4月から5月にかけて行われたARC (旧アジア5カ国対抗)は領域の上位3チームがホームアンドアウェー形式で対抗する大会。前王者の日本代表の他に、韓国代表と香港代表の合計3カ国が出場する。
東京セブンズに続き仁川で開催された第1戦目の韓国代表戦を前にしていた日本代表は31人のスコッドと共に宮崎県の合宿へと向かった。5月2日は東京での香港戦、そのさらに1週間後は対韓国代表戦がホームの福岡県で行われた。 5月23日はアウェーで行われる大会最終試合、香港代表戦に臨んだ。
「ARCはチームの基礎を強化しながら自信をつける機会です。RWC2015が近づく一方、今大会はこの先のより困難なテストマッチへの良い踏石となるはずです。」
RWC2015までの日本代表の試合日程は7月と8月に行われる、「ワールドラグビー パシフィック・ネーションズカップ」(PNC)での3試合とウルグアイとのダブルヘッダーの2試合がある。9月5日のグルジア戦はブライトンにて行われるRWCの第1戦対南アフリカ代表戦のちょうど2週間前となる。
""Our target is to make the quarter-finals at the Rugby World Cup.""
「RWCでは準々決勝進出が目標。」日本代表、 エディー・ジョーンズHC
世界ランキングでは、日本は同じプールBの対戦相手のスコットランドとサモアを下回り、現在11位に立っている。一方、16位のアメリカに比べては5ランク上である。スプリングボックスを破ることはどの日本代表の熱狂的ファンにしても程遠い夢に過ぎないかもしれない。しかし、サモア代表、スコットランド代表そしてアメリカ代表の3チームとの試合での白星は、2014年の10連勝の記録を取った時と同じフォームさえ見出すことができれば、ブレイブ・ブロッサムズズにとっても全て手の届く範囲内である。
日本代表はRWC出場チームのレギュラーではあるものの、1991年ベルファスト大会でジンバブエ代表を破った試合が大会唯一の勝ち星である。RWC2007、RWC2011では2大会連続してカナダと引き分けている。
「RWCでは準々決勝進出が目標。他のチームに比べて大きい選手が少ない日本は、一番強い選手を常にピッチに出しておくことがどうしても必要となります。実際にそうすることができれば、日本代表もRWCにふさわしい勢力のあるスコッドであるし、自信を持って大会に臨めばいい結果が期待できると信じています。」
ヘッドコーチの大きな存在
ジョーンズHCはスパーラグビーのため不在中のマイケル・レイチに代わって、スタンドインのキャプテンを宮崎の合宿で指名すると話した。
「もちろんARCには優勝したいが、今のチームの活動は全てRWCに向けて備えることが最終目的である。試合前日にハードなフィットネス訓練をして翌日の試合には苦戦をするかもしれないが、それがワールドカップでピークを迎えるのにベストなのであればそれを優先する。」
2014年にトライを欠かさず挙げ続けた藤田慶和選手がチームを世界のトップ10入りに導いた。ウインガーを務める藤田は18のテストマッチ出場で、22トライを挙げている。そんな21歳の”スピードスター”は早くも代表チームの功績をジョーンズHCに掲げた。
「エディーは日本代表チームに勝ち気と自信の大切さを教えてくれました 。技術やスキルをとことん観察し、常に細かいところまで見ています。そのおかげでチームとして成長し、改善することができました。2015年ラグビーワールドカップを心待ちにしています。」