの第1ラウンドで就任後初の国際大会を経験した。

編成したチームにはトレーニングメンバーから昇格した薬師寺晃選手(横浜キヤノンイーグルス)と丸尾崇真選手(神奈川タマリバクラブ)のノンキャップ組や、古賀由教選手(リコーブラックラムズ東京)、宮上廉選手(東芝ブレイブルーパス東京)ら代表経験の浅い選手を積極的に採用。加納遼大選手(明治安田生命ホーリーズ)、林大成選手(日本ラグビー協会)ら代表経験豊富なメンバーと組み合わせた構成。新しいスタイルに取り組みながら10回のトレーニングセッションを経て参戦し、タイ大会を準優勝で終えていた。

そして臨んだ今回の香港セブンズでは、アジアシリーズのメンバーを中心にセブンズ代表キャップ44を数えるベテランの副島亀里ララポウラティアナラ選手(日本ラグビー協会)、代表戦デビューを期す栗原優選手(サムライセブン)を遠征メンバーに起用。アジアシリーズ決勝で19-36と敗れた香港代表に勝利し、ステップアップをうかがわせる結果を手にした。

 「素晴らしいマインドと実行力で香港チームに勝つことができた」とエイモーヘッドコーチは、チームを評価。「我々のチームは経験が浅く、ワールドシリーズ出場チームを相手に多くのミスをしたが、そこから学び、経験を得るための重要なレッスンとなった」と語った。

 男子セブンズ日本代表はこのあと、アジアシリーズ第2ラウンド韓国大会と第3ラウンドのドバイ大会、また、ワールドシリーズではドバイ大会、ケープタウン大会と戦いが続く。エイモーヘッドコーチは、「私たちの旅は始まったばかり」と指摘。「失敗から学び、成長、改善して、日本の誇りとなる絶好の機会」と話している。