2022年1月の発足予定の新リーグへ向けて各チームではスコッドだけでなく、フロントの強化が加速しているが、NECグリーンロケッツも強力なブレーンを獲得した。オーストラリア代表監督としてラグビーワールドカップ2015イングランド大会で、ワラビーズを準優勝に導いたマイケル・チェイカ氏を、ディレクター・オブ・ラグビーに迎えた。

NECは2003年度から今シーズンまでトップリーグに参戦しているが、2011年度の3位を最後に下降し、下位に低迷するシーズンが続いていた。

特に昨今は、ニュージーランド代表のSOボーデン・バレット選手(サントリーサンゴリアス)やTJ・ペレナラ選手(NTTドコモレッドハリケーンズ)、南アフリカ代表HOマルコム・マークス選手(クボタスピアーズ)、元スコットランド代表主将SHクレイグ・レイドロー選手(NTTコミュニケーションズ・シャイニングアークス)らワールドクラスの代表選手が続々と他チームに加入し、NECは苦戦を強いられた。

今季のリーグ戦では7戦全敗。プレーオフトーナメント1回戦で、下部リーグにあたるトップチャレンジリーグの豊田自動織機シャトルズに25-24で勝利したが、2回戦でサントリーに31-76で敗れて、シーズンを終えた。

この状況にNECは大改革に乗り出し、「チームビジョン、コンセプトなどを再構築し、一からチームビルディングを行うにあたり、実績豊富なディレクター・オブ・ラグビーをトップに、NECグリーンロケッツの変わらぬ戦い方を作り上げていく必要がある」として、オーストラリア代表以外にも、レンスターで2009年ハイネケンカップ優勝、ワラターズでは2014年スーパーラグビー制覇など、多くの実績を残しているチェイカ氏に白羽の矢を立てた。54歳のチェイカ氏は現在、13人制レバノン代表のヘッドコーチとして今秋のラグビーリーグワールドカップへ向けた準備に携わっているという。

「この新たな役割でNECの一員になることに心が躍っている」というチェイカ氏は、「NECの会社、コーチ陣、選手たちとともにNECグリーンロケッツのDNAを取り戻し、NECコミュニティに誇りと楽しさをもたらすことを切望している。NECラグビーと日本ラグビーにとってより明るい世界を描くために、全員で一緒になってハードワークすることを楽しみにしている」とコメントしている。