ワールドラグビーの「プレーヤーウェルフェア&競技規則シンポジウム2021」がキックオフし、同団体の最高経営責任者アラン・ギルピン氏は、未来世代のためにより安全でより身近なゲームの発展に対する同国際統括団体のコミットメントについて再確認しました。

ギルピン氏は就任後初の公的な場での参加となった今回のシンポジウムで、2019年以来、シンポジウムから生まれた様々な進展に大変励まされている、初めてのオンライン及び一般公開となった2021年版でも、すべてのレベルにおける現役・元プレーヤー、そして未来のプレーヤーのウェルフェアの発展につながる重要点が特定されるだろうと述べました。

ギルピン氏は、「このシンポジウムは、ゲームをより安全なものにするための私たちの取り組みにとって極めて重要なものです。発足以来、このグループの目的は、ラグビーファミリーと第三者専門家が一堂に会して議論し、すべてのレベルにおける身体的健康やメンタルヘルスの向上に向けた戦略、また傷害リスクの軽減を目指すという最も重要な戦略を追求することです。この使命を果たすためには、議論の中で皆の声を聞く必要があり、ラグビーファミリーの誰もが発言し、果たす役割があります。私たちは皆様の声に耳を傾けていきます。」

ラグビーの目玉はエリートゲームであるものの、参加者の99パーセントはコミュニティーレベルの参加者です。コミュニティーラグビーでの傷害発生率はエリートラグビーのほんのわずかですが、120カ国以上の国々で展開している「Activate – 傷害予防運動プログラム」などのプログラムを今後も展開し、また研究を通じて、コミュニティーレベルにおける予防と教育に焦点を絞っていくとギルピン氏は述べています。

「私の職務へのアプローチは、一人のファンとして、親として、元プレーヤーとして、また運営者として携わることです。これまでの20年間にゲームは大きく発展しましたが、ここで立ち止まることはできません。ワールドラグビーは、今後も最新の科学的研究を推し進め、レビューし、取り入れ、現役プレーヤーや将来のプレーヤー、そして引退した元プレーヤーの皆さんの保護につながる専門知識と技術を開拓するため確固たる努力を怠りません。」

今、ラグビーにとって重要な時が来たとギルピン氏は信じています。世界的パンデミックがスポーツを全てのレベルで混乱に陥れ、若者はスポーツとの関わり方を再考している中、参加者や親の皆さんにとってラグビーが時代に沿った魅力的なスポーツであり続けることが必要です。同様に、医学的知見やテクノロジーの高度な発展がプレーヤー保護のさらなる向上の機会を提供してくれます。」

「新型コロナ感染拡大による休止状態からスポーツに復帰しようとしているプレーヤー、または初めてラグビーに参加しようと考えている人たちに、ゲームがもたらす膨大なベネフィットを享受してもらいたいと望んでいます。私たちは、老若男女、エリート・アマチュアを問わず、ラグビーが人生を良い方向に変えることができるスポーツだということを知っています。ラグビーはフィットネス、メンタルヘルス、そしてウェルビーイング全般を改善し、リーダーシップとしてのスキルを養い、チームワークが体現できます。また最も重要なこととして、これまであまりにも長い間離れ離れだった皆が繋がりを築くことができます。」

「医学や知識は常に進化しています。傷害リスクを更に軽減するため、ラグビーも共に進化していきます。また、プレーヤーが現役中または引退した後に抱えるメンタルヘルスの問題についてもより良いサポートを提供していきます。脳震盪の診断と管理の手助けとなる最新の研究結果を考察し、最新のテクノロジーを吟味し、長期的な健康を目指しラグビーファミリーが果たす役割について議論していきます。」

「このオンライフォーラムにお集まりいただいた医療スタッフ、科学者、研究者、プレーヤー、コーチ、レフリー、そして競技規則エキスパートの皆さまの知見や専門知識、献身と情熱を通じ、プレーヤーウェルフェアの優先課題への取り組みを推進していくことができることにワクワクしています。」

ワールドラグビーウェルフェア&競技規則シンポジウムに関する詳しい情報はここから  ご覧いただけます。