- ラグビー界は頭部外傷予防への継続的なコミットメントで結束
- 既存の頭部コンタクト対処手順を拡大した「ヘッドコンタクトプロセス」であらゆる頭部コンタクトを網羅
- プレーヤー、コーチ、レフリー、規律オフィサー、医療スタッフ、法専門家らで開発
- このプロセスはギネス・シックスネイションズその他のエリートレベル大会で既に運用開始
ワールドラグビーは、頭頸部のコンタクトに対する制裁判定の手助けとなるプロセスとして「ヘッドコンタクトプロセス:HCP(頭部コンタクト判定手順))」を公式に発足し、ラグビーにおける頭部外傷予防に対する同団体の強いコミットメントを強調しました。このプロセスは、現役・元プレーヤー、コーチ、レフリー、そして医療専門家との徹底的な協議と連携を通じて開発されました。
HCP(ヘッドコンタクトプロセス)は、リスクの高いタックル行為に対するフィールド内外での制裁をより強力で一貫性をもったものにすることによって、プレーヤーの行動をポジティブに変え、頭部外傷のリスクを軽減する「ハイタックルサンクションフレームワーク」を進化させたものです。
進化版HCPの中では、ハイタックルとショルダーチャージに加えて、危険なクリーンアウト、頭部と頭部の衝突、ボールキャリアによる肘または上腕での頭部接触を含む頭頸部との全ての反則コンタクトにまでその対象範囲を広げています。
HCPは、ギネス・シックスネイションズやその他エリートレベルの大会で既に運用されていますが、競技規則適用ガイドライン の形で直ちに全レベル対象で施行されます。プレーヤー、コーチ、そしてマッチオフィシャルを対象にラグビー全体でのHCP教育を展開し、脳震盪に対する更なる意識向上を図ります。
HCPは、プレーヤーを守るというコミットメントのもとでラグビー界が一丸となり、2020年3月にパリで開催したプレーヤーウェルフェアシンポジアムで行った ハイタックル・サンクションフレームワーク の包括的かつ計画的な共同レビューの成果物です。このレビューは、プレーヤーやコーチ、レフリー、医療スタッフ、そして規律分野の代表者などで構成する複合分野のレビューグループが行いました。
ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べました。「私たちのプレーヤーのウェルフェア(福祉・身の安全)は、常に、私たちにとっての優先課題であり、ラグビーを皆にとって可能な限りベストなものにするため、私も情熱をもって取り組んでいます。」
「このヘッドコンタクトプロセスは、私たちみんなの共同コミットメントを反映するものであり、プレーヤーの行動を変えることによって外傷リスクを軽減させるという私たちの大きな目標に沿って生まれたハイタックルサンクションフレームワークという確固とした基盤を更に強化するものです。」
「もちろんプレーヤーやコーチ、そしてマッチオフィシャルとして慣れるまでは精査の対象となると思いますが、この進歩的かつ保護的措置を導入する理由は、プレーヤーにとって正しいことだからであり、プレーヤーの代表者もこのプロセスの開発に積極的に貢献してくれています。」
ワールドラグビー、ラグビー&ハイパフォーマンスディレクター、ジョー・シュミットも次のように加えました。「昨年3月にスタートしたレビュープロセスは、世界的パンデミックによる混乱にもかかわらず、多分野レビューグループの皆さんの素晴らしい貢献により、とても協力的なレビューを行うことができました。現在のプレー傾向を反映し、またサポートし続けるという大きな目標に沿って、このヘッドコンタクトプロセスも定期的にレビューを行います。」
国際ラグビー選手会(IRP)はレビュープロセス、そして意思決定プロセスの中心的存在であり、同会はこの発表を歓迎しました。
IRPプレーヤーウェルフェア部長は次のように述べました。「私たちのプレーヤーを守ることを目的とした競技規則を開発する上で、プレーヤーが議論の席で発言することは極めて重要です。」
「ラグビーはコンタクトスポーツであり、競技規則は様々な場面で適用されます。全く同じタックルやクリーンアウトなどほとんどありません。当然プロセスも非常に複雑になります。このプロセスは全体としてポジティブな一歩ではありますが、これが本当にプレーヤーのため、またゲーム全般のためになっているかを知るため今後も監視を続けていきます。」
* ハイタックルサンクションフレームワーク・レビューグループ:
ベルナール・ラポルテ(議長)、コンラッド・スミス&デビッド・クインラン(IRP)、リッチー・グレイ、デイブ・レニー&グレゴア・タウンゼンド(コーチ)、ウェイン・バーンズ&ジャコ・ペイヤー(レフリー)、クリストファー・クインランQC&デビッド・バーンズ(ジュディシャル&サイティング)、Drマーティン・ラフトリー&ロス・タッカー教授(医療・研究)、アラン・ギルピン、ジョー・シュミット、マーク・ハリントン、Drエーナ・ファルビー、リース・ジョーンズ、ドミニク・ランブルズ(ワールドラグビー )。