ラグビーにおける頭部損傷予防の継続的な向上に対するコミットメントを強調すべく、ワールドラグビーはニュージーランドラグビー、オタゴ大学そしてPrevent Biometrics社と共同研究を行い、女子、男子コミュニティーラグビー、そして年齢別ラグビーで発生する頭部衝突の性質と頻度について理解するための画期的な研究をスタートします。
スポーツにおけるゲームチェンジャーともなるべきこの研究には、コミュニティーラグビーでプレーする700名以上の成人男女、18歳以下、15歳、そして13歳以下のプレーヤーたちが参加し、4月16日にスタートします。
研究に参加するプレーヤーはそれぞれPrevent Biometrics社の「インパクト・モニタリング・マウスガード」(衝撃度の精度95パーセント以上を誇る)を装着します。オタゴ大学で行う一定条件下で収集されたデータを、タイムコードを埋め込んだ映像と組み合わせて分析するという、スポーツ界でのデータ収集では世界最大規模の比較可能データバンクを作成することが可能となります。
このマウスガードには、衝突が発生する度にそれをカウントし、その衝突の負荷、部位、方向、直線または回転運動についての情報をリアルタイムで収集し、ワイヤレスで送信するデータ収集システムが内装されています。
この研究により、試合中そしてトレーニング中に起こる衝突で脳にどのようなことが起きているかを測定し、通常のノンコンタクト活動の環境での状態と比較することができ、ワールドラグビーが、コミュニティーレベルにおける頭部衝突の性質についてより理解を深めることができます。これによって、あらゆるレベルのプレーヤーを研究主導で守ろうとしているワールドラグビーが外傷予防戦略を推し進めるための勧告に必要な情報を得ることができます。
ワールドラグビーのチーフメディカルオフィサー、Drイーナ・ファルビーは次のように述べています。「プレーヤーウェアは私たちにとって常に最優先事項です。委託研究や共同研究を継続的に行うことにより、スポーツにおける損傷について理解を深め、また、損傷の削減を目指して私たちができることについて知る、エビデンスに基づいた意思決定ができるようになります。」
「私たちはしばらくの間、センサーシステムが搭載されたマウスガード技術について検討してきました。そして今、センサー技術の高度な進歩により、頭部衝突とそれ以外によるインパクト、例えばジャンプしたときや大声で叫んだ時などに起きる衝撃とを区別できるようになりました。これはこの研究の完全性を担保する上で重要です。」
「この画期的な研究は、ワールドラグビーがニュージーランドラグビー協会、オタゴ大学そしてPrevent Biometrics社とのパートナーシップを組んで実施される大規模な共同研究であり、過小評価されるべきものではありません。男子、女子、年齢別など、コミュニティーラグビーの様々な環境での比較が可能となる最大規模の比較可能データが収集されます。」
「この重要かつユニークな共同研究に参加する3つの団体に感謝いたします。試合やトレーニングのすべてを同じ条件下で行うことで、データ分析に必要な重要なベンチマークが得られます。」
ニュージーランドラグビー、脳震盪研究学者、ダニエル・サーモン氏も次のように加えました。「この研究は素晴らしい取り組みであり、ニュージーランドラグビーは、プレーヤーウェルフェアそして傷害予防に関する世界有数の研究の最前線で活躍できることを光栄に思います。この研究は、男女を問わず、コミュニティーラグビーのあらゆるレベルにおいて発生する頭部衝突の発生頻度や性質についてより理解を深めるための基礎を構築する手助けとなるでしょう。」
「この研究の結果で、衝撃がどこに起こるのか、また誰が最もリスクが高いのかなどについて理解を深めることができ、コーチングや損傷予防、そしてゲームについてのより良い意思決定を下すことができるようになり、ラグビープレーヤーにとってできるだけ安全なゲーム作りが可能になります。」
この研究についての詳細は、今回初めてオンライン形式で開催し、1200名以上のラグビーファミリーが参加し最新情報や議論満載の一週間となった、ワールドラグビー主催「プレーヤーウェルフェア&競技規則シンポジウム」で発表されました。
このシンポジウムで講師を務めたメラニー・バッシー氏(オタゴ大学、体育・スポーツ&エクササイズサイエンス学部准教授)は次のように述べました。「ワールドラグビーとこのような大規模な共同研究を行えることは、ワールドクラスの実験設備を持つ当大学のエキスパート研究者たちにとって素晴らしい機会です。オタゴ大学は最高水準の研究を行っています。頭部衝突と損傷について正しく理解し、ウェルフェアと安全を向上させる方法を知るためには強健な科学分析が欠かせません。スポーツ学者として、私たちは世界中のプレーヤーのお役に立てることに大変ワクワクしています。オタゴ大学は、私たちの知識と専門的ノウハウをこの重要なパートナーシップで役立てていただけることを光栄に思います。」
Prevent BiometricsのCEO、マイク・ショグレン氏も次のように加えました。「この画期的な研究における頭部衝突監視システムにPrevent Biometricsが選ばれたことを大変光栄に思います。弊社の特許取得済みシステムは、様々な競技団体の頭部衝突研究の主導的独立機関によりその精度とデータの質について検証されています。Preventは、最高の装着感と着け心地のよさを誇るマウスガードで、使いやすく管理しやすくするシステムの開発にもフォーカスしています。正確かつ使いやすいデータは、ワールドラグビーのような競技統括組織がプレーヤーウェルフェアの向上を目指した意思決定を下す上で必須であり、また頭部衝突監視システムがより広範囲で活用できる方法を証明するために欠かせません。」
Prevent Biometricsのチーフサイエンスオフィサー、アダム・バーチPhD PEは次のように述べました。「ワールドラグビー は、プレーヤーウェルフェアにおけるリーダー的存在と捉えられるべき存在です。一流の学者や医師、そして研究者が構成するこの研究グループは、競技規則の改定やトレーニングの慣行、そして適切なテクニックを教えること、また、若年世代が後年、過度な衝突や危険なプレーを行うことのないよう若いプレーヤーを守る、といったワールドラグビーの目標を支援します。」
PREVENT BIOMETRICSについて: Prevent Biometrics社(米国ミネソタ州ミネアポリス)は2015年に創立。アスリートや兵士が経験する頭部衝突を正確にモニタリングし、衝突における健康と安全において、ステークホルダーがデータに基づく意思決定を下すことができるよう取り組みを始めました。クリーブランドクリニックで生まれ、実用化。そして特許を取得したPreventの技術は、衝突モニタリングソリューションの中でも高品質な技術を誇り、独立機関によるラボラトリーテスト、発表論文のピアレビュー(査読)、また世界中で使用されている技術として実証されています。http://preventbiometrics.com
Photos: Prevent Biometrics