6月のウルグアイ代表との2連戦に第1戦は代表候補選手によるNDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)、第2戦は代表スコッドで臨んで2連勝を収めた日本代表が「リポビタンDチャレンジカップ2022」のテストシリーズで次に臨むのは、今年のシックスネーションズで全勝優勝を飾り、世界ランキング2位のフランス代表だ。

来年のラグビーワールドカップ開催国として着々と準備を進めるフランスは、昨年11月のニュージーランド代表との勝利を含めて現在8連勝中。2日の日本戦で勝てばチームは新たな連勝記録を手にすることになる。

 その相手に、世界ランキングで10位の日本代表は先週末のウルグアイ代表第2戦から先発メンバー7人を変更。6月18日のウルグアイ代表との第1戦で好プレーを見せたLOヴィンピー・ファンデルヴァルト選手、NO8テビタ・タタフ選手、SH茂野海人選手を起用。さらに、先週の第2戦でリザーブとしてインパクトを与えたPRヴァル アサエリ愛とCTB中野将伍選手が3番、12番を付ける。同じく先週末に後半途中からの出場で代表初キャップを獲得したSO李承信選手が、今回は10番を付けることになった。

 李選手は当初リザーブの予定だったが、先発予定だったSO山沢拓也選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が体調不良となり、李選手が代表2戦目でスタートから司令塔を務める機会を得た。

山沢選手を含めてHO堀江翔太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、SH齋藤直人選手(東京サントリーサンゴリアス)、FB野口竜司選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は抗原検査で新型コロナウィルス陽性となり、チームから離れて隔離された。また、負傷を抱えていたFLピーター・ラブスカフニ選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)も離脱した。チームは追加招集で対応。フランス戦で22番を付けてリザーブに入るCTBシェーン・ゲイツ選手もその一人だ。

リザーブにはノンキャップのPR森川由起乙選手とWTB髙橋汰地選手の二人が名を連ね、代表デビューの機会を待つ。また、先週末の試合で初キャップを獲得したLOワーナー・ディアンズ選手は今回交代出場でインパクトを与えることになる。

 日本代表PR稲垣啓太選手は、「フランスはセットプレーが強い。スクラムには誇りを感じるし、ラインアウト、モールから相手のペナルティを奪い、チームに勢いをもたらす」と警戒。しかし、「しっかり準備してきたものを出せるようにしたい」と話す。

 負傷者や体調不良の選手が多いチーム状況についても、「選手層を厚くするために前から準備してきたので、混乱はない」と言い切る。

 髙橋選手は過去2度の遠征参加では出場機会がなかっただけに、今回3度目の参加でつかんだ初キャップのチャンスに、「相手は強く、非常にプレッシャーのかかる試合だが、地元で出られるのはうれしい。自分の良さのスピードや走り負けないこと、ハードワークをしっかり出したい」と意気込んでいる。

ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、「フランスはとても良いチーム。違うタイプの試合になる。自分たちには大きなチャレンジになるが、選手一人ひとりにしっかりプレーしてほしい。練習で取り組んできたことを試合で見れるのが楽しみだ」と語った。

 

フランス主将オリボン選手、「準備はできている」

 フランス代表は、シーズン後の休暇で不在の主力選手もいるものの、先発には2019日本大会に出場したFLシャルル・オリバン選手、CTBヴィリミ・ヴァカタワ選手、WTBダミアン・プノー選手をはじめ、全勝優勝したシックスネーションズでプレーしたFBメルヴィン・ジャミネ選手の名が並ぶ。

 初キャップとなるLOトマ・ジョルムス選手とNO8ヨアン・タンガ選手も起用し、リザーブにも出場すれば代表デビューとなる選手一人を含め、これが代表2戦目、3戦目という経験の浅い選手4人を含めた比較的若いチームでの編成だ。

 フランス代表のファビアン・ガルティエ監督は、「結果はもちろん大事だが、どんなパフォーマンスをするかが大事。選手はこの機会を掴もうとしている。非常にモチベーションは高い」と話した。

 現在日本は熱波の中になり、試合当日も厳しい暑さの中での試合が予想されているが、オリバン選手は、「練習してきて準備はできている。自信を持って試合に臨める」と問題視していない。

 オリバン選手は、怪我で復帰した2019年ワールドカップ日本大会では、チームは敗れたものの準々決勝のウェールズ戦でトライを決める活躍をした。今回も負傷明けでの日本での試合で、「日本にはいい思い出がある。今回のツアーにも参加できて、チームとして一緒に練習してきた。もっと良い思い出ができるようにしたい」と語った。

 両者の対戦成績はフランスの9勝1分け。

 

 

日本代表フランス代表第1戦試合メンバー

1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、40キャップ)

2坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ、28)

3ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ、21)

4ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪、19)

5ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ、7)

6リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京、73)

7ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ、3)

8テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス、10)

9茂野海人(トヨタヴェルブリッツ、14)

10李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ、1)

11シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ、7)

12中野将伍(東京サントリーサンゴリアス、3)

13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、5)

14ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、1)

15山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ、22)

リザーブ:

16橋本大吾(東芝ブレイブルーパス東京、2)

17森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス、-)

18垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス、10)

19ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、2)

20ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、3)

21中嶋大希(コベルコ神戸スティーラーズ、3)

22シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安、1)

23髙橋汰地(トヨタヴェルブリッツ、-)

注:* はキャプテン 所属のあとの数字はキャップ数

 

フランス代表第1戦試合メンバー

1ジャン・バティスト・グロ(RC Toulon、19)

2ペアト・マウバカ(Stade Toulousain、14)

3デンバ・バンバ (Lou Rugby、23)

4ティボー・フラメント(Stade Toulousain、7)

5トマ・ジョルムス (Union Bordeaux Begles、0)

6ディラン・クレタン (Lou Rugby、18)

7シャルル・オリボン* (RC Toulon、23)

8ヨアン・タンガ (Racing 92、0)

9マキシム・ルク (Union Bordeaux Begles、7)

10マチュー・ジャリベール (Union Bordeaux Begles、15)

11マティス・ルベル (Stade Toulousain、2)

12ヨラム・モエファナ (Union Bordeaux Begles、6)

13ヴィリミ・ヴァカタワ (Racing 92、30)

14ダミアン・ペノー (ASM Clemont Auvergne、32)

15メルヴィン・ジャミネ (USA Perpignan、11)

リザーブ:

16ピエール・ブルガリ (Stade Rochelais、5)

17ダニー・プリソ (Stade Rochelais、14)

18シピリ・ファラテア (ASM Clermont Auvergne、2)

19トマ・ラヴォー (Stade Rochelais、0)

20セレバシオ・トロフア (Stade Toulousain、1)

21セコウ・マカルー (Stade Francais Paris、6)

22バティスト・クイユー (Lou Rugby、8)

23アントワーヌ・ハストワ (Section Paloise、1)

注: * はキャプテン 所属のあとの数字はキャップ数