女子日本代表は、今回の南アフリカ代表との2連戦に続いて8月にはアイルランド代表との2連戦を行い、10月にニュージーランドで行われるワールドカップへ向けて強化を図る。
世界ランキングでは日本の12位に対して、日本同様にワールドカップ出場が決まっている南アフリカは13位で、アイルランドは7位。本大会で世界5位のアメリカ、同4位のカナダとの対戦が決まっている日本にとって、フィジカルやセットプレーの強さを持った南アフリカとの対戦は良い準備になる。
マッケンジーヘッドコーチは、「自分たちより大きなボールキャリアーがいて、南アフリカはフィジカルなゲームをしてくると予想している。ボールをできるだけ動かして自分たちがやりたいラグビーをしたい。カナダやアメリカとの対戦を考えると、いいシリーズになると思う」と期待を示した。
試合メンバーは、5月のオーストラリア遠征で勝利したフィジー戦のメンバーが中心で、9番と10番のコンビもその試合と同じSH阿部恵選手とSO今釘小町選手のペアを起用した。
バックスはほぼ同じ顔触れながらポジションを入れ替えて、フィジー戦やその後のオーストラリア戦で14番を務めた名倉ひなの選手が11番に入り、14番は代表初キャップとなる磯貝美加紗選手が務める。フルバックには、5月のテスト2試合でWTBやCTBでプレーした俊足の松田凛日選手が入り、ワールドカップ4大会に出場した父の努氏と同じポジションで出場する。
リザーブには代表デビューを待つ川村雅未選手と向來桜子選手が名を連ねた。キャプテンはこれまで同様に、PR南早紀選手が務める。
マッケンジー指揮官は、「まだいろんな選手を広く選ぼうとしていて、我こそはと手を挙げている選手にチャンスを与えている」と説明。「グループとしてやってきたことや学んだことを新しく入った選手とも共有して、みんなが同じページを見られるようにしたい」と語った。
7月10日からの釜石での合宿で、新型コロナウィルス陽性者が選手やスタッフを合わせて10人出ている。5月のオーストラリア遠征でも陽性者が出て、メンバーのやりくりに苦労しながら、フィジーとオーストラリアとのテストマッチに2連勝した。
サクラフィフティーンの指揮官は、「これまでも予期しないことがあったが、そういう時はいかに自分たちに反映させてチャンスにするか、チーム内でたくさん話をする。この先も何でも起こり得ると思うので、今起きてくれてラッキーだと思う」と述べて、これもワールドカップへの準備になると示唆した。
2019年に現体制をスタートして以来、サクラフィフティーンはこれまですべてのテストマッチを海外で行ってきた。今回は女子15人制テストマッチとしては5年ぶりの国内開催となる。
マッケンジーヘッドコーチは、「女子ラグビーを見てもらういい機会。この数年、積み上げてきたものがある。日本チームのスキル、フィットネス、アタックなどユニークさがある。ターンオーバーするためのプレッシャーなどは女子ラグビーの面白さ。ぜひ見てもらいたい」と話した。
南アフリカ代表とは日本は今回が初顔合わせで、7月30日(土)には第2戦を埼玉県熊谷で行う。その後、アイルランド代表と8月20日(土)に静岡エコパスタジアム、8月27日(土)に東京の秩父宮ラグビー場で対戦する。
女子日本代表 南アフリカ代表戦第1戦試合メンバー
1南 早紀*(横河武蔵野アルテミ・スターズ、21キャップ)
2永田虹歩(国際武道大学女子ラグビー部、4)
3北野和子(MIE PEARLS、4)
4玉井希絵(MIE PEARLS、9)
5吉村乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/立正大学、2)
6齊藤聖奈(MIE PEARLS、27)
7長田いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、12)
8小西想羅(横河武蔵野アルテミ・スターズ、4)
9阿部 恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA、6)
10今釘小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/立正大学、6)
11名倉ひなの(横河武蔵野アルテミス・スターズ、7)
12中山潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ、4)
13古田真菜(東京山九フェニックス、11)
14磯貝美加紗(ながとブルーエンジェルス、-)
15松田凛日(日本体育大学ラグビー部女子、2)
リザーブ:
16ラベマイまこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ、13)
17鈴木実沙紀(東京山九フェニックス、27)
18左高裕佳(弘前サクラオーバルズ、8)
19川村雅未(RKUグレース、-)
20永井彩乃(YOKOHAMA TKM、6)
21安尾琴乃(BRAVE LOUVE、1)
22山本 実(MIE PEARLS、17)
23向來桜子(日本体育大学ラグビー部女子、-)
注:* はキャプテン、所属のあとの数字はキャップ数
南アフリカ代表 第1戦試合メンバー
1ヨネラ・リンゴーロ(Border Ladies、14キャップ)
2リンディル・グワラ(Cell C Sharks、14)
3ババルワ・ラチャ(DHL Western Province、13)
4ノロシンディソ・ボイ*(DHL Western Province、27)
5レラト・マクア(Blue Bulls Women、2)
6ルサンダ・ドゥンク(Border Ladies、12)
7シナーズ・ンカチュラ(DHL Western Province、12)
8アゼア・ハレ(Boland Dames、9)
9ルマンディ・ポトヒテール(Blue Bulls Women、-)
10リビー・ヤンサファンレンズバーグ(Blue Bulls Women、6)
11シマンケーレ・ナンバ(DHL Western Province、2)
12アヴィウェ・ングウェブ(Border Ladies、9)
13ズィンレ・ムプハ(DHL Western Province、11)
14ノマウェト・マベンゲ(EP Queens、6)
15ナディーン・ルース(Blue Bulls Women、4)
リザーブ:
16ミキ・グンター(Cell C Sharks、1)
17サネリスィウェ・チャーリー(EP Queens、2)
18モニカ・マジブクワナ(EP Queens、-)
19ライツ・ムカリ(Blue Bulls Women、5)
20ノコボンガ・シコ(DHL Western Province、1)
21ウナン・トセ(Border Ladies、7)
22ティラ・キンズィ(Cell C Sharks、19)
23トゥミサ・カウェ(DHL Western Province、6)
注:* はキャプテン、所属の後の数字はキャップ数