3月19日のリーグ戦第10節でスピアーズが43-28で勝利して以来の顔合わせとなったスピアーズとブレイブルーパスの対戦は、緊迫感の漂う僅差の試合となった。

 シーズン序盤の苦戦を克服して6連勝でレギュラーシーズン4位に入ってプレーオフに進出したブレイブルーパスは、24-30で敗れた先週の東京サントリーサンゴリアスとの準決勝からメンバーを大きく変えて臨み、キックを効果的に使って攻撃を畳みかけ、相手にプレッシャーをかけた。

 スピアーズは、負傷回復したジョージア代表HOジャバ・ブレクバゼ選手を先発に起用するなどメンバー変更は4人に留め、後半相手に振り切られたワイルドナイツとの準決勝(10-24)から修正。相手の攻撃に対しても安定感のあるプレーで勝利を引き寄せた。

 先制したのはブレイブルーパスで、7分にWTBセタ・タマニバル選手がトライ。さらに4分後にはSO松永拓朗選手が、相手の裏に出たこぼれ球に反応してインゴールに持ち込んで5点を加え、コンバージョンも決めて12-0とリードを奪った。

 しかし、スピアーズは18分から反撃を開始。自陣でのスクラムを起点にFWがプレッシャーをかけ、SOバーナード・フォーリー選手が相手守備陣の裏へキックパス。CTBライアン・クロッティ選手がつないで、FBゲラード・ファンデンヒーファー選手が足を活かしてインゴールへ走り切った。

さらに27分には、ハーフウェイライン付近のラインアウトから細かいパスをテンポよくつないで攻め込み、相手守備陣を翻弄してWTB山崎洋之選手がトライを決め、フォーリー選手のコンバージョンも成功して12-12と追いついた。

 その後、36分に松永選手のPGでブレイブルーパスに再びリードを許したが、その2分後に、敵陣22メートルライン付近のスクラムを起点に再びパスを展開。最後は山崎選手が抜け出して、この日2本目のトライで17-15と逆転。スピアーズが17-15で前半を折り返した。

 後半も激しい競り合いとなったが、スピアーズは後半9分と27分にフォーリー選手のPGで得点を重ねて23-15とした。その後、後半20分に途中出場のオペティ・ヘル選手が危険なタックルがあったとしてイエローカードを受けて数的不利になったが、スピアーズは粘り強くプレー。相手に得点を許さず、最後まで8点リードを守り切って勝利を手にした。

 ブレイブルーパスも相手ゴールに迫る場面を作ったが、後半はペナルティが増えてチャンスをモノにすることができなかった。

 ブレイブルーパスの徳永祥尭キャプテンは「チャンスエリアで得点に結びつけるのが難しところがあった」と話し、トッド・ブラックアダーヘッドコーチは、「若手にこういうプレッシャーを経験させたいと臨んだ。勝つチャンスもあったが掴み切れず、学びとなった。大事な瞬間にスキルを遂行できるようにしたい。スコッドにはいいメンバーが揃っているので、これからどんどん良くなる」と語った。

 

立川主将、「チームの良い財産になった」

 スピアーズは2年連続でのプレーオフ進出で、昨年のベスト4から今季はチーム初の3位を獲得した。

 キャプテンのCTB立川理道選手は、3位という結果には「満足ではない」としながらも、「チームには若い選手も多い。プレーオフ2試合を経験できたことがチームにとって、いい財産になった。反省するところもたくさんあったので、しっかりレビューして、この経験をしっかり来季に活かせるようにしたい。」と話した。

 スピアーズのフラン・ルディケヘッドコーチは、「エキサイティングなRをして勝利で結果に結びつけることができた。ハードワークが実ったし、こういうファイナルステージという舞台に慣れてきたところもある。入りは良くなかったが試合中に修正して、カルチャーや信頼を見せて、重要な場面でもプレッシャーに対してしっかり対応できた」と語った。

 指揮官はさらに、「チームとしてスクラムは成長した。プレーオフのような試合ではセットプレーは重要で、今日の試合でも、自陣22メートル内でも7人でボールを確保できたのは大きかった」と振り返った。

「より良い結果で終わりたい」と話していたすピアーズのFLピーター・ラブスカフニ選手は、「最後の10分をしっかりやろうと一人ひとりが、さらにひと踏ん張りした。勝利はチーム全体のハードワークの結果。準決勝で負けたあとはがっかりしたが、自分たちの信じているところに立ち戻って、チームとしてファンのためにも自分たちのプレーを示そうとした」と語った。

2016年からスピアーズでプレーし、この試合でトップリーグから通算50キャップを獲得したラブスカフニ選手は、「すべてのエリアで修正ができて細かいところでレベルが上がっていると思う。チームカルチャーも伸びてきた」として、チームの積み上げが成長につながっていると指摘していたが、それを結果で示したシーズンとなった。

入れ替え戦、相模原が昇格

 ディヴィジョン1(D1)とディヴィジョン2(D2)の入れ替え戦第2戦が28日、大阪の花園ラグビー場で行われ、D2で3位の三菱重工相模原ダイナボアーズがD1で10位のシャイニングアークス東京ベイ浦安に33-19で勝利し、2連勝で来季のD1昇格が決定した。アークスはD2降格となった。

 また、東京の夢の島ではD2とディヴィジョン3(D3)の入れ替え戦が行われ、D3で2位の清水建設江東ブルーシャークスがD2で6位のスカイアクティブズ広島に53-19で勝って、2連勝でD2昇格を手にした。広島は来季D3でプレーすることになった。