2大会連続5度目の出場で1994年大会以来の8強入りを目指す女子日本代表だが、ニュージーランド北島のファンガレイで9日に臨んだプールB初戦では世界3位のカナダ代表に5-41で敗れて黒星発進となった。

 中5日で第2戦に臨むサクラフィフティーンにとって、この敗戦から心身ともに素早く立ち直り、次へ焦点を合わせていくことが第2戦で勝利を手にする鍵になる。

 チームは試合後、「望んだ結果ではなかった」(PR南早紀選手)と気落ちした様子を隠せなかったが、敗戦から2日後の11日にオンライン取材に応じたSO/CTB山本実選手は、明るい表情を見せて次戦への意気込みを口にした。

 「初戦は試合の入りがうまくいかずに点差もついて、みんながっかりしていたけど、試合後には『しっかり、リカバリーしよう』という声もかかっていた」と、痛い敗戦にも即座に第2戦を意識した対応ができつつあったと明かす。

 チームは試合翌日の10日は午前中にリカバリー中心で体を動かし、午後はオフとなった。ただし、アメリカとイタリアの試合映像を見て頭は動かし、次戦への準備に着手している。

 次の対戦相手のアメリカは9日の初戦でイタリアに10-22で敗れており、プール順位では首位のカナダ、2位のイタリアに続いて、アメリカが3位、日本は4位だ。15日の対戦は両チームとも初勝利を懸けた重要な一戦になる。

 山本選手は、「アメリカが次の試合に気合を入れてくることは分かっている。絶対に勝たなくてはいけない試合になるが、次へ向けてポジティブな気持ちで準備できている」と言う。

 昨年はウスター・ウォリアーズでもプレーした山本選手は、2017年大会では全5試合で司令塔を務めた。今回、後半途中出場となったカナダ戦の収穫を活かして、アメリカ戦に臨むつもりだ。

 「カナダ戦は、チームとして相手の壁が厚いところを攻めて自分たちが疲れてしまった。自分たちにはスキルがある。アタックのオプションをもう少し工夫できれば相手の嫌がるプレーができると思う」と語る。

 

第2戦へプレーを修正

 山本選手と所属のMIE PEARLSで同僚のFB庵奥里愛選手は、アメリカ戦の出場でワールドカップ初出場の機会を心待ちにする一人だ。

 「チームは前向き。いい雰囲気を作れている」と話し、自身についても「いつでも試合に出る準備はできている。出場したら自分のパフォーマンスをしっかり出せるようにしたい。イタリア戦からしっかり改善するところは改善して臨みたい」と語る。

 体格の大きな選手が多いアメリカは、カナダ同様かそれ以上にフィジカルとパワーを駆使してくることも予想されるが、身長160センチの庵奥選手はレスリー・マッケンジー体制で取り組んできたウェイトトレーニングの効果に自信を見せる。

「自分は小柄だが、ウェイトの数値も上がって怪我のない体づくりができている。テストマッチで大柄な選手と戦っても、ゲインできるようになっている」と手ごたえを口にする。そして、「外にボールを運んでもらえたら、スキルとフットワークを活かしたプレーをしたい」と意気込んでいる。

 マッケンジーヘッドコーチの右腕、ルイース・ダルグリーシュ女子日本代表アシスタントコーチも、選手たちの前向きな姿勢を歓迎している。

 「選手たちは試合後には結果や思うようにできなかったパフォーマンスにがっかりしているところはあったが、互いに支え合って次のアメリカ戦へフォーカスしていこうという雰囲気がある」と話す。

 自身もスコットランド代表SHとして2度のワールドカップを経験したダルグリーシュアシスタントコーチは、「こういう大会では最初の結果に引きずられ過ぎないことが大事」と指摘。初戦から次戦への修正と改善にも余念がない。

日本はカナダ戦ではペナルティが増えて、それが相手の強みを発揮させることになった。その規律の部分や適格なプレー判断でのフィールドマネジメントなど、「試合のディテールを修正して、チャンスを活かしてプレーできるようにしなければならない」と語る。

「ハンドリングスキルを活かしてボールを動かし、コンタクト、アタックでより正確に強くプレーできるようにしたい。相手に簡単にボールを与えて簡単にプレーさせないことが大事になる」と女子日本代表アシスタントコーチは話している。

 日本のプールB第2戦のアメリカ戦は10月15日、ファンガレイにて日本時間13:30(現地時間17:30)キックオフの予定だ。