日本はファンガレイで行われた15日のプールB第2戦でアメリカに17-30と逆転負けを喫し、今大会2戦2敗(勝点0)で4位と苦戦。決勝トーナメント進出には各プールで2位以内か各プール3位の中の上位2位に入らなければならない。
対戦相手のイタリアは16日にオークランドで行われた首位カナダとの対戦に12-22で敗れて1勝1敗で勝点5にとどまったが、勝点で並ぶアメリカを得失点差で上回って2位につけている。
日本が8強入りするためには、世界ランキング5位のイタリアからボーナスポイントを獲得して勝ち、このプールで3位に入ることが必要で、しかも大量得点で得失点差を克服しなければならない。
世界13位の日本にとってはランキング上位を相手に厳しい条件だが、LO高野眞希選手は、「絶対に勝たなくてはいけないし、得点の部分でも負けられない戦いになるので点差も気にしているが、やることは変わらない。いままで自分たちがやってきたことをどれだけ出せるか」だと冷静に語る。
チームは初戦のカナダ戦ではラインアウトで苦戦したが、第2戦のアメリカ戦では改善。試合開始早々にはラインアウトから攻め込んで先制トライも奪った。さらにスクラムも安定し、前半は相手を押し込みながら優勢に試合を進めた。だが、多くのトライチャンスを作りながら得点に結びつけることはできなかった。
高野選手は、「チャンスに取り切れないところはあったが、カナダ戦のときよりも自分たちのペースで、相手より早く上げることができたと思う」とラインアウトのプレーにも手ごたえを覚えている。
2017年大会にも出場し、今大会2試合に5番をつけて先発している高野選手は、イタリア戦での勝利にもラインアウトが鍵になると指摘する。
「イタリアはシックスネーションズで戦っている分、ラインアウトはすごくうまい」と警戒するが、「敵陣で自分たちが一番強いエリアで戦うためにもラインアウトがすごく重要になる。FWがラインアウトで取ってマイボールを継続したい」と話し、譲るつもりはない。
そして、サポートのタイミングやボールを手放すタイミングなど細かい部分を「丁寧にやる」ことでチャンスを得点につなげ、「相手のモメンタムを殺すようなディフェンスをしたい」と意気込んでいる。
ルイース・ダルグリーシュ女子日本代表アシスタントコーチは、イタリア戦は大量得点が求められるが、「トライをするためには適切なエリアでチャンスを作り、正しい判断をする必要がある。それさえ忘れなければ、トライに持ち込む力は十分ある」と語り、ボーナスポイントや得点を取ることを意識し過ぎず、スキルを発揮してチャンスを作り、得点につなげたいと話している。
隙を作らない
チームは第2戦終了後、イタリア戦を戦うオークランドへ移動。選手たちはカフェや日本食の店に出かけ、ローンボウリングにも挑戦してリフレッシュもできているという。
LO川村雅未選手は今大会初出場の機会を心待ちにしている一人だが、試合を外から見て日本が通用する点や強みを確認し、試合を重ねるごとにチームのプレーが改善できていると感じている。
「一戦目はラインアウトのミスが多かったが、細かい部分を修正することで少しずつよくなってきているので、三戦目はもっと良い準備ができて自分たちがやりたいアタックができると思う。プレーの選択は正確にやっていきたい」と語る。
「イタリア戦に勝てばベスト8に上がれる可能性もある。これまで試合に出られなかったメンバーもジャパンが勝つためにどうすべきか、考えて動いている。イタリアは大きくて起用な選手が多いので、自分たちがやることを明確にして隙を作らないようにプレーしたい」と話している。
日本とイタリアの試合は10月23日、オークランドのワイタケレで日本時間8:45(現地時間12:45)キックオフの予定だ。同じ会場での第2試合ではカナダとアメリカが対戦する。