レギュラーシーズンを1位で終えたサンゴリアスと、4位で終えたブレイブルーパスは、今季の対戦は1勝1敗。1月の開幕節にはサンゴリアスが60-46で勝っていたが、5月1日の第15節にはブレイブルーパスが27-3で勝利してプレーオフ進出へ大きく前進した。

サンゴリアスのミルトン・ヘイグ監督が「いつも難しい試合になる」という今季3度目の両者の顔合わせもタフな競り合いとなったが、サンゴリアスが要所で勝利強さを発揮して勝利を手にした。

 前半はシーソーゲームの展開だった。

先制はブレイブルーパスで前半17分にSO中尾隼太選手のPGで3点を先行。しかし、24分にはサンゴリアスWTB尾﨑晟也選手が自陣でのインターセプトから80メートルを独走してトライを奪い、逆転した。

 だがその直後にブレイブルーパスも反撃。ゴール前のラックからLOジェイコブ・ピアス選手が持ち出して5点を決めて、31分にサンゴリアスにPGで10-10とされたが、36分にはキックを活かして攻めると、ラックから持ち出したSH小川高廣選手がトライを決めて17-10とした。

 しかしサンゴリアスは前半終了間際に粘り強さを発揮。ニュージーランド代表FBダミアン・マッケンジー選手がステップで相手を交わして攻め込み、パスをつないで最後は左サイドでフォローに入ったPR石原慎太郎選手がトライ。マッケンジー選手がコンバージョンを成功させて17-17で前半を折り返した。

 後半開始早々、ブレイブルーパスがラインアウトを起点に小川選手がこの日2本目のトライを決めて再び24-17とリードを奪ったが、サンゴリアスはプレッシャーをかけて点差を詰める。

ペナルティを得てマッケンジー選手がPGを2本決めて1点差に詰め寄ると、後半19分にはゴール前のラックからCTB中村亮土選手が飛び出してインゴールに持ち込んで逆転。マッケンジー選手がコンバージョンを決めて30-24とした。

 サンゴリアスはその後もプレッシャーをかけ続け、ブレイブルーパスはラインアウトでミスが続いて5本連続で失敗。得点機につなげることができないまま、タイムアップを迎えた。

 

POMはマッケンジー選手

 「今季ずっとハードワークを続けてきたので勝ててうれしい」と、試合後に笑顔を見せたマッケンジー選手は、この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。ニュージーランド代表40キャップのFBは80分を通じて攻守にハードワークを披露。後半には勝利を引き寄せるPG2本を含めて、キックで15得点をもたらした。

マッケンジー選手は、「東芝は素晴らしいチームで、今日も厳しい試合になったが、前回の対戦で学ばせてもらった。チームは気合の入った良いプレーを見せた。チームメイトを誇りに思う」と語った。

 サンゴリアスSH流大選手は、「前半は風下で苦しい展開だったが、ドローで折り返したのがすごくポジティブだった。ラスト20分で勝てると信じていたので、その辺を考えてプレーしていた」と話し、キャプテンの中村選手も「メンタル的にも慌てずにゲームプランを遂行できた。全体的にFWがすごく良かった。自分たちがやるんだという、チームをリードしていく気持ちが出ていた」と振り返った。

 

ブレイブルーパス小川主将、「冷静でなかった」

 ブレイブルーパスの小川キャプテンは、「フィジカルでは自分たちの方が上回っていると思っていたが、サントリーはこういう舞台に慣れていて冷静だった。自分たちはあまり冷静でないところがあった。ラインアウトに苦しんだが、もっと違う選択肢を選ぶべきだった」と話し、前半追いつかれた場面についても「もう一つ引き離せなかった」と残念がった。

 サンゴリアスは初代王座獲得まであと1勝と迫った。獲得すれば2017-2018シーズン以来のタイトルになる。

 流選手はトップリーグ最後のシーズンとなった昨季決勝でワイルドナイツに敗れて優勝を逃したことに言及。「去年の悔しさは忘れられない。1週間しっかりいい準備をして初代王者になりたい」と話した。

 決勝は5月29日、東京の国立競技場で開催される。