イングランドや英国代表オリンピックチームで指導者として手腕を発揮し、昨年12月から男女セブンズ日本代表のテクニカルディレクターとして日本で7人制の強化に尽力してきたサイモン・エイモー氏が、男子セブンズ日本代表新ヘッドコーチを率いることになった。

 ロンドン出身のエイモー氏は選手として15人制と7人制を経験、2001年から2007年まではイングランドセブンズ代表で主将もつとめ、2004年にはワールドラグビーのセブンズ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得した経歴の持ち主だ。

その後15人制では2008年からロンドン・スコティッシュで選手兼コーチとして指導者の道に入ると、2020-2021年にはイングランド代表でアタックコーチとしてエディ・ジョーンズ体制を支え、2021年には香港代表のヘッドコーチも務めた。

コロナ禍での活動で制約もある中ながら、エイモー新ヘッドコーチは「優れた才能を持つ選手が何人か出てきた」と新たな戦力の出現を歓迎し、2024年パリ・オリンピック予選も兼ねるワールドラグビーセブンズシリーズ新シーズンについて「おそらくこれまでで最も激しいシリーズになる」と予測した。

43歳の新指揮官はしかし、厳しい環境はチーム成長の好機でもあると指摘する。

「どの大会でもハードワークや世界基準、日々成長を望む気持ちを通じて、我々には成長の絶好の機会となる。また、今後のアジア競技大会やオリンピックアジア予選で勝利する、最高のチャンスを作りだすことになる」とコメントした。

9月30日から新体制で合宿を行い、10月22-23日にバンコクでの第1ラウンドでスタートするアジアラグビーセブンズシリーズに備える。アジアシリーズはその後11月12-13日に韓国、11月26-27日にUAEで開催され、3つのラウンドで総合優勝を競う。

一方、ワールドシリーズ2023は香港での第1戦の後、12月にドバイ、ケープタウン大会を実施し、来年5月20-21日にロンドンで行われる第11戦まで戦いが続く。

 日本協会の徳永剛ナショナルチームディレクターは、新体制の目標について「五輪アジア予選を勝ち抜いてパリ五輪でメダルを獲得すること」と明言した。

エイモー氏が今年1月からチームのワールドシリーズ参戦に帯同し、日本の文化や日本人の特徴を理解している点に言及して、「日本の強みを最大限に活かす、セブンズスタイルの確立を目指してくれている。リオ五輪でも英国代表を短期間でまとめ上げ、銀メダルを獲得したエイモー氏の手腕に期待している」と述べている。